第4話 魔法を使ってみた
予想通り、魔力は筋肉のように酷使と休憩を繰り返す事で超回復していくことがわかった私は、その後もとても嫌な顔をされながらも庭に連れて行ってもらい(当たり前だが、今までも外で遊ぶことはあった。)体を動かし、疲れたらご飯を食べてベッドの上で魔力切れで気を失う、を繰り返した。
そのため、昼と夜の2回、魔法の訓練をしている。
2歳児がこんな風に急に規則正しく生活すれば不審がるだろうが、そこは私と彼らの関係性。
もともとストレスのせいか異常なまでに聞き分けが良すぎた私は、結果的にすんなりとこの生活を手に入れた。
そして、2週間もすると1時間以上魔力を維持できるようになった。
実際に体に意識を向けると、以前とは比べ物にならない量の魔力が体を流れているのを感じる。
「そうなると次には実際の魔法だな。」
前世知識を元に、色々試したところ嬉しいことが分かった。
呪文や契約が必要なパターンなら早くも手詰まりだったが、ありがたいことにこの世界の魔法に必要なものはイメージのようだ。
ところで、普通に喋れた時には最初驚いたが、確か2歳児なら単語や二語文程度は喋れた筈だ。
特に舌足らずな感じもしないのは、私が喋ると言うことを前世で経験しているからだろうか。
寝巻きに着替えさせてくれたメイドが退室した夜。
ベッドの上に胡座をした状態で、手に魔力を集め、水の球をイメージする。
が、何も起きない。
そこで今度は、魔力に空気中の水が集まるようにイメージしてみると手のひらに水球ができた。
「おおー!」
初めての魔法だ!
と、ワクワクして眺めていると、ふと気付いた事がある。
「これ、どうしよう」
出したは良いが、消し方が分からない。
オロオロしていると、体が重くなる。
ここ最近で慣れた魔力切れの感覚だ。
早すぎると思ったのと、実際に気を失ったのは同時だった。
とりあえず姿勢が良かったのか、集めた水はおねしょとして扱われた。
当たり前だが、2歳児の今おねしょは普通なので特に不審がられなかった。
無言で事務的に処理する彼女達をプロというべきか否かは私には分からないが。
因みに、この世界というかこの時代にオムツはまだない。
下着はあり、昼は布オムツのようなものを履くが、夜は履いていない。
大人もそうなのか、赤ちゃんだけなのかは不明だ。
昨日の実践で、イメージで魔法が使えることと、魔法を使うとただ魔力を集める以上に消費が激しいということの2点が判明した。
後、火は流石に危ないと思い避けていたが、水なら大丈夫だろうと楽観視して後始末を考えていなかったのは反省点だな。
そして、その日の昼。
「今日は空気を集めてみるか。」
昨日と同じように魔力を集め、そこに空気の玉が出来るイメージをする。
「よしっ」
うまく言ったようだ。
何というか、空気の密度が高い空間が出来た。
これも風魔法、で良いのだろうか。
今度は魔力を散らすイメージ。すると、風がブワッと広がり空気の玉は無くなった。
上手くいったが、水でやったら結局水が飛び散ったな。
しばらくは空気で練習しようと決め、2回空気の玉を作ると私は気を失った。
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