第6話 試験四日目

 ホテルに戻る頃には外は暗くなっていた。

 ホテルに入る際に俺と同じ受験生の生徒とすれ違う。

 俺はすぐに自分の部屋に戻り、ベットにダイブする。


「疲れた……」


 思わずため息と一緒に声が漏れる。前世ではこれ以上色々な事をしていたが、大体は力でごり押していた。脳筋ってやつだ。こんなに気を張っていたのは終焉龍と戦った時以来だ。


 だが、こんな疲れなどへでもない。俺の決意はそんなに弱くないんだ。


 目指すはBクラスの上位で、人当たりがいい真面目で優秀な生徒。そのルートに乗れば将来は安泰だ。



 理想の将来を想像して思わず口が緩んだ。







 &&

 ノックの音で目が醒める。小さい音に敏感になったのは前世で寝込みを襲われまくったせいだ。


 扉に向かうと地面に封筒が落ちていた。恐らく検査結果だろう。


 俺はそれを拾い上げ封を開け手紙を取り出す。今回はそんなに不安ではない。


 手紙を開けその中身をゆっくりと読む。今回は長ったらしい前置きもゆっくりと読む。


 魔力量 B

 気力量 B +

 加護 なし


 統合結果 B級 合格


 俺はその結果を見て小さくガッツポーズを取る。とりあえずは抜け出した。


 後は実技で初級魔法と気力をどれだけ操れるかを実演する試験だ。実技は正直自信がある。初級魔法は魔法の中では一番得意だし気力の操作も前世では世界一だったと思う。




 いちよう練習するか……

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