1000.筆洗篇:絶対にあきらめない
おかげさまをもちまして連載1,000回目を迎えました。
今回は「絶対にあきらめない」ことについてです。
正しい努力は必ず報われます。
もし遠回りをするのであれば、結果的にそれが最短距離になるよう立ち回るべきです。
絶対にあきらめない
皆様のおかげをもちまして、今回で本コラムも1,000本目となりました。
今回は「あきらめない」ことについてです。
1,000本の節目として、これだけは伝えたい。
書き手にまわったら「絶対にあきらめない」でください。
ランキングに載り続けるのがゴールではない
小説投稿サイトに作品を掲載するようになると、必ず気になるのが「ランキング」です。
トップページの半分以上が「ランキング」の情報で占められているので、意識するなと言うほうがどだい無理な話だと思います。
それでもランキングは気にしないでください。
あなたが書きたい物語を書いて、それを読み手が楽しんでくれる。それが一番ではないでしょうか。
もちろん、それで人気が出てランキングに載るのであれば、望んでいた結果だと言えます。ですが、世の中そんなにうまくはいきません。
作りたいように作って、それが大ヒットする。よほどの職人でなければ不可能です。
実用最優先のプロダクト商品が大ヒットすることはまずありません。
人気を得るのは、たいていがブランド商品です。
「ブランド力」を持っているかどうかで、大ヒットするかどうかが決まります。
「ブランド力」とは、
実績の積み重ねが大きくプラスになっていれば、消費者は品質を期待して繰り返し商品を利用してくれるのです。
これは服飾品、腕時計、バッグ、革靴などのブランドでも明確に現れます。
たとえばエルメスのバッグを気に入った方は、次もエルメスの製品を買おうとするのです。よほどの金持ちであれば、エルメスでもシャネルでもグッチでも買い集めるでしょう。しかし価格的に冒険して購入するような消費者は、ひとつのブランドで統一しようとします。前回購入した製品に満足して、次も安心して買えるからです。
そしてブランド企業は、毎年新作を発表しています。
ひとつの製品を何年も売り続けません。
流行が毎年変わるためでもありますが、大きく利益を稼げるからです。
小説投稿サイトで言えば、ひとつの作品だけ連載していても、いずれ消費期限を過ぎて飽きられるのです。飽きられてからテコ入れを考えても「時既に遅し」。
人気があるうちにスパッと連載を終了したほうが、余韻が漂って味わい深い物語になるものです。
そして次の連載を始めましょう。ブランド企業が毎年新作を発表するようにです。
あなたの作品がランキングに載ったとします。
ランキングに載った要因は、作品が面白かったからでしょうか。書き手であるあなたが書いたからでしょうか。
この差がそのまま「ブランド力」になります。
一作の大ヒットを連載し続けてランキングに残るのは、その作品にだけ依存しているのです。
もし「あなたが書いた作品であれば新作もぜひ読んでみたい」という読み手が一定以上いたら。それはあなた自身に「ブランド力」があるのです。
作品に「ブランド力」がある場合、その連載を終わらせられません。終わらせたら読み手が離れていってしまうからです。
書き手に「ブランド力」がある場合、いつでも連載を終えて、新しい連載を投入できます。「今作は面白かった。同じ書き手の新作も読みたい」と思ってくれる読み手が多ければ、ランキングに拘泥することなく連載を続けられるのです。そうなれば、名作と呼ばれる作品を多数輩出する「名筆家」として「ブランド力」がますます高まります。
作品に「ブランド力」があるのか。書き手であるあなたに「ブランド力」があるのか。
どちらが有利かは言わずもがなです。
どれだけの作品数がランキングに載ったか
書き手の
エルメスもシャネルもグッチも。毎年新作を出しても確実に売れるから
そして手っ取り早く多くの作品をランクインさせるには、一回の投稿で完結する短編小説を数多く書くべきです。
各小説投稿サイトのランキングを見ればわかります。一話完結の短編小説がいくつかランクインしているのです。
連載小説は一度読み手を確保すれば長期間にわたってランクインし続けられます。しかし、その読み手をつかまえるのがひじょうに難しい。なにしろ「第一話から面白い」連載小説を書くのは至難の業だからです。
しかし一話完結の短編小説は、その一話だけで人気を集めればよい。読み手もとても簡単に評価を入れられます。
だからこそ、
最初から長編小説・連載小説一本に絞って頑張り続けたい方もいらっしゃるでしょうが、「労多くして功少なし」だと思います。
「人気なんて連載を続けていればいつか必ずついてくる」と言い切れる書き手はまずいません。
チャンスは「第一話」の一度きりです。二度と巡ってきません。
正しい方法で絶対にあきらめなければ道は開ける
小説投稿サイトを利用するなら、絶対にあきらめないことです。
ただし「正しい方法」でなければ意味がありません。
小説投稿サイトを「正しい方法」で利用するには、上述したとおり連載小説にこだわらないことです。
「自分は短編小説が苦手で、どう書いても面白くならない。だから長編小説や連載小説を書いて認められたいんだ」と思うのであれば、茨の道ですが連載で挑戦してください。
しかし「第一話」で読み手をつかめなければ、いくら連載を続けても挽回できないのです。しかもその小説投稿サイトでは駆け出しの書き手が、いきなり連載を始めても注目を集められません。どうしたって「第一話」の閲覧数(PV)は低くなりがちなのです。
だから連載一本で成り上がりたいのなら、とにかく「第一話」で閲覧数(PV)を獲得する以外にありません。
もし「第一話」の閲覧数(PV)が低いようなら、その連載は十話程度で締めたほうがよいのです。
連載小説で最も読まれる一投稿の分量は千五百〜二千字程度だと見込まれます。
現在ランキング上位の作品の一話あたり文字数はおおよそ二千字前後です。このくらい短いほうがいつでも気楽に読み始められ、サクサク読み進められます。
だからもし十話で連載を終えると一万五千〜二万字程度の短編小説になるのです。
せっかく二百話以上連載するべく緻密で膨大な設定を用意したとしても、「第一話」でスタートダッシュに失敗したら短編小説となります。
設定があまりにももったいないですよね。
そこで、まったく同じ世界観を利用した作品を投稿しましょう。
そうすれば、新連載のたびに新しい世界観を作る煩わしさから解消されます。また短編連作の形になりますので、将来的に同じ世界観で大ヒット作が生まれれば、それらの短編連作が「外伝」として扱えるのです。
これなら、過去の「失敗作」もムダになりませんよね。
あきらめずに「第一話」を投稿し続ければ、いつか道が開かれるときもやってきます。そのとき財産となるのが過去の「失敗作」たちです。
だからこそ「絶対にあきらめない」でください。
あきらめなければ、いつか逆転満塁ホームランを放てるかもしれません。
最後に
今回は「絶対にあきらめない」ことについて述べました。
連載1,000回記念で、これまでの集大成として書きました。
これまで「鳴かず飛ばず」だった書き手も、工夫次第で逆転できるのです。
一回完結の短編小説を書きまくりましょう。
連載小説一本で勝負するとき「第一話」に失敗したら十回程度、一万五千〜二万字程度の短編小説にしてください。
せっかく作った世界観がもったいなければ、同じ世界観で別の物語を書けばよいのです。
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