第13話 クラスの情報
一週間が経った。学園にも慣れ、クラスの雰囲気にも溶け込むようになった。少ないが友達と呼べる人物もでき、このまま問題なく過ごしていきたい。
そして、気になる人物もできた。気になるとは恋心とかそんな類の物ではなく、興味と呼べる物だ。
その人物とは、入学式の時俺の隣だったスズ・リフトという女子だ。青く手入れが行き届いている綺麗な髪がチャームポイントで、髪と同じ目は鋭い輝きを放っている。この一週間生徒と話しているのを見たことがなく言ってしまえば浮いている。授業の様子を見れば、真面目で恐らく頭はいい。そして気力操作は苦手ということはわかった。
浮いているからこそ要注意人物で、要注意人物だからこそ情報は必要だ。本人より本人のことを知っていなければならないと俺は思う。
「おーい、アッシュ次移動だぞー」
教室の外の廊下で俺の友達の一人が俺を呼ぶ。
「おー今行く」
必要な物を持ち席を立つ。
俺は次の授業の内容を思い出し少しため息を吐く。
その内容は気力の授業。1500年前は授業や説明などはなく自力で感じ取れという感じだったせいか教えられた事をやると少し違和感を持ってしまう。これは俺の考えだが、気力操作は人それぞれだと思う。
俺の後ろでもため息が聞こえた。まぁ、なんとなくため息を吐いたのは誰かわかる。誰かというとスズだ。彼女は、壊滅的に気力操作が下手で教師もお手上げ状態らしい。俺は、彼女が気力操作が下手という情報を何かあった時使えるかもしれないと睨んでいる。
彼女の表情は暗く、教室を出て行く足取りも重そうだ。
「おーい、置いてくぞー」
俺はその声で考えをやめて、彼を待たせていることに気づき小走りで向かう。
「ごめん、ごめん」
俺は軽く謝罪をし、彼と一緒に道場に向かう。
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