第4話 翌朝
十月二十四日 朝
昨日も平和でいい日であった。
今朝もマメに牛乳一杯を飲みマメに九時ちょうどに出勤してきた浜島委員の元に、一人の社会人記者が挨拶にやってきた。昨日は奢ってもらってありがとう、どうもそんなことを言いにきたらしい。
「はい、はい、どういたしまして。光村くんは優秀だからな。でも飲みすぎて転んで怪我したら、さすがに良くないね」
光村と呼ばれたその記者は頭をへこへこ、相槌を打っている。心配していただいて嬉しい限り、だいたいそんなところである。
「ところで光村くん。以前何か記事にしたいトピックがあるって言ってなかったっけ?」
聞かれた光村は、持って帰って再考したらそこまで書きたいものではなかったと気づいたのだ、的なことを答えた。
「そうか。まあ、他に目ぼしいネタがあれば、いつでも相談に来たまえ」
光村は仕事場に戻っていった。
浜島は立ち上がると、窓に臨んだ。
寒冷前線が通過して、抜けるような秋空となっていた。最低気温は十三度、最高気温は十八度。極めて快適な天気である。
今日も平和でいい日になるだろう。
第四種接近遭遇 三木光 @humanism
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