鈍痛
ガンガン、ガンガン
頭が揺れる
「ねぇ、聞いて!今日ね!」
うるさい。
黙って…
私にはなし、かけないで。
ガンガン、ガンガン
「どうしたの?元気ない?」
うるさいうるさい…うるさい!だまれ!
「美味しいね!あなたはどう?」
咀嚼するたび、頭が揺れる
味とかそんなの、感じない
痛い、いたい、イタイいたい
どこからともなくやってくる
立ち上がるとき、走るとき
「今日もなんだか辛そうね?」
うるさいうるさい!話しかけるな!
痛みとともに私なんて、
いなくなればいいのにな…
それから少し経ったあと、
するりと痛みは消えていた。
「なんだかスッキリした顔ね。」
私はにこりと笑えたの
体が軽く、心も軽いはずなのに
なんだか心は寂しくて
懐かしいとさえ、思えるの
あぁ、あの痛みはどこ
また、私を苦しめて…
あの痛みこそ、私の生きる証だと
感じる私は、イタい人
どこにも満たされないモノたち 春野 秋 @akiharuno
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます