865.創作篇:『秋暁の霧、地を治む』過去タイムテーブル

 現在構想中の連載小説『秋暁の霧、地を治む』のタイム・テーブルについてです。

 本編開始前までのタイム・テーブルを作っておけば、読み手が無意識に過去の矛盾で引っかかることもなくなります。

 キャラ作成をしたときに、このタイム・テーブルの管理にいちばん時間がかかりました。





『秋暁の霧、地を治む』過去タイムテーブル


 キャラを作るときは、タイム・テーブルを作成しておくと矛盾がなくなります。

 それでも完全には防げないのですが、ないよりはあったほうが矛盾の数は確実に減らせるのです。

 なので皆様も小説をお書きになる際は、タイム・テーブルを作成しましょう。




【タイム・テーブル】


八十八年前 ムジャカ誕生

七十二年前 ランドル王子誕生、カートリンク誕生

六十六年前 タルカス誕生

六十五年前 アマム誕生

六十三年前 ヒューイット誕生

六十二年前 タクラム誕生、マシャード誕生

五十八年前 エビーナ誕生

五十五年前 アダマス誕生

五十二年前 タリエリ誕生

五十年前  バライカ誕生

四十九年前 シュラール誕生

四十八年前 ソフォス、トロミノ誕生

四十六年前 イングス誕生

三十八年前 ナラージャ誕生。ムジャカ王国宰相となる

三十五年前 クレイド誕生

三十二年前 カートリンクはランドル王子とともに北方の異民族や野獣の群れなどと戦い、その功が認められて将軍となる

二十八年前 ガリウス誕生

二十六年前 カートリンクが軍務長官となる

二十五年前 レブニス誕生、ユーレム誕生

二十四年前 ミゲル誕生、ラフェル誕生、レミア誕生

      カートリンク軍務長官が二年間帝国軍と戦わなかったため、急進派によって糾弾され軍務長官職を退き一将軍となる

二十二年前 ランドル国王に即位。前王より仕えているムジャカ宰相をそのまま起用

      ユリア王女と貴族の男性との間にソフィア姫誕生。城塞都市スレーニアに領主として赴任

二十一年前 ガリウスが七歳のとき北方国境の城塞都市スレーニアで異民族による攻撃を受ける。領主は妻のユリア王女とソフィア姫を王都へ伝令としてランドル王に救援を要請した。ただちにカートリンク将軍が差し向けられたものの、スレーニアでは大虐殺に発展し、一万五千余人の住人のうち生還したのは七人だけだった。そのひとりであるガリウスはカートリンクの扶養家族となる。カートリンクは前任の軍務長官が帝国軍に三年間敗れ続けたことと、「奇跡の七人」救出の功により軍務長官へと再度推戴される

      タリエリは三十一歳のときにカートリンク将軍の筆頭中隊長として城塞都市スレーニア奪還戦で大いに功績を上げ、当時史上最も若い将軍に任じられた

      タルカスは四十五歳で、タクラムは四十一歳で将軍になる

十九年前 ミゲルが五歳のとき両親が流行り病で死去し、王都のスラム街でスリをして生計を立てていた

十七年前 ミゲルが七歳でカートリンクの財布をスろうとして捕まり、扶養家族となる

     カートリンクはガリウスとミゲルの養育のため軍務長官職を辞す。後任にはタルカス将軍が充てられた。

     タルカスが三十八歳のアダマス小隊長の武勇を見出だし、中隊長へと昇格させる

十六年前 カートリンクとミゲルとソフィアとの日常によりガリウスは十二歳で声を取り戻す

     タルカス軍務長官が異民族との同盟を破り、野獣の群れにすら敗北を喫したことからランドル王は彼を更迭しようとするが「反カートリンクの象徴」であるため、多くの将軍が嘆願して軍務長官補佐への降格にとどめた。後任の軍務長官は一年ずつ交代する。十五年前から順にユージン、クチュー、フォーエン、バッカス、コルタナ、十年前のハバフの順である

十三年前 ガリウスが十五歳となり士官学校に入学。タリエリ将軍麾下の小隊副官

十二年前 タルカスによってアダマスが四十三歳で将軍に昇格

十年前 ガリウスが十八歳となりタリエリ将軍直属の中隊の小隊長に抜擢。ユーレムを小隊副官に任じる

    カートリンクが六十二歳で軍功を挙げて軍務長官に返り咲く。タルカス軍務長官補佐は将軍へと降格される

    カイが十五歳で士官学校に入学。小隊副官。

九年前 ミゲル、ラフェルが十五歳となり士官学校に入学。小隊副官

    ソフォス、トロミノが三十九歳で将軍に昇格

八年前 カートリンクが六十四歳のとき二年間の帝国軍との戦いで敗戦と戦闘回避を行なったため軍務長官職を解任され、後任にタルカス将軍が再任した。軍務長官補佐の座を失ったカートリンクを辺境警備の閑職へ追いやった

    カイが小隊長に昇格

七年前 ボッサム帝国で先帝フロウが身罷り孫のレブニスが十八歳で帝位に即く

    この年の戦争は王国軍がタルカス軍務長官を筆頭に大勝を挙げる

    レブニス帝はマシャード大将を随行させたが、さして戦果を得ることもなく大敗を喫してしまった

    カイが直属の中隊長から「独断専行」を問われて軍を追われる

六年前 タルカス軍務長官が帝国軍レブニス帝に大敗して軍務長官に復帰してからたった二年で戦死し(享年六十歳)、カートリンクが六十六歳で幾度目かの軍務長官職へ返り咲く

    タルカス軍務長官の兵を引き継ぐためにイングスが四十歳で将軍に昇格する

    この戦いでは帝国軍はレブニス帝をトップに据えたが、その命令は随行していたエビーナ大将が実行に移していた。

    この戦いで帝国軍のクレイド小隊長はアダマス将軍と互角の槍技を見せ、騎馬中隊長に昇格する

    ミゲルが十八歳で小隊長となる。副官に同期のラフェルを起用し、ナラージャが什長としてミゲル小隊に加入

    ガリウスが二十二歳となりタリエリ将軍直属中隊の中隊補佐に抜擢。ユーレムを筆頭小隊長へ。この頃からミゲルとガリウスは小隊規模での練兵を積極的に行なう

三年前 ミゲルがユレイカ中隊副官へ昇格。小隊副官のラフェルとナラージャを小隊長へ格上げ。ナラージャはミゲルの属するユレイカ中隊でも先鋒を務めた

二年前 ガリウスが二十六歳でタリエリ将軍直属中隊の筆頭中隊長に抜擢される。ユーレムを中隊副官に指名。ミゲルとガリウスは中隊規模での練兵を積極的に行なう

一年前 ユレイカ中隊長が戦死し、ミゲルが中隊長に就任。ラフェルを中隊副官、ナラージャを筆頭小隊長として遇した

    カートリンク軍務長官が帝国軍に敗北した戦いにおいてミゲル中隊とガリウス中隊が殿を務め、王国内で巻き起こる「英雄待望論」ではミゲルとガリウスは筆頭の地位を占めるに至る

    カートリンク軍務長官はこの五年間で帝国軍と二勝二敗一分(勝・敗・勝・分・敗)と平凡な戦績だったことをアマム将軍に糾弾され、将軍による軍務長官を決める投票が行なわれ、配下の将軍が多かったアマムが新たな軍務長官となった





最後に

 今回は「『秋暁の霧、地を治む』過去タイムテーブル」をお送りしました。

 タイム・テーブルがあると安心して物語を書けます。

 とくに戦記ものは重厚なバックボーンとして歴史が存在することで、面白さが増すのです。

 明日から「小説の書き方」のおさらいを始めたいと思います。



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