第8話 女神のせいで物語が終わりを迎えます

 俺は料理が絶望的にできない。前世でダメだった俺だ、凡人になった今世でも恐らくできない。


 『料理作るんですか? まさかローザちゃんを殺す気ですか!?』


 殺さねえよ。っていうか女神がなに考えてんのか理解できてしまう自分がいる。確かに俺の料理食べたら死にそう。


 お湯しか沸かせねえ。カップラーメンしかできねえ。


 『カップラーメンは料理ではありませんよ』


 知ってるわボケ。カップラーメンしか料理できねえんだよ。悪いかこの野郎。


 おい女神何か俺でも作れそうな料理はねえのかよ。


 『野菜炒めとかどうですか、それか牛丼とか』


 うむうむ、なるほど。女神にしてはいい考えだ。普段からコレぐらい役に立ってくれれば。


 『体爆破しますね』


 うわあああ、待った待った。冗談だ。いやー女神様は凄いなあ。


 『分かればよいのです』


 チッ。俺は舌打ちを女神にバレないようにした。


 『バレてますよ』


 全て監視してるのかよ。バレてるのかよ。俺にプライベートはないわけ。オ○ニーとかどうするんだよ。


 『全部バッチリ。暖かい目で見守ります』


 やめて、逆に恥ずかしいわ。


 俺はローザと共に宿屋にある調理場を借りて料理を行う。


 「ローザ何か作りたい者あるか? 食べたいものでもいいぞ。親交を深めるため一緒に料理しよう」


 ローザはうーんと唸って考える。一々考える姿も含めて可愛いな。


 「お肉ですかね。お野菜でもいいです」


 ラッキー、女神が提案した野菜炒めや牛丼を作れるじゃないか。


 地球に似た星だからレントーの町にもスーパーがある。食品が並んでいる。


 本当にここ地球じゃないのか? おい女神どうなんだ。


 『地球ではありませんよ。私が地球に似た星を作り出したのですから。いわば私は神様なのです』


 お前が作った星なのかよ。どうりで地球に影響されている筈だわ。


 ラノベとか漫画もあるのか? 魔法が発達していると聞くが。


 『勿論ラノベ漫画アニメゲーム全て揃い踏みです。科学ではなく魔法が発達した世界も面白いなと思い作りました』


 よーしなら冒険頑張るぞ。後でここの星のラノベや漫画買おう。



 俺とローザは牛肉とキャベツやピーマンなどの野菜を買い料理を作った。


 ラックスキル999が幸いしてか失敗は一度も起きなかった。


 牛丼、野菜炒め完成したぞー。


 「ローザ一緒に食べよう」


 「はいナイト様」


 二人は一緒に仲良く食べましたとさ。


 

 って問題はそこじゃねえんだよ。おい女神この話で最終回なんだってな。俺の妄想は。


 『バレてしまいましたか。本当にラックスキル999ですね』


 実は今までの短い短い物語は全て俺の妄想でした。


 女神は本当にいるけど異世界転生なんてなかったんです。せめてもの慈悲で妄想を語らせてくれたんです。


 『どうでしたか? 虚しい妄想は』


 「来世は幸運に恵まれますように」


 『幸運祈っています』


 これにて俺の物語はお終い。


 虚しい物語でした。

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所詮ラノベ主人公のようにチートなんてもらえない~だからラック999で闘います~ 風白春音 @darkblack

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