1450.端緒篇:高速タイピングを身につけよう
どんなにすぐれた執筆術でもカバーできない部分があります。
文字を入力する時間です。
どれだけ素早く入力できるかは、作品を多作するのにとても重要なスキルとなります。
入力速度はいくらでも速められるのです。
ただし「速める意識」がなければ改善しません。
高速タイピングを身につけよう
コラムNo.168、260、261で書いた「高速ライティング」。
実は小説を書くうえでとても重要なスキルです。
小説を書くとき、考慮したいのが「どれだけのスピードで文字を入力できるか」です。
もし一時間に一〇〇〇字しか書けないのであれば、一〇万字書くのに百時間を要します。
これが毎時三〇〇〇字まで速めれば三分の一つまり三三時間二〇分で済みます。
一日二時間「執筆」するとして、毎時一〇〇〇字なら五〇日かかりますが、毎時三〇〇〇字なら十七日ほどで完成するのです。
高速タイピングのススメ
小説執筆のスピードを大きく左右するのが「タイピング速度」です。
「タイピング速度」が遅ければ、どれほど下準備をしてもPCへ入力していく時間は余計にかかります。
毎分一〇〇字入力できれば一〇〇〇字を入力するのに一〇分しかかかりません。毎分五〇字しか入力できなければ二〇分もかかります。
「タイピング速度」によって「企画書」「あらすじ」「箱書き」「プロット」創りにどれだけ余裕が生まれるでしょうか。
物語の内容をどれだけ高められるかは「企画書」「あらすじ」「箱書き」「プロット」の水準をどこまで高められるかにかかっています。
ぜひ「タイピング速度」を高める努力をしてください。
できれば連載小説のいち投稿ぶんでタイピングにどれだけ時間がかかっているのか、毎回記録に残しておきましょう。
前回は五千字に二時間かかったから、今日は五千字に一時間五十分台を目指すという具合に。目標を持ってタイピングをできるだけ速めていく意識を持つのです。
実際に端末に打ち込む時間を減らすには、詳細な「プロット」が欲しいですね。
考えをラグ無しで入力できるか
またタイピングを速めるうえでは、頭の中(脳内)で考えた言葉をどれだけラグ無しに入力できるかも問題です。
私が最もタイピングの速かった時期なら毎分一八〇字打てましたが、今では一二〇字弱まで落ちました。それでも一般の方よりは速いほうだと思います。当時はCDを聴きながら歌詞をキーボード入力していく離れ業もしていました。
私が小説を書くときはあらかじめ「企画書」「あらすじ」「箱書き」「プロット」を経ていますので、「プロット」に書かれている情景を思い浮かべつつ、表現を気にしないでとにかく「高速ライティング」しています。細かな表現は後で直せばよいので「ドラフト」はとにかくスピーディーに「勢い」よく入力するべきです。
それを可能とするための「高速タイピング」です。
かなり
これが私にはベストな書き方ですが、もちろん万人に当てはまるわけではありません。
スマートフォンで投稿している方は
スマートフォンで執筆して小説投稿サイトへ掲載している方も大勢いらっしゃると思います。
そのような方はフリック入力などでできるだけ高速に打ち込めるようになるべきです。
しかし予測変換に邪魔されて案外と手間取ってしまうので、どうしてもPCより入力は遅くなります。予測変換はとても邪魔です。とくに小説は自分なりの漢字かな比率があって、漢字にしたい言葉とひらがなにしたい言葉を自分で決めている。それなのに予測変換は機械的に漢字を推奨してくるからです。AppleのMacに搭載されている「ことえり」も自動的に予測変換していきますので、小説を書くうえでは邪魔でしかありません。そこで私は『Google日本語入力』をインストールして使っています。固有名詞の登録数が多く、漢字の用例も表示されるので、正しい漢字が使えるようになります。
いちばん推奨したいのがJUST SYSTEM『一太郎』で採用されている『ATOK』と呼ばれる日本語入力システムです。『Google日本語入力』よりもさらに漢字の用例に詳しく、連文節変換でもかなりの精度で適切な漢字を選んでくれます。小説を書くうえでは最上級です。『ATOK』はMac版もありますし、プロの採用率も高いとされています。
もし小説投稿サイトで本格的に活動したいのであれば、どんなに低スペックでもよいのでキーボードを持つPCを購入するのがオススメです。物によっては三万円弱のノートPCもあります。
またスマートフォンやタブレット端末に近距離無線通信規格「Bluetooth」で接続できるワイヤレスキーボードも販売されています。是が非でもスマートフォンだけでまかないたいのならワイヤレスキーボードも選択肢に入れましょう。それでも予測変換には手を焼きますが。
とにかくキーボードのほうが、入力は劇的に速くなります。
タイピングが速くなればそれだけ「プロット」をじっくりと練りあげられますし、「ドラフト」の変換にも時間を使えてさらには「推敲」にも余裕が生まれるのです。
ローマ字入力とかな入力
PCのキーボードで日本語を入力するには「ローマ字入力」と「かな入力」があります。
キーボードに馴染みのない方はアルファベットの配列さえ憶えれば日本語入力もできる「ローマ字入力」がオススメです。
とくに現在の国内PC市場はグローバル化しています。富士通やVAIOやdynabookなどの日本メーカー以外に、AppleやhpやLenovoやASUSといった外国製のPCが広く販売されているのです。しかもApple以外はたいてい日本メーカーよりも安い価格で売られています。
それら海外メーカーで「かな入力」ができるPCも多いのですが、どちらかというと「ローマ字入力」に適したキー配列になっています。
「かな」「英数」キーが無く、スペースバーが長い、さらにキートップに「ひらがな」が書かれていないキーボードは原則「ローマ字入力」推奨です。
しかしUSB接続で「かな」「英数」キーのある「かな入力」に適した外付けキーボードも販売されているので「かな入力」がまったくできないPCというものはまずないと思ってください。
ちなみに私は「かな入力」で執筆しています。
「かな入力」は「ローマ字入力」よりもキーボードを打つ回数が減らせるからです。
打つ回数が減れば単純にそれだけ入力時間が削れます。
私が全盛期に毎分一八〇字入力できたのも「かな入力」だったからです。
「ローマ字入力」で「お正月」を入力するには「oshougatu」と最低九回打たなければなりません。
これが「かな入力」では「おしょうか゛つ」の七回打てば入力できるのです。
これは単語ですが、文章ともなればその差はますます開きます。
「海辺を走っている。」を「ローマ字入力」するなら「umibewohasitteiru.」の十八回、「かな入力」するなら「うみへ゛をはしっている。」の十二回と大差がつく。なんと入力回数が2/3まで削減できます。
しかし「ローマ字入力」で毎分一二〇字打てる人が、「かな入力」で同じ文字数打てるようになるのには相当な時間と努力が必要です。
それを考えれば「ローマ字入力」の入力スピードをできるかぎり高速化する努力に費やしたほうが建設的かもしれません。
現在「ローマ字入力もできない」とおっしゃるのであれば最初から「かな入力」を練習するべきでしょう。
最後に
「高速ライティング」するには、まず「高速タイピング」できるようになるべきです。
どんなに「企画書」「あらすじ」「箱書き」「プロット」に時間をかけていても、「高速タイピング」ができなければ、着想を文書として保存するのに時間がかかります。
それでは「高速ライティング」には程遠いのです。
だから、まずは「高速タイピング」を目指しましょう。
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