1228.学習篇:最初のハードルはできるだけ低くする

 今回は「ハードル」についてです。

「ハードル」が高すぎると挫折しやすくなります。

 適度な高さに設定すれば、効率よく成長していけるのでオススメです。





最初のハードルはできるだけ低くする


 学習をする際に意識されるものが「ハードル」です。

 この「ハードル」を都度超えていくのが学習だと言えます。

 超えるべき「ハードル」が高かったらどう思いますか。




最初のハードルは低いほうがよい

 物事を決断するとき、いきなり「ハードル」を上げてしまう方がけっこういらっしゃいます。

「小説を書こう」と思い立って、いきなり「小説賞・新人賞」を獲ると設定してしまうようなものです。

 なにもそんなに固くならなくてもよいのに。

 忍者だって最初は種を蒔いたその日に上を飛びます。

 最初の「ハードル」はできるだけ低く設定しましょう。

 小説投稿サイトを利用するのであれば、まずアカウントを取得するのを「第一ハードル」とするのです。これくらいならできますよね。

 次は投稿するべき短編小説を書きましょう。出来は問いません。書きあげるだけを「ハードル」にしてください。

 書きあげたらその短編小説を小説投稿サイトへ投稿しましょう。閲覧数もブックマーク数も評価も関係ありません。ただ投稿するだけが「ハードル」です。

 ここまでの「ハードル」を超えてきたら、道は二択です。「短編小説で閲覧数・ブックマーク数・評価をいかに高めるか」と「長編・連載小説を書いて投稿するか」。

 どちらかといえば前者の「短編小説で評価される」ほうを優先していただきたいですね。評価されるまでの時間が短いのでやる気が維持できます。

「長編・連載小説」は構成をしっかりやっておかないといけません。勢いだけで書き出したら必ず破綻します。つまり「ハードル」が一気に上がってしまうのです。

 短編は二、三時間もあれば書けます。時間効率もよいですよね。

 小説投稿サイトでいきなり開催されている「小説賞・新人賞」へ応募しても、たいていの方にはふさわしい筆力がありません。多くの手練れの書き手が時間をかけて準備し執筆しても、大賞はほとんど獲れないのです。だから自ら「ハードル」を上げすぎています。

「千里の道も一歩から」

 始めの一歩すら踏み出さないのに、ゴールへたどり着けるはずもありません。

 誰でも達成可能な「ハードル」を設定するのが、学習の「いろは」です。




努力は継続する忍耐力

「誰にでも達成可能なハードルを毎日超え続けれ」ば「努力」となります。

「努力」とはやみくもに、がむしゃらにやるものではありません。

「誰にでも達成可能なハードル」を設定し、それを毎日継続して超え続ける忍耐力そのものが「努力」なのです。

「努力」が続かない人は、毎日設定している「ハードル」が高すぎます。もう少し「ハードル」を低く設定し直しましょう。そうすれば毎日「努力」し続けられます。

 毎日続けて、前日より確実にひとつずつ「ハードル」を超えていく。そうすれば地力がつきます。

「今日は時間がないから明日に回そう」なんて考えるのは「努力」するつもりがないのです。

「努力」とはたとえ時間がなくても日課にするくらい優先するべきもの。あれこれ理由をつけて継続をやめるのは、継続する忍耐力である「努力」の才能がありません。

 あなたの人生においてなにが優先されるべきなのか。一度立ち止まって考えてみてもよいでしょう。

「プロ」の書き手になりたければ、毎日「小説を書く」努力をするしかないのです。

「プロ」になれば、嫌でも毎日「小説を書か」ざるをえません。

 アマチュアのうちから毎日書けないものが、「プロ」になった途端継続できるものでしょうか。

 アマチュアでも「小説を書く」楽しさを毎日味わうべきです。

 なにに楽しさを見出だすかは人それぞれ。閲覧数の高さ、ブックマークの多さ、評価の高さあたりは、どの小説投稿サイトでもわかりますから、ひとつの指標となります。

 たとえば閲覧数に楽しみを見つけてみましょう。

 今日書いた短編小説が、一日経って何人に読まれたのか。前日よりひとりでも増えていたら、それだけで嬉しくなりますよね。逆に減ってしまうと「どこが悪かったのだろう」と反省材料になるのです。

 こうして嬉しさと反省とを繰り返しながら、日々「努力」を継続していけば、毎日「小説を書く」のも意欲的に取り組めます。

 私は今年に入ってから、「5センチメートル腕立て伏せ」「5センチメートルスクワット」を毎日それぞれ1万回行なっています。睡眠導入剤を飲んでも効いてくるまでに三時間ほどかかるため、そのうちの二時間を当てて行なっているのです。おかげで本コラムのストックがいつもカツカツ状態になっているんですけどね。

 ですが、毎朝「体重が減る」「ウエストが細くなる」「筋肉がつく」とよい結果を見ると「今夜も頑張ろう」と思えてきます。

 元々は「体力をつけて、療養生活が前向きになる」ために始めたんですよね。でも目に見えて変化が出るのは、体力ではなく体重や筋肉、体つき。だから若干ナルシシストになってきたような気がします。

 この経験も小説に活かせそうなので、毎日筋トレをする人の心境が誤らず書けるかもしれません。


「小説を書く」のもこれと同じです。毎日なんらかの結果が出て、それを糧にして「今日も頑張ろう」と思えるかどうか。それが毎日投稿への意欲を高めてくれます。

 だから短編小説を毎日書いては投稿する。そして執筆前に前回の結果を見て奮起し、今日のぶんを執筆する。を繰り返してください。反復動作で「小説を書く」技能は確実に体得できます。

 正直に申して、小説投稿サイトの初投稿作品が長編小説・連載小説の方は「あまり伸びません」。とくに長編小説・連載小説をすべて書き終えてから、毎日少しずつ投稿していくようにしていると、執筆のスキルが手に入らないのです。

 長編小説・連載小説は毎日読み手とやりとりして、伝わる表現の仕方やアピールするポイントなどを時々刻々と適用しながら書き進めるから評価が高まります。

 なのにすでに原稿が出来あがっていると、読み手とやりとりできないので、読みやすくウケのよい作品にはならないのです。

 それでも毎日執筆するのは難しいので、ある程度のストックは持たなければなりません。それでも三本から五本のストックがあればなんとかなります。読み手からのフィードバックもそれ以降順次取り込んでいけば、表現力やアピール力がどんどん身についていくのです。

 長編小説・連載小説は、書きながら進化していかなければ意味がない。

 読み進んでいるのに面白くならないのは、書き手の視点だけで作品を書いているからです。読み進めるほど面白くなっていく作品は、読み手からフィードバックを得て、より楽しめるように作られています。





最後に

 今回は「最初のハードルはできるだけ低くする」について述べました。

 高すぎる「ハードル」を設定してしまうと、あまりの高さに超えられなくなります。

 それなりの高さに設定するから、毎日着実に成長していけるのです。

 そしてそれはあなたひとりで達成するものでもありません。読み手とのやりとりによって追加エピソードを入れるのも、変化に対応する技能を高めてくれます。

 もしあなたの作品で初回はよいのに今は横這いまたは下降しているのであれば、必ずテコ入れしてください。



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