949.敬語篇:よく使う敬語
今回は「よく使う敬語」についてです。
改まり語として置き換える単語がいくつかあります。
会話を中心にまとめましたので、それを見ていきましょう。
よく使う敬語
改まり語
敬語を用いる際、普段の言葉を改まり語に変えたほうがよい場合が多くあります。
丁寧語・美化語、尊敬語、謙譲語を使うときには、改まり語を用いるようにしてください。
謙譲語の自分
「わたし」⇒「わたくし」「小生」「拙者」
「我が息子」⇒「愚息」
「我が弟」⇒「愚弟」
「我が妹」⇒「愚妹」
「我が妻」⇒「愚妻」
「我が社」⇒「弊社」
「あの人」⇒「あの者」「
尊敬語の先方の敬称(ここでは会話文に限ります)
「あなた」⇒「○○様」「貴男」「貴女」「貴殿」「貴方」
「父」⇒「お父様」「お父上」「ご尊父様」
「母」⇒「お母様」「ご母堂(様)」
「両親」⇒「ご両親」「ご両親様」
「夫」⇒「ご主人」「ご主人様」
「妻」⇒「奥様」「ご令室」
「息子」⇒「ご子息」「ご子息様」「ご令息」
「娘」⇒「お嬢様」「ご令嬢」
「兄」⇒「お兄様」「兄上様」「ご令兄」
「姉」⇒「お姉様」「姉上様」「ご令姉」
「弟」⇒「ご令弟」
「妹」⇒「ご令妹」
「孫」⇒「ご令孫」
「親戚」⇒「ご親戚」「ご親族」
「お世話になった人」⇒「先生」
「皇族」⇒「陛下」「殿下」「妃殿下」など
「高僧」⇒「
「高位高官」⇒「閣下」
「あの人」⇒「あの方」
「官庁」⇒「貴庁」「貴省」
「会社」⇒「貴社」「御社」
「店」⇒「貴店」
「病院」⇒「貴院」
「学校」⇒「貴校」「貴学」
「銀行」⇒「貴行」
「家」⇒「貴家」「尊家」「貴宅」「貴邸」
「住所」⇒「貴地」「御地」
「名前」⇒「お名前」「ご芳名」
「会」⇒「貴会」
「本」⇒「ご高著」「貴著」
「手紙」⇒「お手紙」「貴簡」「ご芳書」「玉書」
「詩歌」⇒「玉詠」「玉吟」
時制
「さっき」⇒「先ほど」
「いま」⇒「ただいま」
「あとで」⇒「後ほど」
「前から」⇒「以前から」
「これから」⇒「今後」
「いくら」⇒「いかほど」
「少し」⇒「少々」
「もうじき」⇒「まもなく」
「すぐに⇒「ただいま」「至急」「早急に」
「この前」⇒「前回」
「この次」⇒「次回」
日付
「おととい」⇒「一昨日」
「きのう」⇒「昨日」
「きょう」⇒「本日」
「あした」⇒「明日」
「あさって」⇒「明後日」
「おととし」⇒「一昨年」
「去年」⇒「昨年」
「ゆうべ」⇒「昨夜」
「この間」⇒「先日」
こそあど
「こっち」⇒「こちら」
「そっち」⇒「そちら」
「あっち」⇒「あちら」
「どっち」⇒「どちら」
「そう」⇒「さよう」
「どう」⇒「いかが」
「どこ」⇒「どちら」
「どれ」⇒「どちら」
「どんな」⇒「どのような」
「どれくらい」⇒「いかばかり」
漢語に言い換える
「謝る」⇒「謝罪する」
「送る」⇒「送付する」
「書く」⇒「記入する」
「考え直す」⇒「再考する」
「配る」⇒「配布する」
「確かめる」⇒「確認する」
「頼む」⇒「依頼する」
「作る」⇒「作成する」
「忘れる」⇒「失念する」
丁寧語
「ある」⇒「あります」⇒「ございます」
「いい?」⇒「よろしいですか?」⇒「よろしゅうございますか?」
「そうだ」⇒「そうです」⇒「さようでございます」
尊敬語
「会った?」⇒「会いましたか?」⇒「お会いになりましたか?」
「行く?」⇒「行きますか?」⇒「いらっしゃいますか?」
「来る?」⇒「来ますか?」⇒「お越しになりますか?」
「くれ」⇒「欲しい」⇒「ください」「くださいま(すで)しょうか?」
「知っている?」⇒「知っていますか?」⇒「ご存じですか?」
「どうする?(相手)」⇒「どうしますか?」⇒「いかがなさいますか?」
「見た?」⇒「見ましたか?」⇒「ご覧になりましたか?」
謙譲語
「知らない」⇒「知りません」⇒「存じません」
「する」⇒「します」⇒「致します」
「頼む」⇒「頼みます」⇒「お願い致します」
「できない」⇒「できません」⇒「致しかねます」
「どうする?(自分)」⇒「どうしますか?」⇒「いかが致しましょうか?」
「待って」⇒「お待ちくださいませ」⇒「お待ちいただけますか?」
「もらう」⇒「いただく」⇒「賜る」
「わかった」⇒「わかりました」⇒「かしこまりました」「承知いたしました」
「わからない」⇒「わかりません」⇒「わかりかねます」
あいさつの敬語
あいさつに用いる一般的な敬語を抜き書きします。
「早いですね」⇒丁寧語「おはようございます」
「暑いですね」⇒丁寧語「お暑うございます」
「寒いですね」⇒丁寧語「お寒うございます」
「変わりなくてよかったです」⇒丁寧語「お変わりなく何よりでございます」
「すみません」⇒丁寧語「ごめんなさいませ」「申し訳ございません」
「初めて会います」⇒丁寧語「初めまして」
「ありがたい」⇒丁寧語「ありがとうございます」
「どうしまして」⇒丁寧語「どう致しまして」 ※致すを使いますが分類上は丁寧語
「めでたい」⇒丁寧語「おめでとうございます」
「そうなら」⇒丁寧語「さようなら」
「足元の悪い中を」⇒美化語「お足元の悪い中を」
「来ました」⇒尊敬語「いらっしゃいませ」
「来ていただいて」⇒尊敬語「お越しいただき」
「お世話様です」⇒尊敬語「お世話になっております」
「元気でしたか」⇒尊敬語「お元気でいらっしゃいましたか」
「その後どうですか」⇒尊敬語「その後いかがでいらっしゃいますか」
「すみません」⇒尊敬語「ごめんくださいませ」
「休みます」⇒尊敬語「お休みなさいませ」
「行ってきます」⇒謙譲語「行ってまいります」
「戻りました」⇒謙譲語「戻ってまいりました」
「帰ります」⇒謙譲語「お先に失礼致します」
「久しぶりです」⇒謙譲語「ご無沙汰しております」
「大事にしてください」⇒謙譲語「お大事になさってください」
「茶を持ってきます」⇒謙譲語「お茶をお持ち致します」
「すみませんが」⇒謙譲語「恐れ入りますが」
「忙しいと思いますが」⇒謙譲語「お忙しいとは存じますが」
「待たせてすみません」⇒謙譲語+丁寧語「お待たせして申し訳ございません」
「風邪を引かないように」⇒尊敬語「お風邪を召しませんように」
最後に
今回は「よく使う敬語」として主に「改まり語」を見ていきました。
次回から「尊敬語と謙譲語の取り違え」について述べていきます。
尊敬語と謙譲語はルールが単純ですが、混同しやすいのが特徴です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます