999.筆洗篇:活動する小説投稿サイトを柔軟に変えていく
いよいよ連載三桁の最後となります。
「一度決めた小説投稿サイトでしか活動しない」とは思わないでください。
目的によって柔軟に使い分けましょう。
活動する小説投稿サイトを柔軟に変えていく
いくら自信作が書けても、小説投稿サイトで高く評価されるとは限りません。
読み手の方に見つからず埋もれていく作品がほとんどです。
そのために「タイトル」や「キーワード」「タグ」で検索に引っかかりやすいようにし、「あらすじ」「キャプション」を更新して検索結果の画面から読んでもらいやすいように取り計らうのです。
ウケない設定ではないか
あなたが執筆の四段階「企画書」「あらすじ」「箱書き」「プロット」をきちんと作り上げて書いた作品が「鳴かず飛ばず」ということはよくあります。
実態は「あらすじ」「キャプション」の惹きが弱いためかもしれません。それだけでなく、努力が正当に評価される小説投稿サイトであるかどうかも結果を左右するのです。
たとえば『小説家になろう』様で人気のある「ハイファンタジー」ジャンルを書いて投稿したけど誰にも読まれない。「あらすじ」「キャプション」は次話を投稿するたびに更新し続けた。にもかかわらず誰も読んでくれない。
なぜでしょうか。
ひとつは「主要な読み手層にはウケない設定」なのかもしれません。『小説家になろう』様なら「ハイファンタジー」が一番人気であることは間違いない。中でも「主人公最強」が今最も強い設定です。
それに対してもし「主人公最弱」設定の小説を投稿したらどうでしょうか。目新しさを出せて読み手の気にかかるかもしれません。しかし主要層が読みたいのは「主人公最強」の物語です。であれば「主人公最弱」設定だと、目立ちはしますが誰にも読まれません。とくに「主人公最強」キーワードを検索する中高生にはまったく発見されないのです。
またたとえ「主人公最強」キーワードを付けても、「女主人公」キーワードが付くとそれだけで読まれづらくなります。「ハイファンタジー」ジャンルの主要な読み手は男子中高生です。「女主人公」だとそれだけでウケが悪くなります。
基本的に読み手が男性だと「男主人公」キーワードの作品が読まれ、読み手が女性だと「女主人公」キーワードの作品が読まれるのです。
しかし「ハイファンタジー」好きな女性が少ないので、「女主人公」の「ハイファンタジー」はあまり読まれません。ここでもミスマッチが起こっているのです。
もし「異世界ファンタジー」ジャンルで「女主人公」ものを読ませたいのなら、女性の読み手が多い『エブリスタ』様や『魔法のiらんど』様に投稿すれば、『小説家になろう』様よりも反響は大きくなるでしょう。ただし双方とも「恋愛小説」が強い小説投稿サイトなので、「異世界ファンタジー」でも「バトルもの」ではなく「恋愛もの」にしてください。「バトルもの」にするとウケが悪く、『小説家になろう』様よりも苦戦することもありえます。
そもそも「女主人公」の「バトルもの」を読みたい方は少ないのです。男性の読み手では感情移入しにくい。かといって女性の読み手はわざわざ「バトルもの」を読もうとしません。最近はマンガの尾田栄一郎氏『ONE PIECE』の影響で、ある程度「バトル要素」があっても普通に読んでくれる女性も増えました。そうであってもメインはあくまでも「恋愛要素」です。『小説家になろう』様でいう「異世界恋愛」ジャンルなら、どの小説投稿サイトであっても需要はあります。
男性の読み手が「女主人公」の「異世界ファンタジー」を読もうとするのは、神坂一氏『スレイヤーズ』のように大半が「ギャグもの」です。
現代の日常ものですが、女性しか登場しないマンガのかきふらい氏『けいおん!』のアニメが男性にウケたのも「ギャグもの」だったからでしょう。
もし「女主人公」の「恋愛もの」だったら、おそらくほとんどの男性は興味を惹かれないと思います。
バンダイナムコゲームス『THE IDOL M@STER』シリーズやサンライズ『ラブライブ!』のように、ほとんどの登場人物が女性であっても、恋愛関係がなければ男性のプレイヤーや視聴者は必ずいるのです。実際両シリーズともCDを買っているのはほとんどが男性です。とくに「P」「ラブライバー」と呼ばれる特殊な集団がいるように、恋愛関係がないことでファンがつきやすくなる効果があります。
ですので、男性の書き手が「女主人公」ものを書くのであれば、恋愛要素は排除してください。たとえ「ハイファンタジー」「異世界ファンタジー」であっても、恋愛要素は刺身のツマにするのです。メインはあくまでも「バトル」に置くのが男性の読み手をつかまえる秘訣です。
努力が正当に評価されているか
誰にも読まれない理由のもうひとつは、あなたの努力が正当に評価されない小説投稿サイトだからです。
男性の読み手が多いことでは共通している『小説家になろう』様と『カクヨム』様があります。しかし『小説家になろう』様では人気が出なくても、『カクヨム』様に投稿したら人気沸騰というような事例は多々見受けられるのです。
本コラムも当初は『ピクシブ文芸』様で連載を開始しましたが、新規立ち上げサイトでもあり、閲覧数もブックマーク数も
あなたの努力が正当に評価される小説投稿サイトを選びましょう。
こちらで駄目でもあちらなら評価される。インターネットの小説界隈では当たり前に起こります。
小説投稿サイトはどこを選んでもすべて同じではなく、各サイトによって個性があり、求められる作品も異なるのです。それを理解していれば、ひとつの小説投稿サイトにこだわる必要なんてないことに気づけます。
本コラムもメイン活動のフィールドを移しただけで結果を残せました。(『カクヨム』様に過去ぶんを連続投稿する際に推敲を行なっておりますが、それを反映しているのは『小説家になろう』様だけで、『ピクシブ文芸』様は過去の文章のままにしてあります)。
本コラムをお読みの皆様も、努力して書いた作品が正当に評価されていないと感じたら、異なる小説投稿サイトへ投稿してみてください。
たったそれだけで、今まで伸び悩んでいたのがウソのように大ブレイクするかもしれませんよ。
才能の問題だけではありません。どこに投稿しても頑張れば必ず報われるなんていうのはただの幻想にすぎないのです。
評価されたいと頑張り続けているのに評価されない現在なら、おそらくそこでずっと頑張ってもまったく評価されません。とどまり続けていること自体が移籍するよりもリスクが高いのです。
きちんと執筆活動できたかどうかは、やり甲斐ではなく成果を出しているかどうか。成果が出せていなければ、その執筆活動はいくら努力しても評価されないのです。反対に成果が出せていれば、その努力は必ず報われます。だから心置きなく努力できるし、好評のうちに完結できるのです。
最後に
今回は「活動する小説投稿サイトを柔軟に変えていく」ことについて述べました。
つい面倒くさくてひとつの小説投稿サイトのアカウントしか持っていない書き手の方は意外と多い。
しかしその横着が、自らの可能性を潰しています。
別の小説投稿サイトへ掲載したら、今よりも爆発的に人気が出ることさえあるのです。
その作品は、今の小説投稿サイトで人気が出るものでしょうか。
それを考慮に入れたうえで、投稿するようにしてください。連載中であっても、「思ったより伸びてこないな」と感じたら、別の小説投稿サイトで探りを入れてみましょう。
あなたはすでにじゅうぶんな評価を受けていると思っていても、別の小説投稿サイトではさらに評価される可能性もあります。
あなたにとってふさわしい場所で、ふさわしい努力をするから報われるのです。
いよいよ連載三桁カンストに到達致しました。
とりあえず毎日連載1,000日を目指しておきますが、ネタが尽きてきているので、途中で挫折するかもしれません。
それが過ぎたら、連載小説の活動を主とし、本コラムはご質問があったらその回答を載せる形にしたいですね。
今しばらくお付き合いいただければと存じます。
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