1075.鍛錬篇:どこででも書こう

 今回も場所を変えることについてです。

 いつでも場所を変えられるよう、執筆専用のノートPCを買いましょう。

 三万円台の安いものでかまいません。『一太郎』がインストールできさえすればよいのです。





どこででも書こう


 あなたが小説を書くとき、決まった場所にいませんか。

 デスクトップPCで執筆しているから自室を出られない、という方もいらっしゃるでしょう。

 もしノートPCをお使いなら、いつもの場所とは異なるところで執筆してみてください。

 いつもとは異なる文体で書けるものですよ。

 今なら最安のノートPCは三万円もあれば買える時代になりました。

 Microsoft社『Word』が使えればよいので、プリインストールモデルを買えば追加料金なしでどこでも執筆できる環境が手に入ります。

 できればJUST SYSTEM社『一太郎』がインストールできるものを選びましょう。『Word』がプリインストールされていれば『一太郎』の特別優待版が買えるので、その点でもオススメできます。




スマートフォンで書かないほうがよい

 自分はスマートフォンを持っているから、スマートフォンに入力すればよいでしょう。

 そうお思いの方もいらっしゃるはずです。

 しかしそのお考えは甘いかもしれません。

 スマートフォンは画面が小さいため、意識も小さくなりがちです。

 縮こまった文章からは、ダイナミックな小説がなかなか書けない。

「それなら画面の広い『iPhone 11 Pro Max』や『Galaxy Note 10+』に買い換えれば問題ないのでは」とお思いかもしれませんね。

 それもやめたほうがよい。理由は以下に述べます。


 デスクトップPCで二十インチ以上のモニタに入力するとしても、今度は画面が大きすぎて「なかなか画面が文字で埋もれない」と感じてしまいます。

 ちょうどよいのが三万円程度の『Word』プリインストールモデルのWindowsパソコンです。

 実はこの画面サイズが重要で、紙の原稿用紙にかぎりなく近い。

 もし『一太郎』をお使いなら、原稿用紙テンプレートを用いてほぼ紙の原稿用紙と同じ感覚で執筆できます。

 また『一太郎』なら縦横の文字数指定ができますので、小説投稿サイトで開催されている「小説賞・新人賞」の募集要項である「○万字以上」というのが把握しやすいのです。

 紙の雑誌の「小説賞・新人賞」の場合は、一ページで「縦何文字」×「何行」と指定してあっても、一文字の狂いもなく、禁則処理も完璧に行なわれた完成原稿を印刷して送付できます。『Word』では禁則処理が日本語に最適化されておらず、自動カーニングで文字間隔を自動的に詰め、句読点などを一行に無理やり押し込んでいるのです。だから募集要項に沿った紙の原稿にはならないのです。しかも文字間隔が詰まっている行があるため、見た目も悪い。

 ですので、もし本格的に小説を書いてプロデビューを目指したいのなら、『一太郎』を購入してください。ノートPCの性能も『一太郎』が動く最低スペックでかまいません。

 また『一太郎』なら最強の日本語入力ツール『ATOK』も同時に入手できるのです。漢字の綴り間違いをほとんど起こさない。とても頼れるツールです。

 プロの書き手になりたいのであれば『一太郎』とノートPCは最強のツールとなりえます。

 スマートフォンもアプリで自動カーニングされてしまうので、あまりオススメできないのです。

 スマートフォンの画面がどんなに広かろうと、文字数の制限を確実に把握できなければ、募集要項から外れた原稿を送って選考すらされずに落伍すること必至。運よくプロになれたとしても、スマートフォンで執筆すると限界を感じやすいのです。画面が小さいため、以前どのように書いたかを素早くチェックできません。

 以前の展開をすべて憶えられる方もいらっしゃるでしょう。しかし、それだけの能力があるのなら執筆へすべて振り分けたほうがよりよい小説が書けるはずです。

 またパソコンのキーボードで入力するほうが手早く行なえるため、プロになりたければ早めにパソコンのキーボードに慣れておきましょう。

 そのためにも、三万円代のノートPCと一万円前後で購入できる『一太郎』を揃えるようにしてください。

 あと必要なのは「モノクロレーザープリンタ」だけです。インクジェットプリンタのほうが一般的に安価ですが、水に濡れただけで文字がにじんでしまうため、紙にトナーを直接焼きつける「レーザープリンタ」のほうが、将来的にはよい選択になります。




さっそく場所を変えよう

 実はスマートフォンやデスクトップPCで小説を執筆していた方がノートPCで執筆するようになると、それだけで感覚は変わります。

 ですが、その変化にもすぐに慣れてくるでしょう。

 そうなってきたら、場所を変えましょう。まずは家の中でうろうろしてください。

 自室、リビング、台所、食卓、お風呂場、トイレ、寝室、書斎、土蔵など。とにかく場所を変えながら書くのです。それだけでまた新しい感覚を覚えます。

 家の中をあらかた探索し終えたら、屋外へ出ましょう。最初はベランダや庭などでかまいません。そこから図書館であったりカフェテリアであったりファミリーレストランであったりファストフード店であったり。一時間くらい粘れる場所で執筆してみてください。

 周囲に知らない人がいるというだけで、気持ちが変わってきます。しかもこれらの場所は毎日違う人がいますので、いつ行っても新しい感覚を味わえるはずです。


 小説はできるだけ新鮮な感覚をもって書きましょう。

 マンネリ化した場所で書くと、文章もマンネリ化してきます。それで読み手を感動させられるのであれば、すでにプロの実力があるのです。しかしほとんどの方はプロほどの実力はありません。であれば、まずマンネリを打破しましょう。そして新鮮な感覚をもって執筆するのです。

 だからこそ、いつでもどこでも書ける「ノートPC」は最強の執筆ツールとなりえます。誤字脱字をチェックしたいなら、『一太郎』は最強の執筆・推敲ソフトです。『一太郎』の誤字脱字チェックはかなり細かいところまで見てくれるので、あなたが見落としていた部分も指摘してくれます。

 場所は新鮮なほうがよく、執筆は使い慣れたものがよい。

「ノートPC」&『一太郎』の組み合わせに逸早く慣れてください。

 慣れてしまえば、大学の論文も会社の報告書も迅速に執筆できるようになります。余った時間で小説を書くことだってできるのです。

 ノートPCさえあれば、いつでもどこでも「執筆」環境になります。

 文字のカーニングさえ気にしなければ、iPadにキーボードを接続してもかまいません。『Pages』アプリには気づきにくいところに「縦書き機能」が付いていますので、それを使えば、iPadでも縦書きで快適に執筆できます。ただし推敲機能は付いていませんので、その点で劣ってしまいます。





最後に

 今回は「どこででも書こう」について述べました。

 ノートPCを持っていない方は、ノートPCを手に入れて執筆専用にしてください。

 マシンパワーも必要ありませんので、三万円台の安いノートPCでもじゅうぶんです。

 それに『一太郎』をインストールし、モノクロレーザープリンタのドライバをセットアップすれば、最強の執筆マシンと化します。

 執筆専用ノートPCを外へ持ち出して、新鮮な気持ちで執筆しましょう。

 きっと、今まで書けなかったものが書けるはずですよ。



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