1177.技術篇:嫌なことほど先にやる
できればやりたいないことってたくさんありますよね。
でもそれをやらなければ評価が下がる。だから仕方なしにやらざるをえないのです。
では、いつやるべきでしょうか。
これはあなたが大好きな食べ物をいつ食べるのかと同じ話だと思ってください。
嫌なことほど先にやる
誰にでも嫌なことはあります。
「地方視察のスケジュールと予算を決めなければならないんだよな」と考えていても、どうしても気が進まない。でも確実にやらなければ地方視察には行けません。
いつかはやらなければならないのなら、先に片づけてしまいましょう。
ストレスを最小限にする
嫌なことを先に片づけるとストレスを最小化できます。
もし後回しにしたら「あの仕事、やるのが嫌だな」と思い続けながら好きな仕事に取り組まなければなりません。
好きな仕事をしているのにストレスを感じ続けるのです。
それでじゅうぶんなパフォーマンスが発揮できるものでしょうか。
好きな仕事に全力をつぎ込むため、嫌いなことからこなしていくのです。
そうすればストレスなしの全力で好きな仕事に打ち込めます。
仕事ができる人は、例外なく「嫌なことを先に片づける」。
好きな仕事、得意な仕事に全力を投入するためには、ストレスのない状態がベストであると知っているからです。
世の中のあらゆるものが、好きなものと嫌いなものとに分けられます。
好きなものの中でも「より好きなもの」と「少し嫌いなもの」に分けられるのです。
それならこなす順番は「嫌いなもの」「少し嫌いなもの」「好きなもの」「より好きなもの」になります。
「より好きなもの」を全力で楽しみたいなら、ストレスをまったく感じない状態が望ましい。
たとえば「小説を書く」のが大好きなのであれば、一日の終わりに書けばよいのです。
逆に「小説を生業にしたいけど、今は実力がないから苦手だ」というのであれば、一日の始めに取り組みましょう。そしてある程度実力がついてきて「小説を書く」のが好きになれば、どんどん後ろに持っていけばよいのです。
小説を書く必然
「小説を書かなきゃ」と思っていながら、まったく書かずに寝てしまう方もいらっしゃるでしょう。それは「小説を書く必然」がないからです。
あなたの人生において「小説を書く」ことが必然になっていない。
「小説を生業にしなければ生きていけない」くらい切羽詰まれば、書かざるをえません。しかし単なる興味本位で「小説が書ければ」「いつか小説賞を獲って荒稼ぎだ」と思っているうちは、必然性がありませんから書けるはずもないのです。
「小説を書く必然」があれば、書かずにいられません。なければ書かずとも生活していけます。
障害を抱えている方は、肉体労働が難しいですから、当然「頭を使った仕事」を模索するしかないのです。だから「小説を書かなくちゃ」と思います。
ですがいざPCを前にすると、つい楽しみな『YouTube』『Twitter』『LINE』などに時間を費やしてしまい、「小説を書かない」のです。
「頭を使った仕事」をする必然がありながら、安楽なほうへと流されてしまう。これも人間の業の深さを表しています。
やらなければならないことなのに、やらない選択をしてしまう。
それは「やらなければならない」ことがストレスになっているからです。
「やらなければならない」ことは無理やりにでも好きにならなければなりません。
どんなに嫌でも、楽しんで取り組めるか。これはパズルに似ています。
パズルは目にした当初、とても嫌なものです。
「これ、解けるのかいな」とストレスを感じます。
しかしパズル愛好家は「これ、解けるんかいな」が楽しみになっているのです。
おそらく最初は皆様と同じでストレスを感じていたはず。
ですがパズル愛好家はそれが楽しみになっています。
この差はなにか。
ずばり「経験の差」です。
どんなパズルにも「解くコツ」が必ずあります。そのコツさえ見つかれば、難しいパズルもスイスイと解けるようになってくるのです。
今最も人気のあるパズル「数独」こと「ナンバープレイス」は、初級なら誰でも簡単に解けます。しかし上級になると初心者ではまず解けません。時間をかけてもわからないのです。
しかし「解くコツ」がわかってくると、上級問題もスラスラと解けてしまいます。
この「スラスラと解ける」状態になればストレスなんて感じません。むしろ「もっと難しい問題を持ってこい」とすら思います。
「やらなければならない必然」があるのに手をつけられない方。これは「解くコツ」がわかっていないのです。
そもそも小説にパズルのような「必勝法」は存在しません。
あなたが書いた物語が読み手に正しく伝わるかどうか。伝わって楽しんでもらえるかどうか。
それが小説の楽しみであり、小説を書くときに必要となる心構えでもあります。
小説の必勝法
先ほど「小説に必勝法はない」と書きました。
本当に「必勝法」はないのでしょうか。本当は「必勝法」があるのではないか。私が「小説賞・新人賞」へ応募して受賞するまで黙っていたいだけだろう。
そうお考えの方もいらっしゃいますよね。
書店には「小説賞の獲り方」なんて書籍が何冊か置いてあることでしょう。
もちろん私はそれらを読んでいます。読んだ結果「必勝法」はない、のです。
なぜ「必勝法はない」と断言できるのか。
そもそも「小説賞の獲り方」の書籍は、いったい何冊売れているのでしょうか。
紙の書籍として出版されているのであれば、最低でも百人には読まれていると思います。
「小説の必勝法」を最低でも百人が知っている。
その時点ですでに「必勝法」ではなくなっているのです。
だから「必勝法はない」と言っています。
それでも「勝ちやすい方法」「勝つ確率を高める方法」ならなくはありません。
「そんなものがあるなら早く教えろ」との声が聞こえてきそうです。
とてもシンプルな話。「逆張り」してください。
流行があれば、あえてそれに逆らうのです。
小説投稿サイトで開催されている「小説賞・新人賞」への応募作の大半が「剣と魔法のファンタジー」です。あえてそれに逆らいましょう。
「推理」であったり「日常」であったり「純文学」であったり。
たったこれだけでじゅうぶんに目立てます。
「小説賞・新人賞」では目立てなければそもそも評価されません。
そのため「タイトル」に凝る方が多い。ですがそもそも応募作が「剣と魔法のファンタジー」だらけなのではあなたの作品は目立てないのです。
ジャンルフリーな「小説賞・新人賞」であれば、断然別ジャンルで勝負したほうが目立てます。
だから「剣と魔法のファンタジー」にこだわらないのが「勝ちやすい方法」「勝つ確率を高める方法」なのです。
でも「剣と魔法のファンタジー」でないと多くの方に読まれない、と思いますよね。
では「正統派」の「剣と魔法のファンタジー」を書いてください。
現在「剣と魔法のファンタジー」ジャンルの作品は、「追放」もの「ざまぁ」もの「主人公最強」もの「スローライフ」ものあたりが流行っています。
「正統派」がほとんどランクインしていないのです。
であれば「逆張り」して「正統派」を書けばよい。
今「正統派」の「剣と魔法のファンタジー」を書いて流行りを超えるには、重厚なストーリー路線かコメディー路線かの二択です。
水野良氏『ロードス島戦記』のような重厚なストーリー路線か、神坂一氏『スレイヤーズ』のようなコメディー路線か。
なぜ今この二作の新刊が相次いで書籍化されたのでしょうか。
それは「正統派」の作品が「小説賞・新人賞」へ応募されていないからです。
応募されてこそいないが、需要は確実に存在する。だからこそ今『ロードス島戦記』『スレイヤーズ』に再び光が当たっているのです。
まとめると、「剣と魔法のファンタジー」ではないジャンルで勝負するか、「正統派」の「剣と魔法のファンタジー」で勝負するか。このふたつが「勝ちやすい方法」「勝つ確率を高める方法」なのです。
小説投稿サイトでいくら人気が出ようと、紙の書籍化されるのは需要のある作品だけ。「追放」「ざまぁ」「主人公最強」「スローライフ」などは小説投稿サイトで事足ります。なにもお金を払ってまで書籍を買う必要がないのです。
小説投稿サイトの流行りと、紙の書籍の需要とは必ずしも一致しません。
これだけ小説投稿サイトが乱立する時代に、小説投稿サイトでいくらでも読める作品は購入する価値もないのです。
あなたの狙いが「小説投稿サイトのトップランカーになる」であれば、流行りを押さえればよい。もし「紙の書籍化される小説賞・新人賞で大賞を獲る」であれば、小説投稿サイトの流行りではなく紙の書籍に求められているものを書くようにしてください。
肝心なのは、このふたつがイコールでないと知ることです。
最後に
今回は「嫌なことほど先にやる」について述べました。
好きなことを思う存分したいなら、嫌なことを先に済ませてしまいましょう。
ゲームが好きなら、先に宿題を片づけてしまえばいくらでもプレイできますよね。
小説を書くのに苦手意識がある方は、先に小説の勉強をしてください。それが終わってから宿題をしても存外なんとかなるはずです。もし本当に小説を書けないのであれば、朝起きてから登校直前、出社直前まで小説の勉強をしましょう。
スケジュールを立てるとき、苦手なものから順にこなすよう配慮してください。それだけで格段に効率がよくなりますよ。
「小説賞・新人賞」を獲りたいなら、小説投稿サイトで需要があるものではなく、紙の書籍で需要があるものにしてください。小説投稿サイトで読むのが好きな作品と、紙の書籍を買ってでも読みたい作品は根本から異なります。
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