2話

私は今日からコンビニでバイトを始めた。ドアが開くと音が鳴る仕組みになっているためお客様の出入りにいち早く気付くことができる。


「いらっしゃいませ~」


初めてのお客様だ。私は商品棚の整理をしているためお客様の姿は見えなかった。


すると話しかけてきたのはお客様の方だった。


「すみません。ビタミンドリンクはどこにありますか?」


私は顔を上げるとそこにはすらっと背が高い同じ高校の隣のクラスの私の好きな人だった。


後ろにのけぞりそうになったが何とか耐えて丁寧に説明することができた。


(やったぞ私)


私の好きな人、そう海上うなかみりく


あれ?海上君の携帯が落ちている。棚から商品取るときに落としたのかな。渡してあげよ。


それを拾った瞬間に退店音がした。


「やばっ!」


私は走って海上君を追いかける。


「お客様、お忘れ物です。」


よっしゃ渡せた。


「雲下さん...」


「はい...?」


え、なになにもしかして海上君となりのクラスの話したこともない私のことを認識してくれてるの?


「あ、あの私の事ご存知ですか?」


「いえ、先ほど可愛らしい店員さんがいらっしゃると思って名札を見させていただきました。」


そうだよね。隣のクラスの女子なんて知らないよね。ってそんなことより可愛らしいって......よっしゃきたああああああああああああああああああああああ


はい私人生勝ち組。好きな人に可愛いって言ってもらえるほどうれしいこと無いでしょ!きたきたきたきた。


「って、あっ!。ご本人目の前にして何言っているんでしょうね僕。気持ち悪いですよね。わかっています。もうあなたの前に一切姿を見せないので許してください。ごめんなさい。では!」


ええええええ。姿を見せてくれないのは悲しすぎるし帰ろうとしているし致命的状況。何とか食い止めなきゃ。


「すみません。私はお客様とまたお会いしたいですし姿を見せていただけないのは悲しすぎるのでまたいらしてください。」


「ありがとうございますっ!」


お客様...海上君はホッとした顔をして帰って行った。


次はいつ会えるんだろう。

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会いたいから..... 十六夜 狐音 @Kaikus30

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