第11話 魔法

 魔法はフレーザーやモナド、あるいはシンタクスを得る手法で、スタイルです。主に六つあります。

 シンボルとなる行為を否定し、それを逆に行わない行為をシンボルとするのが禁忌『タブー』です。何かをして他のことをしないようにする、他のことをできないようにするものは含まず、特定の何かをしないで避けることを禁忌行為『タブーイング』を行っていると言います。

 呪文を唱える呪唱・呪詛『スペリング』とは、一定の音声による一連のマトリクスである呪文『スペル』で構成されます。魔法の効果で早めたり抑揚やリズム、発音やメロディーを正確にしたりして強化したスペリングは術上呪唱『パワー・スペリング』と呼ばれます。

 だいたいスペリングは、一連の身振りによるシンボルマトリクスである呪文動作『ジェスチャー』と組み合わさせて構成されます。普通、パワー・スペリングに対しては、魔法の効果で強化した術上呪文動作『パワー・ジェスチャー』と組み合わされます。

 また、紋様や文字や数字などの記号の呪紋『スクリプト』によるシンボルマトリクスがあります。物理的にスクリプトを描くことは、呪描『(ハンド)ドロウイング』と言います。それ以外に、魔法の効果によって描き出すものを術上呪描『パワー・ドロウイング』と呼びます。

 象徴となる物品の形や種類や性質を、象徴となる操作や他の行為で、一連の象徴配列として繋ぐものを儀式『リチュアライズ』と呼びます。触媒を用いる魔法も含みます。特殊な場合を除き、術上儀式『パワー・リチュアライズ』はありません。

 神聖な幻覚や夢『ドリーム』を見るという行為は夢見『ドリーミング』と呼びます。リチュアライズなどの魔法の効果で強化したものは、術上夢見『パワー・ドリーミング』と呼ばれます。

 このように魔法はタブーイング、スペリング、ジェスチャー、ドロウイング、リチュアライズ、ドリーミングに分かれます。ただし混在する場合がほとんどです。

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