第6話 時代錯誤?
「昨日のあれって何だったのかなぁ?って、昨日って言うのもおかしいよね?もしかして、アタシ夢でも見てて、
「あーっ、もう忘れよ!考えてても仕方ないし、実際に電話しても
「さぁて、明日もあるし、もう寝よ。あっ…目覚まし目覚ましっと…」智美はキチンと目覚まし時計を午前7時にセットして、
翌朝、目覚まし時計のアラームと
「うん、6月2日(火)7:01 ちゃんとなってる。夢じゃない」
「えっ?何で…」角を曲がった智美は
「何で工場がないのよ!昨日はあったじゃん」智美の目にデジャヴが飛び込んで来た。またしても内山紡績の工場がなくなり、
「一体どう言う事なの?…そうだ!駅よ。駅に行って、あの時と同じだったら、アタシはあの日の夢の続きを見てるか、何かなのよ」智美は
「確か、改札機に変な青い "IC" ってあったのよ。あ…あった、やっぱりあの日の続きじゃん」とりあえず、智美は券売機で
やがて定刻通りの急行列車がホームに入って来た。車内は
(千脇さん、いないよね。あっ!そうか、あの日は確か寝坊して、電車を二本遅らせたんだった。と言う事は、確かめようがないのか)
電車は
「な…何で?何で自社ビルがこんなに
「何、これ?MANYU CORPORATION?」ビルには会社名と思われる立体文字が
「一体、どう言う事よ。いつの間にこんな立派なビルが建ってんのよ!バブルが
「はっ?何よ、このビルから電車にでも
「ねぇ、アタシ、ここの社員なんだけど、ここを通してくれないかしら?」ガードマンらしき男は
「受付?分かったわ」智美は受付に行き、少し乱暴な雰囲気で話しかけた。
「ねぇ、アタシ、ここの経理の相崎だけど、中に入れてくれないかしら?」受付の女性も社員証があるはずと説明し、
「名簿にない?ちょっとその名簿、貸しなさいよ」智美は右手を差し出して、名簿を渡すように要求した。
「イエ、名簿は個人情報が
「はっ?パソコン?名簿に何でパソコンが出て来んのよ!アタシはパソコンじゃなくて名簿を寄こせって言ってるの!」受付の女性はガードマンに目配せし、アイコンタクトを取った。
するとガードマンが智美の元に来て「お客様、すみませんが、ご身分を証明出来るような物をお持ちでないですか?」と言って来た。
「身分証?免許で良いかしら」そう言って智美は免許証を差し出した。
「お客様、これはちょっと…
「な…アタシをバカにしてんの?どう言う事よ!」智美は周りに響くほどの大声で
「あなたねぇ、これ以上、訳の分からない事を言うと、警察を呼びますよ。オリンピックだって近くて、それでなくても警備は厳重になってるんですから」この一言で智美はハッとした。
「ねぇ、オリンピックって、まさか今は昭和39年なの?」智美の一言にガードマンは吹き出してしまった。
「あ…あなたねぇ、昭和ってなんですか?今は
「ねぇ、今日は6月2日の火曜日でしょ?」
「ハイ、そうですよ。それが何か?」ガードマンの言っている事が
「だから、平成5年、1993年の6月2日でしょ?」智美の言葉を聞いて、ガードマンは
「ハッハッハッ!な…何言ってるんです?今は令和2年、2020年の6月2日ですよ」ガードマンは笑い過ぎたのか、
「何?2020年?ア…アタシ、もしかしてタイムスリップして来たって言うの?」大声で言った智美の言葉に、周りがざわめき出した。智美は
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