鈍痛

ガンガン、ガンガン

頭が揺れる


「ねぇ、聞いて!今日ね!」


うるさい。

黙って…

私にはなし、かけないで。


ガンガン、ガンガン


「どうしたの?元気ない?」


うるさいうるさい…うるさい!だまれ!



「美味しいね!あなたはどう?」


咀嚼するたび、頭が揺れる

味とかそんなの、感じない


痛い、いたい、イタイいたい


どこからともなくやってくる

立ち上がるとき、走るとき


「今日もなんだか辛そうね?」


うるさいうるさい!話しかけるな!


痛みとともに私なんて、

いなくなればいいのにな…





それから少し経ったあと、

するりと痛みは消えていた。


「なんだかスッキリした顔ね。」


私はにこりと笑えたの


体が軽く、心も軽いはずなのに

なんだか心は寂しくて


懐かしいとさえ、思えるの

あぁ、あの痛みはどこ

また、私を苦しめて…



あの痛みこそ、私の生きる証だと

感じる私は、イタい人


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どこにも満たされないモノたち 春野 秋 @akiharuno

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