うんこちゃん
虫の中でも、鱗翅目系は大好き。成虫も幼虫もどのステージでも「イイ!」と言えるほどぞっこんです。
みんな大好き「アゲハ蝶」。成虫は綺麗だし、普段虫なんかキラーイという人間もこれは別、みたいな特別待遇の虫です。アクセサリーのモチーフになっても気持ち悪がる人って見たことないですよね。
しかし幼虫。成虫は好かれるのに、ミカンをはじめとする柑橘の木、山椒の木で「ぼくトリのうんこ」となりすましているせいか、汚らしい、キモイ、と苦手な方もいるようです。
うちの庭にくるのはだいたいナミアゲハ。4齢まで茶&白。おもいっきり目立つ葉の表側にいるのに、配色のおかげでまさに鳥の糞に擬態してます。
幼虫って大体4回くらい脱皮して、5回目の脱皮で蛹に……というのが多いんじゃないかな。人間でいう何歳、みたいに「齢」で成長を数えます。
1齢は卵から出たてのミニミニちゃん。よくみるとちょっととげとげしてます。2齢でちょっと大きくなって、3齢あたりから立派なうんこっちに。4齢だとそこそこボリュームと貫禄が出てきます。3齢4齢あたりは擬態もかなり上級になります。
でも「ナガサキアゲハ」をはじめとする数種は4齢になったとたん「緑&白」のうんこちゃんになります。それはそれはヌルっとしてそうなディテールのすごさ。ネットに写真いっぱいあるから見て欲しい。
なんかつきそう……と見えるのですが、実際つついてもべたべたもしないし何もつきません。ただし臭ーい角を出されるでしょう。手につくと臭い結構取れません。
終齢幼虫になると、だいたい目玉模様をもち、緑色&褐色の模様の体に大変身。どうしてああも完全別人になるのか不思議なものです。
アゲハに限らず糞のふりをするのは多く、オカモトトゲエダシャクという蛾の幼虫はより糞に似せるため体をひとひねりします。そして動かないことで、鳥の目には「なんだうんこかよ」とスルーさせるスキルを上げ、今日まで生き延びてきたんでしょう。すごいなー。
人間だって何も知らなければ「なんだうんこかよ」で終わりそう。
もし、柑橘の葉の上に鳥の糞があったら、幼虫かそうでないか見てみてください。
少し成長した幼虫はちょっと体を持ち上げた体勢をとってることがあります。エダシャクの体一回ひねりに比べれば動きは少ないですが、これも敵の目を欺くための技なのだそう。まっすぐだとわざとらしいからでしょうかね。
ある日、ゆずの木の下の石垣にうんこちゃんが落ちていたので、拾ってユズの葉に乗せようとしたら、本物の鳥のうんこでした。
触れる直前に気が付いて難を逃れましたが、誰だ幼虫に似せた糞をしたやつは。
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