1224.学習篇:将来なにをしたいのか

 今回は「人生設計」についてです。

 あなたはなにになりたいのか。正義のヒーローかもしれませんし、誰かのお嫁さんかもしれません。

「人生設計」が明確になれば、なにをするべきかが見えてきます。





将来なにをしたいのか


 あなたは人生設計をしていますか。

「どんな死に方をしたいのか」。これをまず決めてください。

 そうしたら次は「どんな仕事をしたいのか」を考えましょう。

 もし「プロの小説家になりたい」のであれば、そうなるためになにをするべきかを見つけ出していくのです。




どんな死に方をしたいのか

 実はこれ、とても重要なのです。

「病院のベッドで点滴と酸素吸入を受けて死にたい」方もいらっしゃるでしょう。

「自宅の布団で夜寝てそのまま自然に死にたい」方もいらっしゃるはずです。

 間違っても「自動車を暴走させて大勢を殺して自分も死にたい」「複数人を殺して死刑になりたい」なんて思ってはいないですよね。思っていたら考え直してください。

「交通事故に巻き込まれて死ぬだろう」「新型コロナウイルス感染症の肺炎で死ぬだろう」「収入がなくなって餓死するだろう」なんて悲観的にならなくてもよいのです。

 誰もが最も望ましい死に方は「痛みを感じず、安らかに」だと思います。

 死を最も恐ろしいものにしているのは「死んだらどうなるか」がいっさいわからないからです。

 天国や地獄は本当にあるのか。いっさいがなくなる「無」へ帰るのか。これが誰にもわからない。臨死体験をした人は、三途の川を見たとか天国の門を見たとか語っていますが、実際に死んだわけではないので、信用するに足る情報とは思えません。

「死ぬとどうなるか」がわからなくても、死ぬ過程はいくらでも選べます。

「どんな死に方をしたいのか」を決めておけば「死ぬ」こと自体は怖くなくなります。

 たとえば剣術家として死にたいのであれば、決闘で死ぬかもしれませんし、好々爺になって死ぬかもしれません。佐々木小次郎氏と宮本武蔵氏のように。

 ですので皆様も、この機会に考えてみてください。

 自分は「どんな死に方をしたいのか」を。

 その理想的な死に方が実現するためには、どうするべきなのか。


 理想的ではない死に方、たとえば「新型コロナウイルス感染症の肺炎で死ぬ」を避ける方法はあるはずです。衛生に気をつけて、マスクを着用し、食べながら他人と話さず、よく手を洗い、うがいをする。

 先日東京や大阪などで抗体検査を行ないましたが、東京の抗体陽性は0.1パーセント、大阪は0.17パーセントという結果が出ました。

 諸外国と比べれば圧倒的に少ない比率です。

 これをもって「第二波、第三波ではもっと大きな被害が出る」という方もいらっしゃいます。私はそうとは思いません。

 東京の抗体陽性率が低いのは、日頃から衛生に気をつけているからです。諸外国の日頃の衛生環境と比べればとてもクリーン。だから第二波も第三波も、そんなに大きな被害は出ません。皆が今までどおり衛生に気を配っていれば、わざわざもらいに行かないかぎり安全です。

 日本人と外国人の衛生観念は根本から異なります。

 日本人が偉いのではなく、日本人はこれが当たり前だと思っているだけです。

 だから政府や都道府県知事が要請しただけで、自粛が行き届きます。

 諸外国では政府が罰則をもって規制しないかぎり自分勝手に動き回るのです。しかもあいさつで握手やハグやキスのある文化なので濃厚接触になりやすい。

 日本では距離をとって、言葉を発して、お辞儀をするだけです。濃厚接触しないのですね。

 なぜ日本だけ、握手やハグやキスであいさつしないのか。

 元々そういう文化がなかったためです。

 日本人で気をつけなければならないのは「大声であいさつする」ことでしょう。飛沫感染を避けられませんからね。販売業・接客業ではよく「大声であいさつ」します。そのため「夜の街関連」での集団感染が広がるのでしょう。またホストの方はシェアハウスのようにひとつの部屋を数人で借りて生活していますから密となり、なおさら広がりやすい。


 話がそれましたが、とにかく「どんな死に方をしたいのか」は必ず考えておいてください。

「文壇の重鎮となって、歴史に名を残して死にたい」でもかまいません。

 叶わないなんて今から決めつけなくてよいのです。

 その死に方が生涯の目標になりますからね。




どんな仕事をしたいのか

 本コラムをお読みの方は、本業でも副業でもよいので「小説を書いて生活したい」とお思いですよね。「社畜になって会社の言いなりになりたい」なんて方はまずいません。今社畜だから、一発逆転で「プロの小説家」を目指したいのならわかります。

「副業や趣味で小説を書きながら貿易の会社を経営したい」という夢があるかもしれませんね。

「どんな仕事をしたいのか」決めておけば、そうなるためになにが必要かが明確になります。

 理想の仕事にたどり着くためにはなにが足りないのか。

 それを知らずに夢想したところでいつまで経っても実現しません。

 だからまず「どんな仕事をしたいのか」決めてください。


 ここから先は「小説を書く仕事がしたい」と想定して書きます。

「プロの小説家」で生活していきたいのなら、今は「小説賞・新人賞」を獲らなければなりません。「プロ」の誰かが推薦してくれてデビューする、という道もなくはないのですが、これはほとんど運です。

 では「小説賞・新人賞」を獲るにはどうすればよいのでしょうか。

 大賞が獲れる作品を応募するしかありません。

 実に単純明快です。


 ですが、現実問題として「大賞が獲れる作品」はどう書けばよいのでしょうか。

 ひとつは今の流行りを徹底的に究めてしまう道があります。

「主人公最強」「ざまぁ」が流行りですから、それを徹底的に究めてしまえば、少なくとも応募した小説投稿サイトでは人気が出るはずです。

 しかし同じ思惑を持った書き手は多数います。これでは差別化が図れません。

 後はどれだけ文章力があるか、表現力があるか、構成力があるかの差だけです。

 これでは大賞を獲るのは難しいですよね。

 そこでもうひとつの道です。

 誰も書いていない、もしくはあまり書かれていない作品に特化してください。

 簡単にいえば流行りの逆を行くのです。

「主人公最弱」でもかまわない。「裏切られ」てもかまわない。

 流行りの逆を行くのは、とても簡単です。立場を入れ替えればよいのですから。

 それだけでなく、誰も思いつかないアイデアがあるのなら、それを徹底的に究めてしまいましょう。

 誰も思いつかないアイデアは明確な差別化要素となります。

 どんな選考さんも読んでいないような作品や展開があれば、それだけでかなり目立てるのです。


 私で言えば『孫子』などの兵法書に親しんでいるので、戦略戦術を駆使した小説を書けます。これは明確な差別化要素です。私自身、自作ゲームの差別化要素として戦略戦術を取り入れたいと思って学んできたので、この道を究めるべきでしょう。

 それが『秋暁の霧、地を治む』に代表される長編四部作の下敷きとなっています。

「異世界ファンタジー」ですが魔法は出てこない本作は、それだけでじゅうぶん差別化を図れるのです。

 異世界が必ず「剣と魔法のファンタジー」である必要はありません。

 私は「魔法」のない「異世界ファンタジー」として『秋暁の霧、地を治む』を構想しています。『孫子』に代表される兵法書の知識がなければ、どうしても魔法に頼りたくなるでしょう。だからこそ「魔法」のない「異世界ファンタジー」は私の作品を「特別」にしてくれます。


 皆様には明確な差別化要素を持っていただきたい。

 明確な差別化要素は「明確な武器」となるからです。

 流行りに乗るだけでは「盾を持って全身鎧を着ている」のと同じで、武器を持っていません。守りだけを固めて戦場に出て、拳で敵を殴り倒そうとするのが、流行りに乗る戦い方なのです。

 そうではなく、より効率的に敵を倒す、つまり選考さんの心を射抜く作品に仕上げるための「明確な武器」がある。だからこそ大賞を射止めるにふさわしい作品になります。


「明確な武器」は人によって異なります。

 恋愛の機微に長けている方もいれば、友情のたいせつさを信じ抜いている方もいるのです。

 もし恋愛の機微に長けているのなら「異世界ファンタジー」に高度な恋愛要素を組み込んでもよい。友情のたいせつさを信じ抜いているのなら「異世界ファンタジー」で恋愛よりも友情を取る作品を書いてもよいのです。

 あなたの人生設計として、どんな「武器」を持つべきなのか、アマチュアの今から考えてください。

「どんな死に方をしたいのか」で「文豪になって死にたい」のであれば、「プロの小説家になる」のが最低条件です。「プロの小説家になりたい」のであれば、「明確な武器」を手にしてください。

 私には戦略戦術という「明確な武器」があります。

 皆様はどんな作品を書く「プロの小説家」になりたいのでしょうか。

 それによって「手にするべき武器が明確に」なります。

 川原礫氏はネットゲームを「明確な武器」にして『アクセル・ワールド』『ソードアート・オンライン』を書きあげたのです。

「明確な武器」はあなたが親しんでいるものに潜んでいるかもしれません。川原礫氏のようにネットゲームに親しんでいるならそれを武器にしてもよいのです。

 私のように「将来を見越して意図的に明確な武器を手に入れる」方法もあります。

 方法はひとつとはかぎりません。しかし「明確な武器」のない作品が選考さんの目に留まるはずはないのです。

 極端な話「あなたか、その他大勢か」くらい極端で「明確な武器」を持ちましょう。

 それがあなたを「プロの小説家」へと導いてくれますよ。





最後に

 今回は「将来なにをしたいのか」について述べました。

「どんな死に方をしたいのか」から「どんな仕事をしたいのか」を導き出してください。

 もし「プロの小説家」になりたいのなら「小説賞・新人賞」を獲らなけれはなりません。

 そのためには他の作品と差別化するために「明確な武器」を持ちましょう。

「明確な武器」を持つ作品は強いのです。だって他の書き手は守りだけ固めて攻めてこないのですから。



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