第39話 コレクション展「文学とビール―鴎外と味わう麦酒(ビール)の話」

 森鷗外記念館へ行く度に、森家の系図の前で、しばし足を止めてしまいます。


 代々津和野藩の典医の家系だったんだな、とか、子どもや孫にハイカラな名前をつけてるんだよね漢字当てて、など、家系図を眺めているだけで、想像が広がります。


 辿っていくと、星新一にも辿り着きます。

 鷗外の妹さんのお孫さんが星新一なのですね。


 この記念館では、常設展の他に、特別展とコレクション展がほぼ交互に開催されています。

 

 コレクション展では、収蔵品の中から、鷗外の愛用品、やりとりした絵葉書、直筆原稿、当時の風俗情報など、鷗外とその時代を身近に感じられる展示物に触れることができます。


 現在開催中のコレクション展は、「文学とビール―鴎外と味わう麦酒(ビール)の話」です。


 鷗外は、独逸留学時に、ビールの利尿作用について自分が被験者となって研究しています。


 書籍では、ビールのシーンが描かれている鷗外作品が紹介されていました。


 物品では、鷗外が留学時代に誕生日の贈り物としてもらった蓋付きのデコラティブなビールジョッキや、『青年』の中で麦酒を飲みながら食べていた料理「小鳥のあぶりものに萵苣ちさのサラダを模した食品サンプルが目を惹きました。


 ミュージアムカフェのモリキネカフェには、展覧会にちなんだメニューが登場するのですが、今回はビールです。


 休日の昼下がりに、カフェでビール、そして読書。

 目を上げれば、銀杏の巨木にスカイツリー。

 

 次回は、特別展「荷風生誕140年・没後60年記念 永井荷風と鴎外」です。


 銀杏の色づく頃に、また、ふらり、と。

 


※文京区立森鷗外記念館が登場する自作エピソード

『サルビアとガーデニア 作家志望の彼女と私』

「第19話 ミュージアムカフェで珈琲を」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890430472/episodes/1177354054890671372







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