第3話 試験は鬼畜
俺はアルトルクス学園の試験を受けるために王都に来ていた。このシーズンは王都には沢山の中学生がアルトルクス学園の試験を受けるために集まるのだ。つまり俺もその内の一人だ。
俺は予約していたホテルの一室に入り明日の筆記試験の予習をしていた。英雄なら頭もいいと思っていたか?残念流石にそんなご都合主義はなく実技は余裕があったから実技に費やす時間を全て筆記に費やしてギリギリくらいだ。
大体ダンジョン攻略になんでこんな必須科目が多いんだよ。昔の攻略者なんて脳筋ばっかりだったぞ。
そんな事を頭の中で愚痴りつつもペンは踊るように動き続けている。
「はぁーめんどくさい」
まぁ言葉には出していいよね。
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試験当日。俺はバスの中で古代文字の復習をしていた。まぁ古代文字つっても俺が英雄だった頃の文字なんだけどね。え?ならなんで勉強してるのかって?だってかなり間違っているんだよ。まぁ時間が経つにつれて間違った方向に変化していったんだな。
バスの中には俺と同じで沢山の受験生が黙々と復習をしていた。
学校に着き駐車場にバスが止まる。駐車場には他にもバスがあり色々な所から来ているのだろう。中にはエルフもいる。
校門の前まで辿り着く。思わず声が漏れてしまうほど広大な敷地とそれを埋め尽くすような沢山の巨体な施設。国から支援を受けてるのは伊達ではないのだろう。
電子版の指示通りに移動すると建物の前に長蛇の列がいくつも出来ている。受験カードを機械に入れるだけなのにこんなに並ばないといけないと思うとため息が出る。
周りをキョロキョロ見ながら時間を潰しているとやっと自分の番がくる。無事に認証され試験会場に入っていく。
試験会場は三つに分けられておりやる事は同じで筆記試験だ。巨大な試験会場を埋め尽くすほどの人を見てこの半分くらいが筆記で落ちるのかと思うと鬼畜だと思う。
指定された席に座り周りを観察する。人と話してる者はほとんどいなく勉強してるか神に祈りを捧げているかの二択だ。俺は死んでも神になんか祈らないけど。
席がほとんど埋まると先生らしき軍服を着た男性が入ってくる。帽子を深くかぶっているせいで顔はよく見えないが雰囲気からして険しい顔をしているだろう。
先生がハキハキと筆記試験のルールを話してくれる。まぁ要約するとズルはしないで自分の実力でやれと言っている。
「始め!!!」
先生が開始の合図を送ると同時に全員が合わせたかのように紙を表にしペンを進める。
さぁ計画の最初の鬼門だ。
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