第44話 『をみなごのための室生家の料理集』
『をみなごのための室生家の料理集』は、金沢出身の詩人で小説家の室生犀星のお孫さんの室生州々子氏がまとめたエッセイレシピ集です。
気難しいところのあった(繊細だった)犀星の食のエピソードも紹介されている微笑ましい一冊です。
金沢訪問の際に、室生犀星記念館で購入しました。
こちらのミュージアムショップは、猫好きだった犀星にちなんでの猫ものもあり、あれもこれもと手にとりたくなるラインナップです。
予算オーバーになりそうでしたが、それでも、この本は買ってよかったです。
一般書店では販売されておらず、入手しにくいので。
さらさらと記されている料理の紹介とエピソード、イメージを膨らませてくれる挿絵。
この三者のバランスがとれていて、見開きごとに額にに入れて壁に掛けておきたくなります。
本誌で紹介されているメニューには、じぶ(加賀の郷土料理の治部煮)、ひろず(飛竜頭・がんもどき)、おそうめんとお茄子(金沢の家庭料理)、蕪寿司(冬の金沢の代表的な味だそうです)などと一緒に、祖父犀星の好物として小鰯のからいりも掲載されています。
それから、「ザク」。
犀星が考案した家庭料理だそうです。
残り野菜をザクザクと切って鍋に入れて、鮭の水煮缶を丸ごといれて、くつくつと煮たものです。
好みで、お味噌かお醤油で味をつけます。
残ってるものを何でも入れる雑な料理なので、「ザツ」というところを、食べ物に雑と名付けるのはよくないからと、犀星が「ザク」と命名したそうです。
ちょうどレシピに載っていた材料があったので、作ってみました。
「材料 じゃがいも、大根、人参、玉葱、南瓜、小松菜など冷蔵庫に残っている野菜なんでも。鮭の水煮の缶詰。」
この鮭の水煮缶が、とてもよい出汁になります。
今回は、白鮭の中骨水煮缶を使いました。
仕上げは、お味噌にしました。
twitterに「ザク」の写真をあげておきますので、よろしかったらご覧ください。
和食がメインの本ですが、「フレンチ・トースト・ウィズ・ハンバーガー」というハイカラな料理も登場してます。
食パンにハンバーグをはさんで4つ切りにしてパン粉衣をつけてこんがりと揚げたものです。
ハイカラですが、食べる時は、ソースは合わないので、からし醤油で食べるのだそうです。
尚、金沢生まれの小説家の文学館については、以下のページでご覧いただけます。
『本を買いにいきました』
六箇所目 金沢三文豪――泉鏡花 徳田秋声 室生犀星――の記念館 金沢
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882605676/episodes/1177354054883081561
『をみなごのための室生家の料理集』 室生州々子
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