ニセモノに注意
昨日のテントウムシダマシで思い出したのですが、もう一つ騙された虫がいます。
これ、今の時期もしかしたら皆さんの周りにも出現するかもしれませんので、注意喚起もかねて……
高校生くらいの時でしょうか。なぜか庭で縁側に座りぼーっとしていたのです。すると、目の前にあった石垣の隙間からちょこちょこと羽蟻が出てきました。
ものの数秒でその出てくる数が爆発的に増え、1~2分もすると石垣の石の一つが真っ黒になるくらい、羽蟻で覆われました。
羽蟻たちは思い思いのタイミングで、大空へ羽ばたいて新天地を目指します。
ああ、こうやって新しい命をつないでいくのだなあ。
感慨深く飛んでいく羽蟻たちを見送っておりました。残念ながら飛び立ってすぐ、自分よりもまだ小さい蜘蛛の巣に引っかかってしまったり、いつまでも石垣の上を歩いていたらハエトリグモに捕まってしまったりと、命を落とす羽蟻もいました。それも自然の摂理、ああ無常……
「ちょっと、これ”シロアリ”じゃない、早く退治してよ。隣から文句来ちゃうよ」
母が目の前を通るなり私に向かって言いました。
え? シロアリ?? 黒いけど。
「黒くてもシロアリなんだよ、日に当たると黒くなるの、早く、みんな隣に飛んでっちゃう」
うっそぉ、と思い、よーーーーーく見ます。
胸部に何やら黄色っぽい線があるように見えるなあ。
やたら羽が長いなあ。
羽が首あたりから重なってついてるなあ。(蟻は蜂の仲間なので、背の両脇から羽が生えている様に見える。シロアリはGと同じ仲間なので、羽の付き方もG寄りなのでしょう)
確かに、なんかいつも見ている羽蟻じゃないっぽいけど……とまだ信じられないでいると、決定打が現れました。
石垣の隙間からほんのちょろっと出ている、お見送りの「シロアリ」がいる!!!
奴らは日の下に自分から出てくることなんてほっとんどありません。他の蟻や捕食者に大事な羽蟻が襲われないよう、頭の大きくあごの鋭い兵アリが護衛としてついてきたに違いない! こいつの頭と今飛び立とうとしている羽蟻の頭……似てるし!!
石の上を埋め尽くしているこいつら全部……
シ・ロ・ア・リ・だぁーーーーー!!
今までの感動は一気にすっ飛び、物置へ殺虫剤を取りに飛んでいきます。
ひっつかんで戻ったら一時期の混雑のピークは過ぎてしまいましたが、今いるだけでも抑えねば!うちが発生源になって家が傷んだどうしてくれるとか言われたら大変だ!
ハエトリちゃんや子蜘蛛の巣にはかからないよう、なるべく地べたに居る奴、石の上に居る奴に狙いを定めてシューーーーー
気の毒ですが人間の生活も大事なのでやむをえません。被害拡大する前に手を打たんと。出入口にもノズル突っ込んでシューー。
その後、累々と地面に転がる羽シロアリを片付けながら石垣の隙間を気にしていると、小さな茶色い蟻がシロアリと戦っていました。
なかなかすごい戦いで、茶色い蟻の一匹がシロアリの兵の鋭い大あごの餌食になってしまい、腹部をかみ切られてしまいました。でも茶色い蟻だって負けておらず、数匹で立ち向かいます。がんばれ茶色い蟻。
4月から5月にヤマトシロアリ、6月から7月にイエシロアリ(※気温によるそうなので大体そのくらい、って感じで)なので、今もしかしたらあなたの隣に居るかも……
もし、お家の中に羽蟻が居たら「本当に蟻か」を確認した方がいいです。大事なわが家を守りたければ、シロアリなら逃がさず即駆除をお勧めします。
ほかにも見分け方として、本当の蟻の触角は
┓┏
と、途中かくっとなって「く」の字型になってます
シロアリの触角はかくっとなっているところはなく、つぶつぶが並んでいるような形をしています。割と真っ直ぐ。
体も蟻は蜂のようにボンキュッボンで腰が細くくびれているのに対し、シロアリはずんどう。羽があると体は視難いので、横や下から見るようになっちゃいますけど。
ちなみに、母が言ってた「シロアリは日に当たると黒くなる」というのは迷信で、羽シロアリは皆黒いです。外に出たから黒くなったわけではありません。
あと、もう家は手遅れかと思いましたが、それからン年地震が来ても台風が来てもまだ頑丈に立ってくれてるので、発生源は違うところだろうと思い込んでいます。
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