1076.鍛錬篇:そして伝説へ
今回は「結末のその先」を決めておくことについてです。
あなたが「結末」を決めると連載小説が書けない方なら、「結末のその先」を決めましょう。
連載小説を歴史の一部にするのです。
そして伝説へ
ストーリーを考えるとき、「
「
だから、事前にきちんと「
しかしそれだけだと収まりが悪いときがあります。
「
そう考えてしまう書き手の方も多いのが実情です。
とくに小説投稿サイトでの連載は、いつまでも連載できるため「
ですが、本当に「
これは明らかに誤解です。
実際には「
なぜなら物語が帰結するところが明確なため、どんな展開をしても最終的には「
近しいところでは渡航氏『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』が挙げられます。この作品は主人公・比企谷八幡と、雪ノ下雪乃、由比ヶ浜結衣との三角関係で物語を進めてきたのです。物語の「
そう聞いても、やはり「
「
「
たとえば織田信長の話を創作で書くとき、「本能寺の変」で明智光秀に焼き殺されて「
しかしその先、つまり歴史の続きを決めておくのです。
主人公・織田信長が焼死したのち、明智光秀が天下を取りますがすぐに羽柴秀吉に誅殺されてしまいます。そして羽柴秀吉が豊臣秀吉と改名して天下を治めることになるのです。
これを小説で言うなら、織田信長はどのような死に方をしてもよいので、その後に「羽柴秀吉が天下を統一する」という歴史を確定させてしまいます。そうすることで、織田信長の退場の仕方にバリエーションが生まれるのです。
たとえば本能寺に火を放たれても人知れず生き延び、一僧侶となって余生を送ってもよい。千利休と名乗って豊臣秀吉と裏で結託してもよい。
どうですか。歴史の続きつまり「
「
マンガですが堀越耕平氏『僕のヒーローアカデミア』を例に挙げましょう。
この作品はヒーロー養成学校「雄英高校」が舞台です。高校のイベントごとにストーリーが展開されていきます。そしてもうじき主人公たちヒーロー科1年A組が進級するところまでやってきました。この一年間のイベントになにを起こすのかは、まったくの自由です。
ただしタイトルは『僕のヒーローアカデミア』ですから、「雄英高校」を卒業するのが物語の「
ただし「
少年少女が一人前のヒーローになるのか、全人類の「個性」が完全に消失するのか。少なくともどちらかの「
だから「雄英高校」卒業まではどんな展開をしてもかまいません。極端な話、主人公が途中で死んでもまったく問題なし。「
読み手としては、イベントごとに起こる出来事で主人公たちがどんな活躍を見せてくれるのか。それが読めれば嬉しいのです。
読み手を楽しませるために「
ですが「
先ほどの織田信長の物語でも「羽柴秀吉が天下を統一する」という「
第六天魔王として日本中に恐怖を撒き散らそうとする織田信長を、正義の使者・明智光秀が倒す。しかし織田信長の寵愛の厚かった羽柴秀吉が信長の仇を討って天下を統一する。そんな展開も「
だから伸び伸びと好きなように連載を続けられます。
どうですか。「
これならば自由に連載を続けても「エタる」心配はありません。
そろそろ評価もされなくなってきて終わり時だなと感じたら、適当な「
「
そもそも私にこの発想を抱かせたのは、田中芳樹氏『銀河英雄伝説』です。
『銀河英雄伝説』は元々『銀河のチェスゲーム』という小説の歴史の一部として創作されています。つまり「
おそらく田中芳樹氏は
それ以外は完全に自由です。どんな戦い方をしようと、どんな駆け引きがあろうと、書き手である田中芳樹氏の好きに書けます。
そして「
ですが、田中芳樹氏はサービス精神がありますから、「
私は当初「読者サービス」派でした。しかし「
本来なら「
小説に必要のないものを書く余地などありません。必要があるから書くのです。
もしかしたら『銀河英雄伝説』の終盤にかかった頃から、田中芳樹氏は「
だから「
「
「
心が動きませんか。
最後に
今回は「そして伝説へ」について述べました。
サブタイトルは『DRAGON QUEST III そして伝説へ…』と『銀河英雄伝説』のダブルミーニングです。
「
いくらでも伸び伸びと好きなように書けるのです。
「
ぜひ「
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