第4話 私、神です。
眠りについてどれくらい経っただろうか、時間の概念がないのでよくわからない。
しかし、
なにか匂う。
煙は入らないけど、わかる。
焼けた匂いだ。
あまり好きではない匂い。
お香ではない。
火事か!?
なにか燃えているのならば見に行かねばならない。
私は外に出た。
「うっわ!!!」
そこには女の子がいた。
「あんたなに!?どこにいたの!?こっわ!!!」
とても驚いた表情を見せて距離を取る彼女。
「そんなことより火事ではないのですか!?」
出て、火の手がないのは瞬間的にわかったが彼女に問う。
「火事!?そんなんないない、そんなことよりあんたなに!?」
彼女の手から煙が出てる筒のようなものが小さくあかりを灯している。臭いはここから来ているようだ。火事ではない。
よかった。
冷静になり問いに答える。
「私、神です。」
「はーーーーーーーー?頭大丈夫?その格好コスプレなの?着物?浴衣?ずいぶんきれいだけどさー、なりきってんの?」
かなり早い口調で言ってくる。テッペイ君と全く違う早さに動揺する。
「いや、私ほ生まれてからこの姿なのであまりよくわからなくて…なりきってるではなくて、神なので…」
彼女の圧に押されて今度は私が距離を取る。
「うまれてから?あんたホントに神様なの?この神社とかにあるやつから出てきたの?」
間髪入れずに聞いてくる。
「そうなりますね…そこから出てきました…あのーその煙が出ている物の臭いが好ましくないので、臭いを出さないようにしていただけますか?」
恐る恐る聞いてみる。
「は?タバコのこと?私これ吸うためにここまで来たんだけど。」
彼女は右手に持ったタバコなるものを咥え、息を吸い込むと煙を吐き出した。
私は咳き込んだ。涙目になりながら。
「ゴッホォゴッホォ」
「あら、ダメな感じか。ごめんごめん。」
そう言うと彼女はそれを地面に落とし、足でそれを踏んづけ、強く押さえつけた。煙を出さなくなったタバコを掴み、小さなガマ口に入れた。
「んで、あんたはホントに神様なのかい?」
「はい、私、神です。」
人が好きすぎる神と自分が嫌いすぎる人間達 おGちゃんMK2 @OG3MK2
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。人が好きすぎる神と自分が嫌いすぎる人間達の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます