1045.対決篇:差別思想が見え隠れ

 今回は村上春樹氏の「差別意識」についてです。

 村上春樹氏はひじょうに「差別意識」の高い作家です。

 とくに障害者を小馬鹿にしています。とても許せません。





差別思想が見え隠れ


 村上春樹氏の作品には、障害者や被差別者がよく登場します。

 しかも話にニュアンスを与える程度の用い方です。

 今回も要所でちくま文庫・ナカムラクニオ氏『村上春樹にならう「おいしい文章」のための47のルール』を引いていきます。タイトルが長いので『47のルール』と呼びます。




変なしゃべり方をする

『47のルール』では「例えば、『海辺のカフカ』に登場するナカタさん。猫と会話できる六十代の男性ですが、子どもの頃に、疎開先である事件に遭遇して以来、読み書きの能力を失っています。今は知的障害者として、都の補助金を受けて、中野区野方に暮らしています。/ そして、「ナカタは〜であります」「ナカタは〜なのです」と特徴的な話し方をします。」とあります。

 まず命名法ですが、「ナカノ区ノカタ」に住んでいるから「ナカタ」です。ひねりもなにもない。そのままです。

 それだけならまだしも、ナカタ氏を「読み書きの能力を失っています。今は知的障害者として、都の補助金を受けて、」とまで書いています。それで「ナカタは〜であります」「ナカタは〜なのです」と特徴的な話し方をするとしているのです。

 これは明確な知的障害者への「差別」です。

 知的障害者であれば「読み書きの能力がない」「都の補助金を受けて暮らしている」「特徴的な話し方をする」ものだというのが、村上春樹氏の思想だといえます。


「『1Q84』に登場する十七歳の美少女の深田絵里子、通称「ふかえり」も話し方が少し変でした。」とあります。この名前は通称から深田恭子氏がベースで、そこにアイドルユニット・SPEEDの今井絵理子氏が入っているようです。通称だけを見れば深津絵里氏も入っていますね。またしても「無断借用」です。

 そんな「ふかえり」は「小説『空気さなぎ』の作者として登場しますが、文字や文章の読み書きが困難なディスレクシアであるため、長い物語をまるごと暗記してしまう特殊な能力も持っています。そして、「〜やるといい」「〜すればいい」などというぶっきらぼうな話し方をしています。」とあります。

 ディクレクシア(学習障害の一種)である必然性と、そのために長い物語をまるごと暗記する特殊能力、そしてぶっきらぼうな話し方。これは明らかに「差別」です。


 そもそも小説で、障害者をこんなにも多用している書き手は村上春樹氏くらいでしょう。

 これが「障害者の地位の確立」や「待遇の向上」に意識が向いているのならとても立派な書き手だと言えます。しかし村上春樹氏は笑い者・困り物として扱っているのです。これが自称「高尚な」文学小説で今最も影響力のある書き手のすることでしょうか。

 社会に障害者への差別意識を植え付けているだけではないですか。

 こんな村上春樹氏の執筆姿勢は非難に値します。

 もし他の文学小説の書き手が、そんな村上春樹氏のような人物を小説で書いたとしたら、村上春樹氏は心広く許してくれますか。障害者を飯のタネにしている小説家だと喧伝されて、それでも得意満面でいられるのでしょうか。

 こんな差別思想まみれの書き手が、ノーベル文学賞に値するとはとても思えません。

 マスコミはなぜこんな問題児(というほど若くはありませんが)がノーベル文学賞を獲れる思っているのか。不思議でなりません。




口調を使い分ける

『47のルール』では「物語において、「口調」は外見だけでは表現しきれないキャラクター作りに欠かせない重要な要素です。視覚的な情報がない文学では、どのキャラクターの言葉か区別するためにも口調を細かく使い分けているのです。」とあります。

 この主張は支持します。

 会話文が出てくるたびに「と誠治は言った。」と書かなくても、読み手が「この口調は誠治特有のものだから、この会話文は誠治が言ったに違いない」と思ってくれるようにするのです。


 では、具体的にどんな口調ならキャラクターを区別できるのでしょうか。

 1)方言を使って出身地をさりげなく示す口調

  「〜ずら」「〜だべ」「〜だわ」「〜でごわす」「〜じゃけ」のような語尾です。

 2)語尾だけが少し変化する口調

  「〜ですわ」「〜のじゃ」「〜なのね」「〜なり」「〜ござる」「〜ざます」のような語尾です。

 3)軽い調子の語尾や、大量のカタカナ言葉に加え、あえて「ら抜き言葉」「さ入れ言葉」「い抜き言葉」を使い、砕けた若者感を表現する。

  「〜だぜ」「〜だね」「〜じゃん」などの語尾です。


『47のルール』では、「「人気作品のキャラクター(特にサブキャラクター)には、存在を際立たせるために「口癖」が必要なのです。」とあります。

 例示されているものを見ても、確かに『サザエさん』のタラちゃんは「〜ですぅ」が口癖、『ドラえもん』のスネ夫のママは「〜ザマス」といかにも成金な若奥様口調、『元祖天才バカボン』のバカボンのパパは「それでいいのだ!」と場の混乱を収拾、『機動戦士ガンダム』のシャア・アズナブルは「〜なのだよ」と斜め上からの発言が特徴。

 では、ここで挙げた四人をひとつの作品に集めて物語を進めたらどうなるのでしょうか。

 かえってわかりにくくなります。クセの強い四人の会話が並ぶだけで、多くの方は場がしっちゃかめっちゃかしているように受け取ります。

 普通に話しているキャラクターが多いからこそ、クセのある話し方をするキャラクターが際立つのです。


 そんなことがわかっているはずの村上春樹氏が、口グセで「障害者」を表現しようとするなんて、阿呆の所業としか思えません。

 差別と区別は異なります。村上春樹氏の作品は間違いなく「差別」です。

 差別と偏見と嘲りに満ちた村上文学は読むに値しない。

 だから私は村上春樹氏の作品が嫌いなのかもしれません。


 上に挙げた口調の三つにも、多分に「差別」意識が見て取れます。

 1)方言を使う者への「差別」

 2)きどった女性や粗野な男性、殿様のような話し方をする者への「差別」

 3)若者への「差別」

 これが「差別」でなくてなんなのか。

 村上春樹氏は京都府京都市伏見区生まれで、兵庫県西宮市・芦屋市に育ったと『Wikipedia』に書かれています。

 つまり「僕はよいところのお坊ちゃまだから、方言丸出しの人は大嫌い。気どった女性や粗野な男性・殿様のようなクセのある話し方をする人も大嫌い。僕の知っている日本語を濫用する若者が大嫌い」なのです。

 それが登場人物の口調として表れ、「差別」しています。

 おそらく村上春樹氏に自覚はないでしょう。それだけ根が深い問題なのです。

 この口調による「差別」は、外国語に翻訳する際省かれます。登場人物は普通に話しているわけです。

 まるで「僕は差別なんてしていないよ。皆にわかりやすいように書いているだけさ」とでも答えているように映ります。

 弱者を揶揄やゆするのが、村上春樹氏という男の正体なのです。

 私はこの点に思い至り、村上春樹氏をまったく支持できなくなりました。

 文章が拙すぎて元から支持していませんでしたが、「弱者を揶揄する」姿勢は社会的な非難に値します。

 ただし、本コラムをお読みの方で村上春樹氏を尊敬している方もおられるでしょう。

 その方の信奉まで拘束するつもりはありません。ご自身の判断で支持を続けてもよいと思います。日本ではなにを信じてもかまわない「信教の自由」があるのですから。





最後に

 今回は「差別思想が見え隠れ」について述べました。

 村上春樹氏について『47のルール』は絶賛する姿勢です。

 しかし、その中でとても看過できない問題が見つかりました。

 彼は「差別」思想が強い書き手なのです。

 とくに知的障害者や精神障害者などをひどく揶揄しています。

 こんな思想が彼の熱狂的ファンである「ハルキスト」に広まったとしたら。空恐ろしくなりました。

 創作であっても「差別」を書いて揶揄してはなりません。障害者が前を向いて頑張っていけるような小説を書くべきです。村上春樹氏は健常者のウケを狙って障害者を「差別」しています。

 それでもまだ村上春樹氏を支持できますか。



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