社会学者は嗤わない

@mtkmti

人はみな、社会の中で生きている。

誰かとつながりながら、愛し合いながら、傷つけあいながら。

それは時にうっとうしく、時に残酷で、時に勇気づけてくれるものだ。

そんな社会は複雑で一見不条理なものに見える。法則性などそこにはなく、ただ神の悪戯のように、状況は流転していくようにも見える。

しかし、それでもその中に無謀にも身を投じ、観察し考え討議を重ね真実かわからない真実を見出す無謀なもの達がいる。


人は彼らを「社会学者」と呼ぶ。社会はおびただしいほどの領域と位相から成り立つものである以上、その専門分野は多岐にわたる。またアプローチも統計的手法、面接的手法、高等数学を利用した手法、文献調査にもとづく手法など様々でありそこにはその研究者の信念やパーソナリティが反映される。


ここに一人の社会学者がいる。

髪の色は原色に近い赤。灰色の上下のスーツにノーネクタイの、白のYシャツ。そしてなぜかいつも便所サンダルを履いている。


この男の信念はなんなのであろうか。

彼曰く、「他のどんな人間が嘲笑おうとも、『社会学者は嗤わない』」ということだ。

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