第十小節 星の雨が降る夜、月虹の下で
「やぁ、コレット」
「ん……あ、エセル。今戻ってきたの?」
「うん。ほら、そろそろ夕飯の時間だから、もし良かったら一緒に食べようと思って呼びに来たんだよ」
「そっか。わざわざありがとう、エセル。……あれ、そういえばエフェスは?」
「ふふ、それならあとで分かるさ。とりあえず、ボクに付いて来て」
「うん。分かった」
コレットの表情は、外出前の時に比べれば幾分か明るく見えるものの、その声色は何処かくぐもっているように聞こえた。やはり努めて気丈に振る舞っていても、その胸中はまだ厚い雲で覆われているようだった。
きっと一人きりになった時に、今後も含めた様々なことがその頭を駆け巡っていったに違いない。しかし独りで考え込んでいると、どんどん良くない方に心を持っていってしまいがち。ここはボクとエフェスで彼女を元気付けてあげたいところ。
「あれエセル、こっちに行くの? 食堂がある場所は反対側だよ?」
「心配は要らないよ、コレット。今日はこっちに用があるんだ」
「そう、なの? けどこっちって何があったかな……」
それからしばらく校舎内を歩いて、エフェスが待つ調理室へとコレットを案内した。ここには調理だけでなく、同時に食事を楽しむことが出来る専用の空間もある。ただ学級の子たちはボクと同様、まだ自分で料理をした経験がないようで、その利用者は片手で数えるほどしか居なかった。
「ここは……調理室? こんなところがあったんだ?」
「うん。どうやら自炊をしてみたいっていう子たちのために設けられた場所みたい。実際ボクも、エフェスに聞くまでは気付かなかったくらいだよ」
ボクたちが料理室に入って程なく、こちらに気付いたエフェスが足早に駆け寄り、コレットの背中を優しく押すようにして、彼女を窓際の座席へと導いた。窓越しにはウッドデッキと思しき空間が見え、そのまま屋外に出ることも可能な様子だった。
「わ、大きなお鍋だね……それに、何か良い匂いがするような」
「でしょでしょ? ふっふぅん、じゃあ早速だけど、お鍋の蓋を開けちゃいましょうか、エセルさん」
「何その呼び方……ま、それはそれとして。コレット、今日の夕飯は、これだよ」
「ほぅら!」
そうしてエフェスが勢い良く鍋の蓋を開けると、ぼわりと白い湯気が大きく立ち昇り、さらにその後を追うようにして、いかにも食欲をそそり立てる、とても深みのある香りが周囲に広がっていった。
「わぁ……とってもいい香り。ひょっとしてこれ、エフェスがお料理を?」
「半分正解!」
「半分? って、ことは……」
「そう! 実は今回、こちらのエセルさんにもお手伝いをしてもらったわけですよ、はい。何せあの一匹狼ぽいエセルさんが、力を貸してくれたわけですからねぇ、これはちょっとした事件ですよぉ、レティさん?」
「いや、ボクそんなんじゃないし……それにさっきから何で、さん付け……?」
「ふっふふふ。そう、だったんだ。二人で協力してお料理を」
「うん! 私たちね、何かレティの元気が出るものはないかなって思って、街に行ってみたんだけど、そうしたらそこでちょっと面白い食材を見つけちゃってさ。しかもカリーの具に使えるって書いてあったから、思い切って挑戦してみたの!」
「まぁボクは料理の経験はなかったから、色々エフェスに教わりながらやってみたんだけど、この感じだと思いのほか上手く出来たんじゃないかな」
「ふふ、エセルが研いだお米だっていい感じに仕上がってるよ? ほら!」
エフェスはそう言うと、食卓の脇に置かれた台車、その上にある炊飯器の蓋をぱかりと開けた。するとそこには艶やかに照り輝き、ふっくらとした質感を見せるお米の姿があり、ボクが思っていたよりもずっと上手く炊き上がっていた。
台車の下の段には他にも各種食器やサラダなどの皿が用意されていて、エフェスはそれらをてきぱきと配膳すると、お米をよそった皿に、カリーをかけて回った。
「よぉし、準備完了! 早速皆で食べてみようよ!」
「そうだね。じゃあコレット、温かいうちに頂こうか?」
「うん。えへへ、とっても美味しそう。それじゃ……いただきまぁす! はむっ」
ボクとエフェスは示し合わせたように、カリーを口に運んだコレットの反応を見守った。味見は日頃から食べ物にうるさいエフェスがしていたから、きっと間違いはないはず。あとはコレットの口に合ってくれれば、大成功。
「……どう、かな? コレット」
「うぅん! これ、すっごく美味しいよ! 何だろう、カリー自体は前にも何度か食べたことがあるんだけれど、それと違ってずっとまろやかな感じがするっていうか、こう、深みのある味がするよ」
「へへっ、良かったぁ! エセル、二人で頑張ったかいがあったね!」
今、ボクはきっと、とても嬉しい。これまでにも何度かそれと思われる感覚を覚えはしたものの、ここまではっきりと感じたのは初めてのことだった。
エフェスに比べて、ボクが手伝った分は全体のうちの一部でしかないけれど、それでも自分の想いを込めて作った料理を相手から褒めてもらえるというのは、こんなにも柔らかな気持ちになるのだと知った。
「それじゃあボクも、いただきます。はむ……ん、美味しい」
「ふふふっ。大成功だよね、エセル?」
「だね。正直、ここまでとは思わなかったよ。それにしてもこれ、つぶつぶして面白い食感があるよね」
「あ、うん。私もこの不思議なつぶつぶ感、とっても気になっていたんだけれど、これって一体何が入っているの?」
「レティ、実はこのカリーの中にね、ある果物が入ってるんだ!」
「えっ、果物が? 街で見つけた面白い食材って、そのことだったんだ?」
「そうそう。この辺で穫れるフェアリーフルーツっていうやつでね。カリーの具に使うと全体的にまろやかぁな感じになって、そのまま食べられる小さな種もあるんだけれど、それがこのつぶつぶした食感を生んでるんだ。面白いでしょ?」
「うん、とっても。ふふ……そっかぁ。二人とも、きっと私のことを想って、一生懸命にお料理してくれたんだよね。本当に、ありがとう。ありが、とう……」
コレットはカリーを美味しそうに頬張りながら、やがて大粒の涙をはらはらと流し始めた。ボクたちはそんな彼女の様子に揃って驚いて、対面に座っていたエフェスもすぐに立ち上がって、こちらに駆け寄ってきた。
「レ、レティ、大丈夫……?」
「う、うん。ごめん、ね。急に泣き出したりなんかして。でも私、二人の気持ちが本当に嬉しくって……自然に涙が……うっ、出てきちゃうの」
「コレット……」
人間という生き物は悲しい時だけではなく、時に嬉しい時にも自然と涙が溢れてくるという。ただボクには、その感覚が長らく理解出来なかった。
けれど、今こうして涙を流しているコレットの姿を目の当たりにして、胸の中がざわざわとして、喉の奥が締め付けられるような感じがするのは、ひょっとしたらコレットが今感じている、そういった気持ちが伝わってきているのかもしれない。
「……ねぇ。レティはさ、エセルの術で新たに判ったことがあって、きっと今はものすごく戸惑っていると思うんだ。でもさ、その……上手く言えないけど、一人きりで悩まずに、もっと私たちを頼って欲しいんだ」
「え……?」
「これ、前にも言ったかな? 私たちがこうやって知り合ったのは偶然かもしれないけど、せっかくお友だちになれたんだから、これからは色々なことをレティと分かち合っていきたいの。楽しいことだけじゃなくって、悲しいことや辛いこともね」
「うん。ボクもエフェスと同じ気持ちだよ。今コレットが思い悩んでいることは、友人であるボクたちにとっての悩みでもあるから。一人じゃ解決出来ない問題でも、三人居れば良い方向に導いていけるって、そう思うんだ」
「二人とも、ありがとう……本当に、心強いよ。誰かが側に居て、力を貸してくれる……独りじゃないって、こんなにも安心出来ること、なんだね」
その瞬間、深く沈み込んでいたコレットの表情に光が差したような感じがした。きっとボクたちの想いが、ただの言葉だけではなく、本当の意味で彼女の心に届いたのかもしれない。
コレットにとって、血を分けた実の姉妹が自分に対し、ボクが導き出したような仕打ちを本当にしていたのか、その真否はいずれ完全に明らかになる。そしてその時、コレットの支えになってあげられるのは、このボクやエフェスだと思う。
そうして三人で痛みを分かち合い、共に悩んで、たとえ辛くとも前へと進みだす一歩を踏み出すことが出来たなら、それはきっとコレットだけではなく、ボクたち皆が幸せになれる道が拓けるのではないかな、と強く感じた。
「ふふ、そういうことだよ、レティ! ほらほら、カリーが冷めちゃうからどんどん食べちゃってね。おかわりだってたっくさんあるんだから!」
「うん……! えへへ、本当に美味しいよ……」
「あとね、こんなのも見つけて来たから食べてみてよ。このタレにつけてさ」
「これは海藻? すごく変わった見た目だね? はむ……んっ?」
「どれ、ボクも試してみるか」
エフェスが酢と醤油に
「わ……口の中でぷちぷちして面白い食感! なぁにこれ?」
「この辺じゃ海ぶどうって呼ばれてる海藻なんだって。カリーにもつぶつぶがあるけど、こっちのぷちぷち感と合わせてみたら、何だか楽しいかなって思ってさ!」
「ふむ。これはこれで、何だか癖になりそうな感じだよね。ふふっ」
「あっ! いつもむすぅっとしてるあのエセルさんが笑いましたよ、レティさん! これはもう明日は雨だね!」
「ほんとだ。うふふ、でもエセルはやっぱり笑っていた方が可愛いよね」
「ふ、二人してまたボクをからかって……エフェス、授業料の件は無しだからね」
「はぁあああ? いやいやいやいや、それは全然関係なくない?」
「ん? ねぇエセル、授業料って一体なんのこと?」
「さぁ、なんだろうね……? ほら、今はそんなことより食べよう。ボクが野菜を切るのを手伝ったサラダもあるからね」
こんなに賑やかで、心が弾む食事は初めてかもしれない。料理にとって最高の調味料は、人の想いだとエフェスが言っていたけれど、今なら彼女がその本当の意味が解る気がした。
人と人との繋がりというものが、こんなにも気持ちを晴れやかにしてくれるものだとは思わなかった。正確に言えばボクは人ではないけれど、そんなボクでさえ、この今が楽しいということをはっきりと認識出来る。
こうなるとますます、エフェスやコレットと一緒に、同じ道を歩いてみたくなった。自らの運命を一度は受け容れておきながら実に勝手な考えであるものの、それが今のボクの本当の気持ちだと思った。
***
「ふぅ、流石にもう入んないよ」
「私もお腹いっぱい。でも今日は本当にありがとう、二人とも。エセルから話を聞いた時はどうしようかなって思ったけれど……何だか、元気になっちゃった」
「それなら何よりだよ。ボクも慣れないことに挑戦してみて、良かったな」
「エセルぅ、動けない私をコテージまで運んでいってよ」
「ふ、またそんな馬鹿なことを。何ならボクが風の魔現でも使って向こうまで一気に飛ばしてあげよっか? こうびゅんってさ」
「う……今そんな勢い良く飛ばされたら、色んな意味で危ないから! エセルはもうちょっと私にも優しくしてくれればいいのに。レティもそう思うでしょ?」
「ふふっ、エセルは優しいよ。とっても、ね?」
「コレットはやっぱり分かっているね。今度、甘いものでも一緒にどうかな」
「あぁっ! それなら私も甘いもの食べたい! 今からでもいいよ?」
「いや、今さっき動けないって言って……本当、どんなお腹してるの……」
そんな取り留めのない言葉を交わしながら、ボクたちはさっき居た食卓のすぐ傍にあったウッドデッキに三人並んで佇み、すっかりと暗くなった宵の空を見上げながら、心地よく流れてくる潮風に身を浸していた。
「あ、そうそう! 私ね、もう一つ面白いものを持ってきてたんだ」
「面白いもの? それってどんな?」
「ふふぅん、すぐに判るよレティ。エセル、私は一足先にコテージに戻るからさ、後からレティと一緒に砂浜の方までゆっくり歩いてきてよ」
「えっ? ちょっと待ってエフェ……行っちゃった。全く、あの顔はまた何かを思いついたな? それにさっき動けないって言ってたの、絶対嘘じゃないか……」
「ふっふふふ、もうこなれちゃったのかもね。とにかく、言われた通りに歩いて砂浜まで行ってみよっか?」
「だね。まぁきっと何かあるんだろうし、楽しみにして行こうか、コレット」
それからボクとコレットは、自分たちのコテージがある砂浜へと向かって、仄かな星明りに照らされた道の中をゆっくりと歩き出した。時折お互いに顔を見合わせては、特に意味も無く笑いながら。
「さて。言われた通り砂浜に着いたけど、エフェスは……ん?」
「お待たせ、二人とも!」
「あれ、エフェス。バケツなんて手に持ってどうしたの?」
「ふふぅん、何でかって言うとね……これだよ!」
「これは、
「ん、それはもしかして……前にメルが作ったっていう、例の?」
「そうそう、例のやつだよ!」
――そっか、本当はあの化け物が現れた日の夜に、ボクたちと一緒に楽しもうとしていて、それがそのままお預けになったかたちだったものね……花火棒。
この花火棒なるものは、メルが錬金術を使って生み出した試作品らしく、空に打ち上げる一般的な花火を、個人が携行可能な大きさで再現する不思議な棒らしい。確か前にエフェスがシャル姉さまや他の皆と小旅行に出かけた際に初めて使って、とても綺麗だったと言っていた記憶がある。
「ほら、レティも持ってみて」
「えっと、この棒をただ持っているだけでいいの?」
「ふふ、そうそう。あ、人にだけは向けないで……うん、それで大丈夫! じゃああとはそのまま、じっとしててね……ふっ!」
エフェスがそう言って、自身の指先に魔現で軽く火を
「わあっ、何これ……? ちょっと驚いたけど、すっごく綺麗……」
「これはね、メルお姉……私のお母さんが錬金術で作った、花火棒っていうものなんだ!」
「へぇ、そうだったんだ! エフェスのお母様って錬金術が使えて、こんな素敵なものも作れちゃう人なんだね!」
「ふふっ、まぁね! でも驚くのはここからだよ、レティ? 光を見てて!」
「光を? あれ……?」
するとコレットの持っていた花火棒から放たれていた光の煌きが、紅から青、そしてやがて緑へと次々に変化していった。
「えっ、何だか途中から色が変わったよ? ひょっとしてこれ、炎色反応?」
「正解! レティの言った通り、その棒の中に色々な金属粉末が入っていて、それを炎に曝すことで段階的に色が変わっていく仕組みなんだって」
「花火っていうと普通は空に大輪を咲かせるあの姿しか出てこないけど、この手軽さはとっても良いよね。それに何より、皆でこうしていると楽しい……かな」
「……レティさん、今のお聞きになりましたか? あの、エセルさんが! 私たちと一緒にこうしていて楽しいって、そう仰いましたよ! いやぁ私は嬉しいです……いつも部屋の隅っこで、独り静かに本を読んでいたこのお方がついに……これもきっとレティさんのおかげですなぁ!」
「あはは! なぁにそれ、おっかしぃ!」
「……くっ、全く君たちってやつは。変なところだけはそうして同調し合うんだから。レティ、今からこのエフェスってのを打ち上げ花火にしてもいいかな?」
「は? ちょ、その目はやばいやつですよ、エセルさん……? ぶ、物騒なことは駄目! 危険思想だよ! 暴力反対っ! 話せばきっと分かり合える!」
「ふふふっ、二人ってばほんっとうに仲が良いんだから……」
「「どこが⁉」」
そんな馬鹿馬鹿しいやり取りでさえも、今では全てが面白く感じられて。それはきっとボクたち三人がお互いを知り合って、受け容れて、そしてこの一時を分かち合っているからなのだろう。
コレットなら、たとえボクたちの正体――
もちろん、ボクたちだけの判断だけでは伝えられないこともあるけれど、ゆっくりと時間をかけて、ボクとエフェス、二人のことをもっとコレットに知ってもらいたいと思う。そしてそのためにはやはり……止まってなんていられない。
ボクは、生きたい。
もっともっと生きて、エフェスやコレットと一緒の道を歩いて行きたい。
それこそが今のボクが感じている、本当の気持ち。
花火の光が消えた後でも、眼裏にその足跡を長く遺していくように、いつか本当にその時が来ても、彼女たちの中でずっと生き続けられるよう、この今を思いきり生きて、行けるところまで行ってみよう。皆で、一緒に。
***
「エフェス? 何を書いているの?」
「あぁレティ、手紙だよ。無事に着いたら連絡を寄越しなさいって言われてたの、すっかり忘れてたから今のうちに書いているの。明日、皆のお土産を買いに行くついでに、出そうと思ってさ」
「メルとシャル姉さまたちにかぁ。でも今はどちらも出先じゃないの?」
「それなら、大丈夫。二人の生体魔素を染み込ませたっていうこの霧吹きをかけておけば、直接本人のところまで伝書鳩が届けてくれるだろうってさ」
「へぇ、すごいね。それにしてもお手紙かぁ……普段は身近過ぎて、口では言えないことも伝えられる感じがして、何だか良いよね。エセルは書かないの?」
「ボクは……何というかその、直接会って話せば良いことだと思うから」
「ふふん、そんなこと言って。本当は何だか気恥ずかしいだけでしょ? あっ、痛い痛い! ちょ、耳を引っ張らないでってば!」
「ふん、こうすると耳の周りの血流が良くなるっていうから、揉んでるだけさ」
「ふふふっ。それじゃあ私も、もう片方を揉んじゃおうかな?」
「えっ? 何それ……って、あいたたた! 両方から引っ張るのは駄目、絶対!」
コレットもこの短い間に見違えるほど明るくなって、段々エフェスの雰囲気に近くなってきている気がする。もしエフェスが二人になったら、きっとボクは大変なことになりそうだけれど、それはそれで楽しい…のかも知れない。
「ん……? ねぇ、あれ見て! 水平線のほう……」
「水平線? 一体何が――」
「わっ、本当! 何だか虹みたいなのが出てる!」
三人で窓辺から水平線の彼方に目を向けると、そこには白く暈けた虹のような弧が空に描かれ、何とも幻想的な輝きを放っていた。そしてさらに驚くべきことに、その上に広がる満天の星空から、幾筋もの光が雨のように降り注ぎ始めた。
「うわぁ……! 何て、素敵な眺めなの……」
「これは……」
「すごいすごい! 月の虹の間を、星の雨が
「願いごと?」
「そうだよ、エセル。知らないの? 流れ星が見えている間にお願いごとをすると、それが叶っちゃうらしいよ! ほら、レティも一緒にやろう?」
「あ、うん! えへへ、こんなに一杯飛んでるから、とっておきのを願うね!」
「ボクは……」
そしてボクは願った。どうかこのエフェスやコレットと一緒に、これからもずっと、楽しい毎日を過ごせますように、と。
星の雨が降る、この空の下で。
月の虹を潜り抜ける煌きに、心からの願いを乗せて。
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