消えたテッポウムシ
テッポウムシ・・・・・・カミキリムシの幼虫のことです。
木の幹からおがくずが出てたり、怪しい穴が開いていたら潜んでいる……
樹木の天敵として駆除対象になることも。外来のカミキリムシ(クビアカツヤカミキリ)が桜の木を食害して問題になっていますね。
以前春先に、川沿いを散歩していたら真ん中からばっきり折れた細めの木があり「雪の重みで折れたのかしら」と見たら木の表面が穴だらけだったことがあります。きっと中身もスポンジ状態。
我が家、お風呂を沸かすのに薪も使える窯でして、たまに剪定した庭木や紙ごみ、親戚から頂いた木を燃やすことがあります。最近はもう面倒だし薪割りもできないのでもっぱら灯油です。
何年か前、ご近所から「薪割り機」という文明の利器をお借りしたことがあります。太い薪を挟んでスイッチを押すと機械が圧をかけ、ぱこん!と割ってくれる! 楽!!
積雪が溶けない冬のある日。どういう経緯か忘れましたが、親せきが木を切ったからあげると持ってきて、お借りした機械でぱかぱか割っていました。
クリーム色でやたら頭?胸部?部分がでっかちのぶかっこうな幼虫がたまに潜んでいます。
これこそテッポウムシ。木の種類も解らず、何カミキリかまではわかりません。このまま木のなかに居たらいずれ燃やされちゃう。
幼虫を見かけるたびつまみだして作業スペースの隅にまとめておくと、可愛らしいお客様がやってきました。ジョウビタキのメスです。くりくりの目と細い足が可愛らしく、人間の様子を伺って近寄り、ぱくぱくぱくっと食べて去っていく……可愛い~
幼虫をつまんでみました。膨れた胸部は割と固い。腹はややぶよ。鱗翅目系の幼虫にある腹足はなく、それ以前に基本の6本足もある??というほど変わった外見でした。
そしてびっくりしたのが口。凄く鋭い顎が2つ、クリーム色の物体の先端から突き出しています。顔とか頭とかがわかりません。虫メガネででも見ればわかったのでしょうけど。今までに見たことの無いタイプでした。
割った薪の中に1匹ちょこっと顔を出しているのを発見。つまみだすにも出せないところにいたため、ちょっと飼ってみるかと思い立ちました。
ちょうどフィギュアやプラモを展示するような土台が黒の透明ケースが空いていたので、その中に薪ごと入れて自室の戸棚の中へ入れておきます。でもその後放置。何もしませんでした
そして春。薪の周りに細かな木くずが落ちていました。おっ、と思ったら正体は「アリ」。越冬してたんですね……複数いました。申し訳ありませんがこのまま閉じ込め、その後お亡くなりになりました。
そしてそのまま2年近く。忘れてたわけじゃないけどほぼ忘れてた。
何の変化もない薪。生きてんの?死んでるの?蛹なの?と怖いのと、棚にモノをしまうのに邪魔になってきたので割ってみることにしました。
ナタで細かく割るとトンネルが確認できます。しかし本体は一向に見つかりません。木のかすのようなものはぽろぽろと出てきました。
トンネルのある部分が一部特に黒くなっていて、何やらカスがこびりついている箇所がありました。そこから何かがぽろっと出てきました。
黒くて尖ったのが2個ついています。
……これ、もしかして幼虫の口……
本体は消え失せていました。いつからこうだったんだろう……。放置しすぎてよくなかったのかしら。蟻に食われたのかしら。たまに水かけるべきだった?
とにかく謎のままこの飼育は終了しました。細かくなった木はその晩のお風呂の燃料の一部になりました。
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