791.回帰篇:やる気は呼び起こすもの
今回は「やる気」についてです。
「今日はやる気がしないから執筆しないでおこう」「執筆はやる気が湧いてきたら始めればいいんだ」
そう思っているうちは「やる気」が湧いてくることはありません。
やる気は呼び起こすもの
なにかをするとき「やる気が湧かない」からやらない、という選択をしていませんか。
実は「やる気」は湧いてくるものではなく、呼び起こすものなのです。
やる気は実行する前には存在しません。なにかに触発されて「やる気に火がつく」のです。
そのためにはコマーシャルではありませんが「やる気スイッチ」を見つける必要があります。
「やる気が湧く」まで待っていたら、いつまで経っても取りかかれません。
「やる気」は待っていても「湧いてこない」のです。
「やる気」がなくてもとりあえず書き始めてください。書き始めてさえいれば、そのうち「やる気」が湧いてきます。
ご褒美を設定する
とても簡単に「やる気が湧く」方法をお教えしましょう。
それは「書き終わったらこれをしよう」「これが欲しい」と「ご褒美」を設定することです。
「ご褒美」がチラついて「やる気が湧く」とは、人間ってとても単純だと思いませんか。この単純なことがたいせつなのです。
たとえば「文章力をまったく気にせず、とりあえず結末まで書いたらケーキを食べよう」というのも「ご褒美」。
ケーキを食べて一息つき、頭をリフレッシュさせたら「推敲」を始めます。もちろん「推敲」にも「ご褒美」を用意しましょう。「推敲が終わったらカラオケに行こう」でもかまいません。
「推敲」が終わって原稿を読み返し、これでよしとして小説投稿サイトに掲載する。またついでに「小説賞・新人賞」に応募する。一投稿で完結するショートショート、短編小説、中編小説はこの段階で「ご褒美」を設けるとよいですね。
長編小説や連載小説は、一投稿ぶんで「ご褒美」を用意すると出費がかさみます。
三百枚・十万字の長編小説であれば、連載もそれほど長くなりませんから、連載終了時に「ご褒美」をもらうようにするとよいでしょう。
連載小説はいつまで連載が続くかわかりませんから、連載が終了するまで「ご褒美」が手に入らないのでは「やる気」が湧いてきません。
そこで一週間を一区切りとして「お手軽なご褒美」を、一カ月を一区切りとして「プチ贅沢なご褒美」を用意しましょう。そして連載が無事終了したら、旅行に出かけるのもよいですね。旅行をすれば小説の題材がぽんと浮かぶこともあります。着想はリラックスしているときに最も働くのです。連載が終了したら「旅に出てみる」のはよい選択でしょう。好きなアーティストのライブに行くのでもいいですね。自然と「締切」も決まりますから、「ライブまでに終わらせるんだ」と意欲的になって「エタる」ことも少なくなるはずです。
すべて終わってから「ご褒美」をもらったほうが効果が高いんじゃないかと思われるかもしれません。しかしそんなに長くモチベーションを高め続けるのはまず不可能です。
人間は長期間の節制に耐えられるようには出来ていません。手近なところに「ご褒美」があるから頑張れるのです。
実際に試してみてください。ちまちまとした「ご褒美」作戦、侮れませんよ。
食生活を改善しよう
頭をフル回転させる「小説の執筆」においては、脳のコンディションをいかに整えるかが「小説の質」の向上へ大きな影響を与えます。
「満足のいくレベルの小説が書けないから、それに時間をとられて食生活が不規則になる」「カップ麺やシリアルバーなどを頻繁に食べることで栄養バランスが偏る」という経験をした方がいるはずです。
ですが本質は逆なのです。
「食生活を規則正しくして、栄養バランスに配慮した食事をとる」ことが「満足のいくレベルの小説を書く」ためには必要となります。
仕事がいつもカツカツで帰宅時間もまちまち。食べるのは買ってきた店屋物かカップ麺というのが、小説を書く方に多い。
食生活の改善は「仕事の成果」にも直結します。栄養バランスのとれた食事を規則正しく食べることで体調がよくなり、結果として「仕事の作業効率」も高めてくれるのです。
そうなれば「小説を執筆」する時間を捻出しやすくなり、小説も連載できるようになります。
物事には因果関係があります。なにが原因でそれが果たせないのか。これを見つけ出すことを第一に考えてください。
「仕事」も「小説の執筆」も、求められるのは脳のコンディションです。生産性の高い「小説の執筆」は脳をいかに用いて、回復させるか。とくに連載小説ではこの入りと抜きを習得することが最優先なのです。入りと抜きが噛み合わないと疲労が蓄積して生産性が著しく落ちます。
「食生活の改善」はいつでも始められます。もちろん今までカップ麺を食べていた方は食費が高騰する。しかし食費をケチって全体の効率を落としてしまっては、得られる収入も減ってしまいます。
食費は「先行投資」なのです。栄養バランスのよい食事を規則正しく食べること。それだけで脳は疲労から解放され、「仕事」も「小説の執筆」も捗るようになります。
「先行投資」に意義を見出だせない方は、一週間だけでも試してください。必ずや必要性を実感できるはずです。
適度に運動する
「小説を書く」ようになると、どうしても机の前に座ってPCに文章を入力する時間が増えます。するとどうなるか。「運動不足」になって「太ります」。私も本「小説の書き方」コラムを連載してからどんどん「太って」いるのです。それほど深刻な「運動不足」に陥ります。
不摂生の私が言うのもなんですが、「毎日適度に運動」してください。
「太らない」ためもありますが、「適度な運動」は血流をよくして脳に栄養素を運んできてくれます。脳が元気になれば「小説の執筆」もすいすい行なえるようになるのです。
激しい運動は必要ありません。ウォーキングや腕立て伏せ&スクワットだけでもじゅうぶんです。とくにふくらはぎの筋肉を鍛えておくと、足先へ向かった血液を効率よく心臓へ送り返せます。ふくらはぎの筋肉が衰えていると血流は滞るのです。
また「小説の執筆」は脳を酷使して疲労困憊させます。しかし身体を動かさないので全身は疲れていないのです。するとどうなるか。身体が疲れていないので脳の疲労が抜けないのです。脳は身体の一部ですが、疲労回復の目安はあくまでも「筋肉の疲労を抜く」ことにあります。
脳は疲れてくると糖質を求めるのです。しかし筋肉が疲れていないと、せっかく摂取した糖質は内臓脂肪となって蓄積されます。つまり脳の疲労回復にはつながらないのです。
だからこそ「小説を書いた」ら「適度な運動」をして脳と肉体の疲労のバランスを調節する必要があります。
「太らない」ため「脳の疲労回復」のために、「適度な運動」は欠かさないようにしてください。
ウォーキングや腕立て伏せ&スクワットだけでも「やらないよりははるかにまし」です。ただし行なう前にじゅうぶんストレッチをしてください。元々「運動不足」なのですから、いきなり運動すると十中八九ケガをします。ケガをすると運動できなくなりますからまた「太って」しまうのです。本末転倒ですよね。
最後に
今回は「やる気は呼び起こすもの」について述べました。
「やる気」は湧くものではなく呼び起こすものです。受動ではなく能動なのです。
呼び起こすには「ご褒美」を用意すればいい。
食生活を改善するだけでも「やる気」が呼び起こしやすくなります。
そして「適度に運動」してください。健康あってこその「やる気」です。
体を壊してでも小説を完成させないといけないというのでは「ブラック企業で働いている」のとなんら変わりありません。
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