詐欺に注意

 この時期、植物の新芽にわんさかとアブラムシが付きます。来なくていいのに。


 そんなときの強い味方がテントウムシ。子供の時からアブラムシが好物。庭で野菜や花を育ててる人にはヒーローのような虫です。


 かくいう我が親も、農協やホームセンターで買ってきたナスやトマトの苗をプランターに植えており、毎年アブラムシ農場と成り代わっております。(めんどくさがってなかなか消毒しない)


 テントウムシは赤い地に黒い紋、もしくは黒い地に赤い紋の丸っこいかわいい虫。これもやっぱり以前のアゲハよろしく、見た目で得してます。触ると足の関節当たりからべたっとした苦い汁(アルカロイド系の毒成分含む)を出すというのに万人受けする役得な虫です。



 まだ子供の時、ナスに細かい水玉を持つテントウムシがたかっているのを発見しました。普通のテントウムシのような光沢感がなくて、決して元気な赤とは言えない地に黒い紋がいっぱい。でもテントウムシっぽいフォルムをしています。

 何も知らない私は

「お、アブラムシを食ってくれてるのだな、ご苦労ご苦労」

と、見守っていました。



 しかし……



 日に日にぼろぼろになっていくナスの葉。何でだ、テントウムシが葉を食べるはずないのに……でも明らかに奴のいる所がボロボロになっている……


 当時インターネット等ございません。これはアブラムシを食べるヒーローと疑わなかったのですが、もうそのまんま「テントウムシダマシ」(ニジュウヤホシテントウ)だったという事実は十数年後に知るわけです。しかも実もかじっちゃうという……「昆虫の図解」にのってた覚えはないし。


 チックショーーー! 詐欺だ!



 その名の通り28の紋を(数えたことないワ)持っています。

 正体を知った今はもう、見つけると遠くへ投げ捨てます。殺虫はなるべくしない。まあどうせ飛んで戻ってきちゃうんでしょうけどさ。

 



 もう一つ、謝らなければならない虫がいます。

 茶色の地に白い星のテントウムシがいて、その時の記憶ではこれのいる所も葉っぱがボロボロになってて、事実を知るまではこいつが食ったんだとばかり思っていました。

 しかしこの白い星のテントウムシ、いくつか種類がいるんですけど、食べるものがキジラミとかうどん粉病の菌と、なかなかいいやつだったのです。

 とんだ冤罪ですよ。ごめんなさい。

 たまたまニジュウヤホシが食い荒らした場所にこの子がいただけで、濡れ衣だったのです。むしろその葉っぱ、うどん粉病になってたかキジラミ湧いてたかどっちかってことかも……それもそれで人間の管理悪いんじゃないの?

 シロホシテントウで探すといくつか出てきます。



 あまりテントウムシ詳しくないのですが、何か栽培している人はこのニジュウヤホシだけは「お尋ね者」としっかり頭にたたきこんでおいて損はないですよ。幼虫もなんだか変な姿です。世紀末ヒャッハーにまぎれてそうな姿。文字通り消毒だー!


 

※これを書くに当たり知ったのですが「イヌホオズキ」という植物をナスの近くに植えておくといいそうです。そっちの葉っぱの方が好きらしい。実に毒ありなんで人間は食べちゃダメだよ!




 

 


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