だまし絵虫
前回からの続きで、シャチホコガのお話です。
その蛾の成虫は、動物系の番組や世界の珍しいものを紹介するタイプの番組でクイズになっていました。
画面に落ち葉がたまった地面の写真があり、「さてこの中に蛾がいます。どこでしょう」というもの。
これが何も知らなければまっっったく見つけることができないほど、見事な枯れ葉の擬態なのです。
その名は「ムラサキシャチホコ」。
検索すると成虫がいっぱい出てきます。その翅のだまし絵におおーって思うはず。
横から見てみると「くるん」と枯れて端が丸まっている茶色い落ち葉にしか見えません。その濃淡といい、葉っぱの葉脈の凹凸といい、まさに
「生きるトリックアート」
といっていい!
上から見たら、少し分かる人なら「これは虫だな」と見破られそうですが、多分注意していなければ高確率でスルーでしょう。
実際は「くるん」も葉脈もない、翅についた鱗粉の織り成す模様でそう見えているんです。
いやーーーすごい!自分でみて「まねしよう」と思ったわけでも、描いたわけでもないのに。
だからこそ敵の目を欺いて生き残ってきたんでしょうね。
人の目に触れないことが、逆にとんでもない魅力を生み出す元になるなんて。
自分なんて目立たない、おとなしいから注目もされない、と内気になっているかたも、もしかしたらこんな風に外から見たらすごい魅力を隠し持っているかもしれませんよ。
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