蜘蛛の巣の謎

 久々に晴れた日に家に居た為と、この数日雨ばかりの隙にとんでもない勢いで雑草がはびこってしまったので、草むしりをしていました。暑かったけれど雲が日光を遮ってくれたお陰でまあましに動けました。炎天下なら20分で嫌気がさしていたでしょう……



 まだ小さい蜘蛛の巣を見つけたのですが、何だこりゃ? 巣の中に一部、太くて白いジグザグした糸が付けられています。その糸のかかっている範囲は細長く、自分の体よりも長い。かかった餌をぐるぐる巻きにしているのとは違い、明らかに意図的に太く糸をかけているのは分かりました。

 付近の草を抜いてその巣を揺らしてしまったとき、その家主が自分で巣を高速でびょんびょん揺らし始めました。

「ああーごめんごめん!」と聞かれるはずもない謝罪をつい口走ってしまいます。この高速びょんびょん運動は暫く止まらず。威嚇? 疲れませんかね。とにかくすまなかった。



 それよりもこの謎のジグザグ糸、なんだ? 卵があるわけでなし、休憩所って感じでもなし……?

 夜ゆっくり調べてみると「ナガコガネグモ」というのがヒット。

 白い帯のジグザグの糸は「隠れ帯」とか「白帯」とよばれていて、いろんな説があるみたいです。

 虫をおびき寄せやすくするとか、身を隠すとか、鳥に警告しているとか。


 私の見たのは直線的でジグザグしていたので、おそらくはナガコガネグモではないかなーと思っています。

 またほかの種類だと、キレーーーにバッテンマークを作るコガネグモもいるみたいです。ちょっと見てみたいな。


 まだ完全にどういう意図で作られてるものかは解明できていないそうですが、虫がこんなに器用にジグザグ模様やバッテン模様をつくれるなんて。綺麗に作れるとモテるとかあるんでしょうか。

 私だって縫い物ならジグザグにできあがるんですけど(ただの下手くそ)。



 クモの巣はできれば壊したくないのですが、人が通ったり家の中に張られるとやむなく取ってしまいます。

 作っているところを見ると、たったひとりでぐるぐるぐるぐる何周もして、お尻を縦糸にちょんちょんつけながら何分もかけて巣を張るのですから、むやみに壊したら可哀そう。

 そしてあんなに細くてふわふわしているのにものすごい頑丈。かかった虫が暴れても切れず、絡まって逃しません。人間が簡単にまねのできない超素材で、その合成が繊維業界も注目しているとか。

 私たちの生活に役立つ日も近いかもしれません。やっぱり自然はすごい!

 

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