第38話 闘技大会について
最近の気分は最悪最低だ。
エルフの里の蟲付きがキッカケで、崩れる様に悪くなっている。
エルフの里では、アレから何の講座や体験でも刺激は受けなかった。罪悪感を感じたのか、最悪の過去を思い出した。
恩人を俺の手で屠る記憶だ。度々に見て思い出し、最悪の気分になる。何をしていても、考えていても絶対にあの方の顔がチラつく。脳に刻まれた様な錯覚に陥るくらい何をしていてもだ。
だが、いつまでもこんな気持ちじゃダメだ。過ぎた事をズルズルと引きずっては成功なんてあり得ない。
いつもやっている事をすれば良い。忘れるんだ。忘れる事が出来なくても、奥底に隠してしまえばい良いだけの話。簡単な事だ。
次のイベントは闘技大会だ。
剣術、戦術、魔法、気力、実力全てを出し、一対一をする大会だ。五位から二位になると無条件でAクラスになり、一位になるとSクラスに昇格する。
そして、この大会に一年生は参加しない。理由は簡単だ。一年生は二、三年生がどれほどの実力を持っているか理解している。その実力は自分達より上という事も。そして、勝てないと分かっているのに挑み、怪我をする勇気が無いからだ。
だが、禁止されているわけではない。その証拠に、一年生で優勝しSクラスに昇格した者も学園の歴史上にはいる。そしてその者は、有名ギルドに就職し、現在有名ギルドのリーダーをしているらしい。
つまり何が言いたいかと言うと二、三年生で結果を残すより一年生で残した方がいいと言う事だ。
そして俺は、この大会に参加するつもりだ。入学する前から参加するのは決めていて、この為に実力を隠す練習をしてきた。
この闘技大会は、多くの生徒や教師が観覧し、有名ギルドもライブ中継で見るらしい。ここでギルドにアピールし、就職する時の武器にするのが目的だ。
多少学園で目立つのは仕方ないが、優勝やベスト3に入らなければそこまで注目されないのも知っている。
まぁ、一年生が参加する事自体が目立つ理由なんだが、これも良い意味で目立つ訳じゃなく、悪い意味で目立ってしまうが、そこは気にしないでおこう。例え周りに馬鹿にされようと、まぁまぁの結果を出せば中和される。
この計画を成功させる為に闘技大会は成功させなければいけない。勿論、全てにおいて成功させなければいけないが大体は挽回できる。だが、この闘技大会は失敗すると計画が壊れてしまうかもしれない。
いや、それは言い過ぎだ。失敗すると、計画にヒビが入る。そのヒビはやがて広っがっていき、崩壊の最初の一歩になってしまう。
だがら俺は、闘技大会の為にこの学園の生徒の大体の実力を観察して小さな脳みそに入れてきた。準備は徹底的にしてきた。
意思表示の為にもう一回言おう。
俺は闘技大会に参加をする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます