第10話 シンボル

フレイザーとモナド


 魔法を構成するのは象徴『シンボル』で大きく二つに大別できます。共感象徴『フレイザー(シンボル)』と単位象徴『モナド(シンボル)』です。

 フレイザーは三つに分けられるとする、ある魔術学上の解釈もあります。簡単に紹介しましょう。


 類感象徴『ライク(シンボル)』は類似するもの、類似の法則に基づくシンボルが該当します。

 感染象徴『パーツ(シンボル)』とは部分を構成していたか、構成しているもの、構成性の法則に基づきます。

 接触象徴『タッチ(シンボル)』は『パーツ』に近いとして一緒にしてしまう場合もあります。これは触れること、接触の法則に基づくシンボルです。


 このようにその魔術学の解釈ではライク、パーツ、タッチとしてフレイザーを三つに分けます。この分類は本来厳密なものではないので限界があると指摘されています。

 モナドはシンタクスに近く、基本的にフレイザー同士を繋ぐ文法的な役割を持つシンボルです。普通、モナドのみではマトリクスは無意味ですが、例外としてロウワードが該当するかも知れません。


マトリクスとシンタクス


 魔術(体系)はフレイザーとモナドを連結した象徴配列式『(シンボル)マトリクス』の体系と考えます。

 マトリクスを作るには、どんな法則で構成しても良いわけではありません。言語というと語弊がありますが、話すときエギナ語なのかクノーン語なのかをはっきりさせる必要があるようにマトリクスにも文法があります。形態はともあれ一塊のマトリクスがなすコントロール下の『相』へ作用を生じる構成の様式、つまりマトリクスの配列の根本の様式、それが『(シンボル)シンタクス』です。しかし言語の中にも外来語や方言が混在するようにシンタクスはそれ以上に別のシンタクスが混在してマトリクスを構成します。

 マトリクスが一種類のシンタクスで構成される純血式『ピュアブレッド(シンタクス)』なら作業時間は長いけれども安定し確実です。逆に多種のシンタクスで構成される混血式『ハイブリッド(シンタクス)』なら逆の現象が起きます。

 共通のシンタクスの魔法は習得しやすくなります。

 それぞれのシンタクスにはそれぞれ種類があって様々な特徴を持ちます。

 術を製作しやすいもの、作業が早いもの、確実なもの、緻密な技術で才能をカバーできるもの、安全なもの、大きな効果を扱えるもの、召喚や物品加工や精神体創造などの特殊な目的に向いているもの、特定の術具や生け贄などを媒体化して触媒や消費するのに極めて向いているといったものなどがあります。

 シンタクスは互いに接合しやすい相性があり、ジグゾーパズルのように組み合わせを考えなければなりません。ジグゾーピースがどれだけの数あるかが、パズルの難度になるようにハイブリッドは解読、時には使用が困難な場合があります。

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