両手にカメムシ
駅へ行く途中。
フェンスの上にまだ若いかまきりがいました。ぱっと見自分の人差し指と同じ位の体長でしょうか。少し前までは吹けば飛ぶよなちびちびの細ーーいカマキリだったのに、もうこんなに大きくなって・・・
カマキリは何かをもぐもぐしていました。カメムシの幼生を捕まえたようです。
残念ながら何カメムシなのかは私の知識ではわかりませんでした。
ふと思ったんですけど、幼生とはいえカメムシだから食べたら臭くないのかなあ……
食事に夢中になっていると、かまきりの後ろの方から、すぐ足元を同じ種類のカメムシの幼生が歩いてきました。2匹続けて。かまきりは「おっ?」というように一瞬食べるのをやめて向きましたが、カメムシは自分から遠ざかっていく方向に歩いて行ってしまったのですぐに食事に戻りました。
しかしカメムシ、なにかの拍子に1匹戻ってきてしまったのです。目の前にハンターがいるとも気づかず……
カマキリにとってはわざわざ自分の方へ向かって歩いてくるカメムシを無視することはできません。「おっ」と気付いて再び食事をやめ、目で追います。顔がくりくり動くのが可愛い。
もう小さくなったカメムシを右手に掴み、足元へきた瞬間左のカマだけでぴゅっと捕まえました。
そうなっては逃げることのできないカメムシ。かまきりのお腹を満たすご飯になってしまいます。わりかし丸々しているし、厚みもある虫なので食べがいはあるようです。
カメムシ2匹捕まえてどちらもカマがふさがっていて、なんだか肉まんを両手で食べているような状態。
食事を再開すると、今捕まえたばかりのカメムシを食べ始めました。やはり新鮮なのと、あまりじたばた暴れられては面倒というのがあるのでしょうか。それとももう動かなくなったものは餌として認識されない、みたいのがあるのか……。ずっと見続けていれば右手のカメムシをどうしたかを知れたのでしょうが、そんなことで会社に遅刻するわけにいきませんので、致し方なく離れます。
そしてしつこいようですが臭くないのか気になります。臭わない種類のカメムシなのか、もしかして幼生はにおいがきつくないのか。
もし右手のカメムシを放棄しても、自然界にはそれをまた餌とする生物が沢山いるため、カメムシの命は無駄にはなりません。それに同じフェンスの上には蟻も数匹歩いていたので、もしそんなかけらを見つければ嬉々として持ち帰るのではないでしょうか。よくできてるなぁ。
実はもう十数年前にも、こんな風に後から来た獲物に夢中になって、先に食べていた方を放棄?したような場面に出くわしたことがあります。
それのお話はまた今度。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます