第353話
さてさて、皆さん退屈な脇役パートはいかがだったでしょうか。
よくあるよね他のやつの視点で物語が進むことって。でもさ、それって主人公がいる意味がなくなっちゃうと思うのは俺だけじゃないと思うのよ。
だってこの物語は本来俺の異世界美女たちとのめくるめく情事を語ったもののはずなんだけど、首チョンパしたり脚チョンパしたり腕チョンパしたり色々とバイオレンスすぎるし未だにまともなヒロインが登場してくれないのとかもだいぶ問題があるんと思うわけですよ。はい。
正直なことを言えばね、“顔だけは”良いやつは結構いるんだよ。
でもね、中身が本当におかしい。8割マウンテンゴリラが入ってるんじゃないかって感じ。ちなみに残りの2割は異常系。サイコパスとかストーカーとか。
ほんとパッケージ詐欺も程々にしてほしいよね。プリキュアのフィギア買ったら中から烈海王のフィギア出てくるくらいのパッケージ詐欺っぷりだわ。
俺の異世界美女とのラブロマンスは一体いつ始まるん―――
「さっきから一人で何いってんの」
「あ、はいどうもユーリさんですお久しぶりです」
「ここ数日毎日のように見すぎて見飽きてきたからそろそろイケメンが見たい」
「誰の顔が数回見ると全パーツの構成が理解できるくらい手抜きフェイスだおい! こう見えて俺は結構モテるんだぞ」
「……どうせまともな連中じゃないでしょ」
いきなり核心を突かれて絶賛メンブレ中のユーリさんです。
「最近夜出かけてるみたいだけど疲れてない?」
「ぶっちゃけ死ぬほど疲れてるし、厄介な連中に追いかけ回されてるから疲労度2倍。できることならそろそろ癒やしがほしい」
「サボテンでも育てたら?」
どうにもハーシュたんには伝わらないらしい。
ココ最近俺は非常に忙しいのだ。王都に到着してから酒場で絡んできたヤンキーの家に爆弾仕掛けたり、毎日クソ夜中に押しかけてくる宗教勧誘のババアの家に爆弾仕掛けたり、バーでナンパしようとしたら横取りしてきたくそイケメン野郎の家に爆弾仕掛けたり、王城に爆弾仕掛けたり、手違いで近衛騎士団の屯所爆破しちゃったり、クソ朝早くから男女平等運動してる連中の集会所に爆弾仕掛けたり、ようやく寝付けたと思ったら外でどんちゃん騒ぎ始めたモヒカン連中を爆破したり、城壁に爆弾仕掛けたり、目障りなイケメンを片っ端から起爆したり本当に大変な毎日を過ごしている。
それだけではなく、どうにも俺の装備の一つがまたしても王城に運び込まれたらしいのでそれを盗み出したりもしてた。
ぶっちゃけ王城鬼ごっこで俺に勝てるやつは存在しない。
なんせ俺には茶室がある。あそこに籠もっちまえば誰も手出しできないわけだ。
「なぁなぁ、二刀流ってやっぱロマンあるよな」
「え、まぁ、そうなんじゃない?」
ちなみに俺の腕力で二刀流は非対応です。OSアップデートすればできるかもしれないけどそんなアップデートパッチは未だに来てません。
それと、ハーシュは念願叶って少しずつこの内乱でやべえ場所で歌を歌いまくってる。
野戦病棟や避難所なんかを回ってそこにいる連中を励まして回っているわけだが、ハーシュが俺以外の男にベタベタすること何ぞ誰得でもないと独断と偏見で決めつけて割愛。
要するに、姿をうまい感じに隠しながら、戦争に介入する気満々で準備を進めてきたってわけです。
「ん、そう言えばあんた今日暇?」
「暇だけどどうした? ホテル行く?」
「今日外で歌うからボディーガードよろ」
ここ数日こんな感じで一緒にいるからボケても突っ込まれなくなってしまった。
リアクションとしてはロリババアくらい……は盛った。あいつ加齢のせいで耳が遠いのかいちいちうるせえんだよな。
五等分のロリババアくらいのリアクションが好ましいって想像してみたんだけどあのババアが五等分になろうとクソうぜえ×5になるだけだったからそもそもロリババア換算するのをやめよう。
「あーあ、ロリババアにできる限り俺が笑える不幸がおきねえかな〜」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます