色々な痛いキャラを書きまくって分かったこと

六枚のとんかつ

実験に取り付かれた少女 秋穂紅葉 (あきほくれは)

秋穂紅葉 (あきほくれは)

年齢…14歳 (中学二年生)

身長…151.3cm

体重…43.5kg

性別…女性


キャラ説明

月が綺麗な夜の晩、私はなんとなくそうしたくて夜の街を歩いていた。

公園のベンチで一息ついてコーヒーを飲んでいたところ、長い青髪の少女がこちらに近づいているのが分かった。声をかけようとして振り返った彼女の目は忘れることは出来ないだろう。

…彼女は明らかにおかしかった。混濁した黒い瞳に、首元の大量の注射痕、手首に巻かれた包帯。私は彼女に関わることをやめ、逃げるように家に帰った。

(六枚のとんかつの手記)


背景

人は強大な力に全てを奪われてしまうとそれに魅了され、取り付かれてしまうものだ。幼少期に火事に巻き込まれ、家族を失った子供が放火魔になるように。

秋穂紅葉もその一人だった。彼女は製薬会社で重役を勤める父と、父を献身的に支える母、普段は意地悪だが優しい兄の四人家族で何不自由なく、幸せに過ごした。しかしその幸せは彼女が生を受けてからたった十年で崩れ去った。


小学四年生の頃、普段は仕事が忙しく、一緒に過ごすことが少ない父が無理をして作ってくれた10日間の夏休み、フロリダ行きの飛行機に乗ったことが悲劇の始まりだった。

彼女が薄れゆく意識の中覚えているのは、飛行機に充満する青紫色のガス、咳き込んで意識を失っていく乗客たち、そして気を失う最後まで、彼女の口を必死で押さえてくれていた兄の姿だけだった。


目が覚めたら病院着を着て、真っ白なベットの上にいた。ぼんやりとする意識の中、彼女は少しづつ何があったのかを思い出し始めた。

数時間後、彼女の病室を訪れたのは保険会社の人間だった。それで彼女は両親がなくなったことを知った。


莫大な遺産と保険金を手にしたが、彼女が望んだものは金ではなく、家族との時間だった。

ある日のこと、彼女は病院から兄の延命治療を止めることを進められた。兄は飛行機に乗った時の毒ガステロで、植物状態になっていた。


その日から、彼女は狂い始めた。

学校には行かなくなり、毎日兄を起こすための研究を繰り返した。

食事の時間が惜しいと思えば栄養注射をするようになり、風呂に入るのが面倒だと思えば代謝を抑える薬を自身に打ち、寝ずに研究をするために大量のアドレナリン錠剤を吐きそうになりながらも流し込む日々を送っていた。


遺産を狙ってくる下賎なものもいたが、研究の時間は減らしたくない。彼女は彼等を自身が作成した毒ガスで始末し、兄と似通った年のものがいれば実験台にした。


彼女の手が汚れていき、おびただしい死体がつみあがる中、彼女は兄を起こす目的以外にも薬の力に魅了され始めた。


今、彼女を動かしているのは過去とアドレナリンだけだ。



登場作品

「血まみれの英雄達」 異能力バトル 現代ファンタジー 2015年執筆



能力・装備品

「特殊抗体」

ありとあらゆる毒物、生物兵器、ウイルスに対し抗体を持つ。

幼少期の毒ガステロで彼女が死ななかったのはこのため。


「強化身体剤」

自身の体に身体能力を大幅に強化する薬を打ち込み、短時間異常なまでの身体能力を得ることが出来る。その能力は振り下ろされた剣をよけたり、蹴りで大柄な男性を気絶させられるほど。


「Hope gas」

彼女が自作した強力な神経ガスを手榴弾形の容器に詰めたもの。常人では数秒で意識を失い、一分ほどで脳の組織を破壊されるが、彼女には効果が無い。

「希望の気体」という名前からは想像が付かないほどの無残な死に方をする。


セリフ抜粋

(初対面の主人公に対して、)

「始めまして、あなたで実験を…いやあなたと実験をしたいわ。」

(敵に対して毒ガス手榴弾を放り投げ、)

「ちょっと早いクリスマスプレゼントよ。」

(裏切り者に対して、)

「兄は裏切られても、その人のことは恨まなかった。でも兄みたいになる気はさらさら無い。さようなら。」



座談会

六枚のとんかつ…「(以下作者)えーと…とりあえずお久しぶりです…。」

秋穂紅葉…「(以下紅葉)本当に久しぶりね。四年ぶりくらいかしら?」

作者…「う!まあ…それぐらいです。」

紅葉…「遅かったじゃない、その間何してたのよ。(紅茶をすすりながら)」

作者…「えーと…他の小説書いてたり…び…」

紅葉…「…び?」

作者…「BLに嵌ってたりしましたー!」

紅葉…「(絶句)」

作者…「…なんですかその汚物を見るかのような目は…。」

紅葉…「いや…私の知ってる作者じゃないと思っちゃって、まさかそっちの意味で腐ってるとはね…。」

作者…「四年も経ってるんですよ!これ書いたの小学生の頃!今、私高校生!」


紅葉…「…まあいいわ。で、なんで私が痛いキャラ認定されなきゃいけないわけ?」

作者…「それはですね…言いづらいな…」

紅葉…「はっきり言ってごらんなさいよ。」

作者…「まず、強いヒロインを書いてみたかったというのがあります。私はヒロインが守られがちな小説しか書いていませんでしたしね。」

紅葉…「なるほど、新しいことにチャレンジしようとしたのね。」

作者…「そして当時の私はダークヒーロー系の映画にも嵌っていたので闇があるキャラも書きたいと思いました。」

紅葉…「なるほど…で、その要素を組み合わせたのが私ってわけね。ここまで問題なさそうだけど。」

作者…「しかし、ここで問題が起こりました。『悲しい過去を持っているため回りの人間に関心を持てない』という設定と、『強いヒロイン』という設定を強化しまくった結果、『感情が無い』、『敵には容赦しない』というとっても痛いキャラが出来てしまったのです!」

紅葉…「…うわあ…。確かにこれは痛い…自分で言って悲しくなるけど。」


作者…「周りからはこういわれました、『ヒロインが強いのはいいと思うけど、共感することが出来ない。』と。また、書いていると『主人公いらなくね?』と思えてくる。あなたが捕まるシーンとか書いているときは本当に笑いながら書いてました。

『こいつなら自力で出れるだろ(笑)』とか思いながら。」

紅葉…「なるほど、他のキャラの役割を取ってしまうキャラは確かに物語では邪魔かもしれないわね。てか強い女性が書きたいのなら女性がヒーローの話書きなさいよ。男が弱いみたいな感じの話を。」

作者…「ああ、この作品の後書きました(笑)。最近では『Lose sanity』なんて話を書いてますし。強い女性が書きたいのなら必ずしもヒロインである必要はありませんしね。」

紅葉…「物語の中でヒロインが捕まるってのは結構鉄板だけど、そのヒロインが強いと『ご都合主義な展開』になってしまうのね。」

作者…「うっ…そうです。」

紅葉…「よい経験だったじゃない、小学生でそんな事を知れるなんて。で、結局あなたは私のことを痛いとは思ってるけど、キャラとしてはどう思ってるの?」

作者…「ああ、勿論気に入ってますよ。てか自分の作ったキャラを嫌いになるわけが無い(笑)。実際、あなたの『薬を使用する』とか『毒に抗体を持つ』とかは私の作品である『予知と強化身体能力、変身能力と頭脳があれば他いらなくない?』に出てくる『白雪伊織』に引き継がれましたし。」

紅葉…「それは…少し悔しいけど同時に嬉しいわね。四年前のキャラを忘れないでくれているなんて。」


作者…「というわけで、私が紅葉さんをここに引っ張り出したのは私の未熟さを知ってもらうと同時に、あなたを知ってもらいたかったからですかね~。」

紅葉…「あなた、この作品ネットに上げてないものね。じゃ、私はそろそろ帰るとするわ。そこで弱い主人公を守ってくるわよ。」

作者…「はーいいってらっしゃーい。」

紅葉…「あ、あとこれは少し早いクリスマスプレゼントよ。」

作者…「手紙?」

紅葉…「俺達もこのエッセイ?に出せって要望書。」

作者…「はは…ありがとう。」



六枚のとんかつからの一言

「キャラを作る時は役割を決めよう!そしてそのキャラが他のキャラの役割を食っちゃわないように!」byとんかつ

「さもないと私みたいみたいに『ヒロインなんで捕まるんだよw』とか言われるようになるわよ!」by紅葉

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

色々な痛いキャラを書きまくって分かったこと 六枚のとんかつ @rokuton0913

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ