第66話 正月事始めと、だし巻たまごサンド

 12月13日は正月事始めです。

 煤払いや松迎えなどのお正月の準備にとりかかる日です。

 一年のうちに溜まった家の垢、すなわち、塵、埃を掃ってきれいにして浄めて、年神様をお迎えするのですね。

 なにより住まいをきれいにすると、新年を気持ちよく迎えられますよね。


 明治の文豪の一人、『五重塔』で知られる幸田露伴は、掃除の仕方に厳しかったようで、その様子を娘の幸田文が随筆『こんなこと』に書いています。

 露伴は、懇切丁寧に自ら手本を見せて指導するのですが、その「息つくひまも無い細かさ」の手順の指導と、感情に任せた「機嫌をとるような優しさと、いがのような痛さ」の混ざった助言に、娘の文は辟易としながらもユーモア溢れる口調で、掃除道具の手入れから、部屋の整頓、はたきのかけ方、箒の使い方、拭き掃除や水掃除の仕方、障子や襖の張り替えといったお掃除稽古の様子を記しています。


 お掃除に欠かせない道具の一つに箒があります。

 箒は、ほうき草で作ります。

 この秋の九頭竜紅葉まつりに行った時に、福井県大野市和泉地区で育てているホウキ草(コキア)で作ったほうきがあったので、大中小と求めました。

 大は床を、中は本棚やサイドボードなどを、小はテーブルの上をと、役割分担をして使いこなしています。

 並べて壁に掛けると、インテリアにもなります。

 道具がかわいいと、お掃除もやる気が出ますね。

 ほうき草ことコキアのピンク色のものは着色したかのように鮮やかなのですが、伸びるに任せてそのままにしおくと自然に穂先がピンク色になっていくのだそうです。

 


 話は変わりますが、やわやわでとろりとした、甘くないだし巻たまごを、辛子バターを塗った食パンにはさんだら、極上のサンドイッチになりました。

 このサンドイッチには、紅茶ですね。

 熱いストレートティーに、だし巻たまごサンド。

 夜食に欲しくなります。



※第40回九頭竜紅葉まつり訪問記

第51話 山へ行く コーヒーを飲む 石を割る 時を超える

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889436989/episodes/1177354054891851437






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