第9話 ワールド

ワールドとダイナミクス


 世界は、その内包する事実が存在するということのための時間の進行『ダイナミクス』の及ぶ、全てによって一つの世界『ワールド』を構成します。時間の及ぶ、つまりダイナミクスの範囲がワールドです。


ロウワード


 『相』に人工的に働き掛けることは理想的には自然の世界法則の、つまり『相』の永久的な書き替えなのです。永久的な働き掛けはワールドの名前、世界の象徴『ロウワード(シンボル)』が必要です。困難ながらも世界の象徴『シンボル』の書き替えができるから、独占しようと奪い合いが起きたので、それは混乱のうちに失われてしまいました。各種の伝説が各地に残存しています。しかし今は代用品があります。

 それが『Δορουπ』などのシンボルで、代用象徴『セミワード(シンボル)』と呼ばれるものです。一部では本当の世界の名の探索が行われています。


パラレル


 魔法は『相』上のダイナミクスですが、それは世界の外から起きるものです。ダイナミクスそのものにも、『相』があるからです。現象の存在、時間の存在、それが世界性『パラレル』を持つ異界『パラレルワールド』の存在の証拠です。

 異界は四つに便宜上、分類されています。


 高位異界『ハイ(パラレルワールド)』とは、我々の世界の『相』上のダイナミクスのうち、本来、森羅万象といった現象を起こしていると考えられます。

 同位異界『アイデンティカル(パラレルワールド)』とは、本来、我々の世界とは別個で関わりない『相』上のダイナミクスを持つ独立した異界とされます。

 低位異界『ロー(パラレルワールド)』は、ハイの制御を妨げる『相』上のダイナミクスを持ちます。妨げることしかできませんが、それによる『相』上の歪みを巧み にコントロールして我々の世界にハイ並みの力で働き掛けてきます。

 完全外異界『アウター』はハイ、アイデンティカル、ローのどれにも属さない異界で、世界性『パラレル』さえもない場合もあります。我々の世界には観測不能で、接触もできません。


 このように、パラレルはハイ、アイデンティカル、ロー、アウターの四つに分けられます。

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