754.事典篇:悪魔:デーモン
今回は「デーモン」についてまとめました。
こちらは神と対立しているわけでなく、純粋に人々を堕落させようとする存在です。
デビルよりもさらに下層に住むとされています。
事典【悪魔:デーモン】
デーモン
悪魔とは、特定の宗教文化に根ざした悪しき超自然的存在や、悪を象徴する超越的存在を表す言葉です。
悪魔は、仏教では仏道を邪魔する悪神を意味し、煩悩のことであるとも捉えられます。キリスト教ではサタンを指し、神を誹謗中傷し、人間を誘惑する存在とされるのです。サタン以外の西洋文化の
イスラム教においては悪魔はシャイターン、イブリースと呼ばれます。
宗教によっては神に敵対するものを指し、他宗教の神々への蔑称ともなるのです。
日本語では西洋のサタン、デビル、デーモンの訳語として「悪魔」を用います。
悪魔・魔王を指す西洋語の「デヴィル」はヘブライ語のサタンのギリシャ語訳ディアボロスから派生した言葉であり、キリスト教の神に敵対する存在を指すのです。
悪魔とも悪霊とも和訳される西洋語の「デーモン」の語源は、ギリシャ語のダイモーンです。ダイモーンはキリスト教的文脈においてほぼ悪霊・悪魔の意味で用いられます。
デヴィルとデーモンはいずれも、ラテン語で神を意味するデウスと同様に、サンスクリットで神を意味する語である「デーヴァ」(女性形は「デーヴィー」)と同じ印欧祖語の語源「デーヴ」(輝く)の派生であるという説もあるのです。
TRPG『Dungeons & Dragons』第五版では、無限の階層なす奈落界アビスにあまた蠢くデーモンたちは、受肉した混沌と悪そのもの、かろうじて怪物的な姿を保っている破壊の化身です。彼らには共感も同情も慈悲も皆無であり、ただ破壊のためだけに存在します。
アビスは己の手足としてデーモンを創ります。この魔物たちはアビスの汚染と殺戮の中から自然に産まれるのです。神々から遠ざけられるか呪いを受けた定命の魂や、なんらかの理由でアビスに囚われた魂を元に創られるデーモンもいます。
デーモンは力のみを重んじます。グレーター・デーモンが絶叫するレッサー・デーモンの集団に命令できるのは、命令を拒否した無謀なレッサー・デーモンを殺せるからです。デーモンの地位は流した血の量で決まります。倒した敵が多ければ多いほど、デーモンは偉くなるのです。
アビスでの戦いとサバイバルに無数の歳月を費やす中で、生き延びたデーモンの中で最強クラスの存在こそ、永遠の闘争によってアビスを四分五裂の危機に晒しているデーモン・ロードたちです。
デーモン・ロードは多量の魔力を消費してレッサー・デーモンをグレーター・デーモンに昇進させられます。しかしこの昇進は手柄や功績に応じて行われるわけではありません。不可視の密偵が欲しかったり、ライバルのデーモン・ロードを攻めたりする際に意図的に昇進させるのです。自分のライバルを作り出してしまう恐れがあるため、デーモン・ロードが配下を最高ランクのデーモンへ昇進させることは稀です。
デーモンはアビス中をうろつき回り、他の次元界へ通じるポータルを探しています。生まれ故郷の外へ逃れ出て、多元宇宙にデーモンの昏き影響を蔓延させ、神々の創造物を破壊し、諸文明を滅ぼし、この宇宙を絶望と荒廃で塗りつぶすこと、これがデーモンの望みなのです。
定命の土地に伝わる闇深き伝説には、この世界に解き放たれたデーモンが大破壊を巻き起こすという筋書きがいくつもあります。だからこそデーモンの大発生に対抗したり、デーモンが押し寄せる前にアビスに通じる次元の裂け目を閉じるためなら、熾烈な抗争を繰り広げていた国々ですら矛を収め協力して事に当たるのです。
デーモンはアビスの腐敗を身に宿しているため、デーモンがこの世に存在するだけでこの世界が悪い方向に変わってしまいます。アビスに通じる次元の裂け目やデーモンが出現した土地では、植物は枯れて死に絶えるのです。デーモンが殺戮を繰り広げた場所に、動物は近づこうとしません。デーモンに荒らされた場所には、決して消えない悪臭、強烈な暑さや寒さ、永続する影などが残り、そこに魔物の記憶が今も漂っていることをまざまざと見せつけるのです。
アビスの外にいる限り、デーモンにとって死は些細な厄介ごとに過ぎず、死を恐れる理由は皆無です。普通の武器でデーモンを食い止めることはできず、また多くのデーモンは強力な呪文が操るようなエネルギーに抵抗を持っています。幸運な英雄がデーモンと戦ってこれを倒せた場合、この魔物は溶けて膿に似たくさい液体に変わった後、次の瞬間にはアビスで復活 します——精神や霊的実体は以前と変わらず、憎しみだけをより強く燃え上がらせて。デーモンを本当に滅ぼす唯一の方法は、アビスでそのデーモンを探し出し、アビスの中で殺すことです。
強力なデーモンは複雑な手順を踏むことで自分の生命の霊的実体を守れます。具体的には、秘伝の手法とアビス産の金属で作ったアミュレット(お守り)に、自分の霊的実体の一部を移すのです。これを行なったデーモンの肉体が滅ぼされた場合、このアミュレットの力によって、自分が復活する時間と場所を自由に選べます。
デーモンのアミュレットを手に入れるのは危険極まりない冒険であり、アミュレットを探すだけでもそのアミュレットを作ったデーモンの注意を引いてしまうのです。デーモンのアミュレットを所有しているクリーチャーは、そのアミュレットに生命の霊的実体が入っているデーモンに奉仕を要求でき、拒絶されたならその魔物に多大の苦痛を与えられます。デーモンのアミュレットが破壊された場合、それを作ったデーモンは一年と一日のあいだアビスに閉じ込められるのです。
フィーンドと関わりを持つことは恐ろしいリスクを伴うというのに、定命の土地にはデーモンの力を欲してやまない者たちがごまんといます。デーモン・ロードたちはそういった定命の下僕を操ってさらなる凶行へと駆り立て、魔法その他の恩寵を授ける代わりに己の野望のために働かせるのです。とはいえ、デーモンにとって己に仕える定命の存在は使い捨ての道具にすぎず、用がなくなればアビスにその魂を引きずりこむつもりです。
デーモンの召喚ほど危険な行為は滅多にありません。デヴィルと気軽に取引する魔道士ですら、アビスの魔物に恐れを抱くのです。デーモンは物質界に混沌を巻き起こそうとしていますが、だからといって物質界への召喚に感謝するはずもなく、呼び出された場所に幽閉されたなら怒り狂ってここから出せと叫びます。
デーモンの召喚という危険をあえて冒す輩の目的は、デーモンから情報を得るか、使役するか、あるいは完璧に邪悪なクリーチャーでなければ行なえないような任務に送り出すことでしょうか。いずれにせよ事前の準備が肝要です。熟練の召喚者はデーモンを他者の意志に屈服させるための特別な呪文や魔法のアイテムを知っています。その手順に一つでもミスがあれば、自由になったデーモンは情け容赦なく暴れ出し、召喚者が第一の犠牲者になるでしょう。
『不浄なる暗黒の書』『アームの黒木巻物』『イグウィルヴのデモノミコン』は、デーモンに関して最も信頼性の高い情報源です。これらの太古の書物には、デーモンの霊的実体を物質界に閉じ込める手段、具体的にはその霊的実体を武器や偶像や宝飾品に封じ込めてアビスに戻れなくさせる手法が記されています。
デーモンの霊的実体を封じるアイテムには、邪悪な詠唱と罪なき者の血による特殊な準備が必要です。そのアイテムは濃密な悪の気配を放ち、寒気と悪臭を漂わせます。この種の物体と直接関与したクリーチャーは不気味な夢を見、邪悪な衝動を感じますが、その物体に霊的実体が封じられているデーモンを制御できるのです。その物体を破壊すればそのデーモンは自由になり、すぐさま自分を呪縛した相手への復讐を開始します。
強力なデーモンは、どれほど堅固に呪縛されていようとも、自分が封じられている物体から抜け出す術を見つけ出すことが多い。そうして容器から漏れ出したデーモンの霊的実体は定命の存在に憑依できます。憑依に成功した魔物は憑依の事実を周囲から隠そうとする場合もあれば、新たな肉体を用いて魔物の衝動を最大限に発揮する場合もあります。
デーモンに憑依された肉体が死ぬか、憑依しているデーモンが祓われた場合、その肉体の魂はデーモンと一緒にアビスに引きずり込まれる恐れがあるのです。デーモンがクリーチャーに憑依し、そのデーモンが呪縛されているアイテムが破壊された場合、強力な魔法を用いてデーモンの霊を肉体から祓わぬ限り憑依が続きます。
【デーモン・ロード】
並外れた無慈悲と創意工夫を見せたデーモンは、アビスの混沌の力から闇の祝福を授かり、神々にすら匹敵する力持つ唯一無二の魔物に変化します。かくして生み出されたデーモン・ロードたちは、奸智をもって君臨する者あり、また蛮勇をもって君臨する者あり、いずれもいつか全アビスの絶対的支配者たらんと欲してやみません。
ほとんどのデーモン・ロードは、アビスに跳梁跋扈する多種多様にして計数不能なデーモンの大群の中からのし上がった存在です。ですが、この次元界の無限の階層の一つ以上を征服したよそ者もまた、アビスの祝福を受けることがあります。エルフの女神は、エルフ族を裏切った咎でアビスに放逐された後、デーモン・ロードになったのです。また、賢者たちの説くところによれば「暗黒大公」は元をただせば他の次元界の出身であり、名を忘れ去られて久しい別のデーモン・ロードから地位を奪ったのだと言われています。
デーモン・ロードの力のほどを示す最大の特徴は、アビスの一領域を作り変えるという能力です。デーモン・ロードに支配されているアビスの階層は、そのロードの邪悪な性格を歪んだ形で反映しています。そしてデーモン・ロードは他の者に自分の階層を作り変えられて奪われることを恐れるあまり、滅多なことでは自分の階層の外に出ようとしません。
他のデーモンと同様、アビス以外の次元界で死んだデーモン・ロードの霊的実体はアビスに戻り、新たな肉体を形成して復活します。一方アビスの中で殺された場合は永久に破壊されるのです。そのような最期を避けるため、ほとんどのデーモン・ロードは自分の霊的実体の一部を安全な場所に保管しています。
【ヘル・ハウンド】
ヘル・ハウンド(地獄の番犬)とは、力強い犬のような姿をとった、火を吹く魔物です。アケロンの戦場をはじめ、下方次元界中で見られます。物質界ではデヴィルやファイアー・ジャイアントなどの悪のクリーチャーに仕え、番犬やお供に使われていることが最も多い。
ヘル・ハウンドは群れをなして狩りをし、食えそうなクリーチャーなら何でも食います。手強そうな敵は避け、できるだけ弱い獲物に、猛烈な噛みつきと炎のブレスの狙いをつけ、絶対に追い詰めてひどい目にあわせてやるぞという決意を見せつけます。
ヘル・ハウンドが物を食うと、腹に収めた肉は体内に燃える地獄の炎をかきたてます。ヘル・ハウンドが死ぬと、この炎が屍骸を呑み込み、煙と
ヘル・ハウンドは普通の獣よりも賢く、秩序の性質ゆえによく命令に従います。けれども本来邪悪であるから、これを無慈悲な殺戮者以外の何ものかになるようには訓練できません。絶えず凶悪な飢えを満たしていないと、すぐに主人を忘れ、あるいは主人に牙を剥くからです。
TRPG『PATHFINDER RPG BESTIATY』では、デーモンの存在意義はただ一つ、破壊です。その秩序寄りの片割れである地獄界ヘルのデヴィルが求めるのは定命の者の心と価値観を捻じ曲げ、彼らデヴィル自身の映し身に作り変え姿を変えさせることですが、デーモンはただ傷つけ、滅ぼし、貪り喰らうことだけを望みます。彼らが定命の者を仲間にするのは、そうした同胞によって希望と善の最終的な破壊が早められる時のみです。死は、ある意味、彼らの敵です。死んだ定命の者は多くの場合デーモンの略奪から逃れ、正当な報酬を得られる死後の世界へと去ってしまいます。デーモンの欲望と願いを満たすのは定命の者の痛みと苦しみを長引かせることですが、それは一部にはこの極悪非道のフィーンドを産んだ、定命の者の罪業と残酷さとによります。
デーモンは、フィーンドの中で最も多く生まれる特に破壊的な種族です。しかし、一部の伝承が説くところでは、多元宇宙の中で奈落界アビスとして知られる、破滅と残酷に満ちた悪臭ふんぷんたる奈落に生まれた最初の生命は彼らではありません。成熟した神格が現世に目を向けるより前、定命の者が産声をあげる前、物質界自体が完全に形作られる前には、アビスには生命がはびこっていたのです。
多くの学者に“プロト・デーモン”として知られる、この惨めで危険な存在はクリフォトと呼ばれます。今日では、罪深き定命の者の魂によるアビスへの影響に、破壊神アバドンのダイモンの看守たちの邪悪な干渉と、運命と臣下の残酷な気まぐれが加わり、クリフォトたちによる支配は衰えました。プロト・デーモンは今ではアビスの忘れ去られた有害な片隅に住んでおり、代わりにはるかに多数が生まれるデーモンが支配しています。邪悪な定命の者の魂がひとつアビスにたどり着くごとに、デーモンの大群の戦列は厚みを増してゆく。ただひとつの魂が何十、さらには何百ものデーモンの顕現を煽り立て、その魂が持ち込んだ罪業の詳しい本質に応じて、新しく形作られるフィーンドどもの形態と役割が決まります。
アビスは広大な(一節によると無限の)領域であり、おそらくは始原混沌であるメールシュトロームそのものを除き、他のあらゆる次元界よりもはるかに大きい。このような広大かつ変化に富む領域に適応し、デーモンの大群も同様に多様です。あるものは人型生物のような形をしており、別のものはねじくれた獣のよう。あるものは大地で飛び跳ね、別のものは空や海を動き回ります。またあるものは感情や政治を操る策士だが、別のものは破壊をもたらす破壊装置です。しかしすべてのデーモンは同一の目的、定命の者にあらゆる形態の痛みと苦しみを与えるべく活動します。
それにもかかわらず、定命の者は当初からデーモンの助力を求めてきました。本能的に自滅を求めているのであれ、あるいは力への誤った渇望であれ、召喚術者たちは今日に至るまで禁じられた魔法によってデーモンを引き込み続けてきたのです。ある者は知識を求めてデーモンを召喚し、別の者は暗殺者や護衛として仕えさせるべく招請します。デーモンはこのような召喚者に憎悪と感謝の入り混じった目を向けますが、これはほとんどのデーモンが、大破壊をもたらすべく自力で物質界に来る能力を持っていないからです。彼らは自らをアビスから呼び出した狂人に依存していますが、牙をきしらせ命令と拘束の強制への不満をぶつけます。ほとんどのデーモンは召喚者の要求を曲解する方法を見つけ出し、最も厳格に支配されたデーモンの奴隷でさえ解き放たれて、あとは廃墟で絶望の爪痕を残すのです。愚かな術者が召喚の際に致命的な失敗を犯してそのツケを自らの血で贖い、意図せず世界に制御を失った恐るべき破壊の種を放ってしまうことになる事例が過半です。
真に狂った者は、デーモンによる終末が最後に訪れた時、デーモンと盟約を結んでいれば救済と保護を得られるという誤った信念により、自らの肉体と魂を捧げようとデーモンを呼び出します。自暴自棄になった王が自軍の将軍として仕えさせるべくデーモンと約定しようとする話や、狂女が恐るべき子どもたちを授かるためにデーモンの男親を求める話はありふれているのです。中でも最悪なのは、最も強力なデーモンを神と崇める定命の者たちが、すべての破壊をもたらすそのデーモンを命をかけて支援することです。
TRPG『ADVANCED FIGHTING FANTASY』第2版『モンスター事典――奈落の底から――』では、十種のデーモンが存在します。
【アイス・デーモン】
氷指山脈の猟師は、山の高所にある隠れた谷について語るとき、声を潜めます。凶暴なオークやゴブリン、原始人の群れがそこからあふれだし、奴隷や生贄を求めて交易拠点や村を襲うというのです。襲撃者は驚くほど統制が取れていて、邪悪な支配者に訓練されているものと広く思われています。実際には、彼らのリーダーは一体の強力なアイス・デーモンで、熱心な司祭によって地上界に召喚された存在です。
ほとんどの時間を、この魔物は氷の彫像のように動かずしゃがんだ体勢で、信徒たちを眺めて耳を傾けています。信者をまとめている司祭とはテレパシーを用いて意思疎通ができ、襲撃や生贄を欲するままに要求するのです。捕まえられた人間は生贄用に運ばれ、床の氷に彫られた魔法陣の中心に置かれて“凍てつくもの”の前に差し出されます。デーモンは襲おうと動き出し、その巨大な体が重々しく動くに伴い、体を覆う
立ち上がったアイス・デーモンは最低でも6mの高さがあり、太っていて力強い。厳めしい顔は2本の大きな曲がった山羊の角を備えています。背中には幅広い一対のコウモリのような巨大な翼があり、広げるとおよそ10mに達するのです。色は白一色で、氷そのものでできているように見えます。攻撃の際には2つの巨大な拳を用いるのです。鼻と口から凍てつく白い息を吐き出し、相手を凍らせます。このデーモンが打ち破られると、邪悪な魂は魔界へと送り返され、体は氷の塊のように砕け散るのです。
【スネーク・デーモン(蛇のデーモン、魔王子)】
スネーク・デーモンは3人おり、多くの時間、不気味な宮殿の大広間にある各の玉座に不機嫌な顔で座り込んでいます。そして、自分たちが決定するべきあらゆる案件について議論や口論を繰り返しているのです。名をイシュトラ、マイユール、シスというこの魔王子らは、魔界の貴族階級の高位メンバーですが、それにふさわしい洗練された雰囲気や優雅さをどこか欠いています。議論は、誰かが他の2人に宣戦布告をして終わることもよくあるのです。時間にとらわれずに存在し続けてきた彼らにとって、すべてのものから新鮮味は失われてしまっています――要は退屈しているのです。かくして3人ともつねに、人間では考えられないような残虐さを下僕に対して示します。ただ、哀れなデーモン・サーバントを粉々に吹き飛ばして骨の山にするくらいなら、永劫の昔に飽きているのです。そうした彼らがなおもひとつだけ、わずかに情熱を示すことは、言語道断の悪辣さでもって人間を扱うことです。
とりわけ、地上界へのシスの陰謀は、ときに最も退廃したデーモンにすら衝撃を与えるほどです。シスは単なる楽しみのため、無意味で血塗れの戦いを人間に仕掛けるよう、あらゆる種族を説得したがります。しかも、人族を可能な限り苦しめたいという願望を満たすため、シスの宗派に生贄と流血を要求するのです。シスにとって、ちっぽけな人間どもが苦悶する姿を見るほど楽しいことはないのです。ときには、そうした微妙な味わいを余すところなく楽しむため、自ら地上界に現れることすらあります。
地上界に姿を現すときには、スネーク・デーモンは身の毛もよだつ本来の姿を和らげ、単なる人型種族の形をとるのです。ただし、身体は緑がかった黒色で、蛇の頭を持ち、4本の腕とコウモリの翼を生やし、身の丈は3メートルに及びます。多くの魔王子同様、スネーク・デーモンは魔化された武器、あるいは祝福された武器でしかダメージを受けません。聖水はスネーク・デーモンに対して酸のような効果を発揮しダメージを与えます。戦闘ではスネーク・デーモンは4本の腕のおかげで信じられない俊敏さを見せ、毎戦闘ラウンド、対戦者に第2撃を加えられます(この第2撃に打ち勝つことに成功した冒険者はダメージを受けずに済みますが、相手にもいっさいダメージを与えられません)。地上界に現れるとき、スネーク・デーモンは宝石の形をした魔法の絆で本来の次元とつながっています。この唾棄すべきモンスターはそのおかげで、即座に本来の世界に送還しようとするこの世の元素の力に抵抗できているのです。宝石を破壊すれば、一瞬でデーモンを追放することができますが、破壊した宝石の爆発によりダメージを被ります。
【デーモン・サーバント(魔奴)】
“地獄”とも呼ばれる魔界の不気味な域で、魔王子たちはより低い魔物の大群に仕えられています。多くの魔導書は、この存在をデーモン・サーバント(魔奴)と呼んでいます。この奇妙な者たちの役目は、衛兵や侍祭、召使い、果ては必要とあらば生贄にまで及ぶのです。このサーバントは、修道士に似たぶかぶかの黒いローブを着た、動く骸骨といった外見をしています。光る赤い目を持ち、高位の存在に直接支配されているときは、その目は赤い輝きを増すのです。
デーモン・サーバントは、魔王子に生前仕えていたものたちの死んだばかりの魂を“徴用”したものであり、大半は今後の永遠の生を、つねに魔王子の指図や命令に従って意思もなく過ごすことをよしとしています。しかし、中には説得が必要なものもおり、そうしたとき、通常は罪人に与えられる処罰が、ありがたくも少し見せて頂けることになるのです。この奴隷は賢すぎることはないし、感情や欲望もありません。会話はできませんが、主や同輩との意思疎通を独自の形のテレパシーで行なえます。文章で表すなら「彼、護衛、欲しい。俺たち、やる」といった感じです。魔王子が地上界を訪れるときには、普通この奴隷を少人数、従者として連れて来て、必要なことをさせるために手近にとどめておきます。戦闘に巻き込まれたなら、彼らは素手でこの世のものとは思えない怪力を発揮し、鉄の武器にも対抗します。彼らが2回連続で攻撃を当てられずに、逆に攻撃を受けると、体を動かしている魔法が破られ、崩れた骨の山に戻ります。
【デーモン・スポーン(魑魅魍魎)】
“地獄”の広大無辺な荒野には、あちこちに悪臭を放つ沼が散在して、そこにわだかまる冷気の中で、主のいない魂が地位を与えられるのを待ちながらのたうっています。一部の熱狂的な帰依者は、デーモン・サーバントとして選ばれます。またある者は、デーモンによる恐るべき魔法儀式の生贄にされるのです。しかし、多くはデーモン・スポーン――グズで間抜けな地獄軍勢での一兵卒――となります。
デーモン・スポーンのとる姿は多様で一貫しておらず、もっぱら粘液から動く形を与えたデーモンの気分や想像力によります。大多数は大まかに人の形はしていても、こぶだらけで不格好な膨れ上がった者もいれば、やせて骨と皮ばかりのものもいます。そのすべてが汚らしい粘液を滴らせ、硫黄と墓の臭いがするのです。色合いはどれをとっても多様だが、色彩そのものからではなく、つねにどこか目を背け、吐き気を催させるところがあります。デーモン・スポーンの中には、多数の頭や腕に醜いこぶ、さらには他の生物の体を持つ者もいれば、しっかりした形を持たない者もいるのです。どんな姿もありうるが、どれも不浄で純粋に邪悪なので、混沌に対して善の側に立つ生き物のほとんどは、出会った途端に必死に攻撃を加えるでしょう。典型的なデーモン・スポーンは立てば1メートル以上になるが、サイズは他の特徴と同様に大きな幅がある。多くは角や牙、鉤爪や歯を持っていて、突き刺したり、丸呑みにしたり、引き裂いたり、噛み付いたりすることに驚くほど熟達しています。また、デーモン・スポーンは魔法の武器でしか傷つけられません。他の武器を使った場合、傷ついたように見えてもすぐにふさがり、切り離された部位も独りでにくっつきます。
デーモン・スポーンは目を持ちません。代わりに目のあるべき場所に一組の間隔を持つ孔、暗い空洞のようなものがあり、これによって周囲の存在が放つ生命のオーラをぼんやりと知覚します。眼がないことは“生き物の魂はその眼に宿る”という、タイタンの学者に広く信じられている説の重みを増しています。(この説は、盲目の賢者の大半から激しい反論を受けています)。
デーモン・スポーンは普段は故郷の魔界に囚われており、しばしばデーモンの間で起こる内乱に駆り出されるのです。しかしときには魔界の主とともに召喚されて、地上界の大いなる邪悪の中心地で見ることもあります。デーモン・スポーンが数年以上生きることは稀です。肉体が宿るに適さなくなり、死ぬときその体はしぼみ、しゅうしゅうと蒸気を放ち、最後には鼻を突く悪臭の粘液溜まりに成り果てます。
【ナイト・デーモン(夜のデーモン、魔王子)】
霧の漂う広大な館の暗い広間で、4体のナイト・デーモンは
ナイト・デーモンは立ち上がるとおおよそ3メートルほどの高さですが、彼らを取り巻く触れられそうなほどの力のオーラがその姿をより巨大なものに見せかけているのです。人間の身体を持ち、力強い筋肉と深い赤褐色の肌をしています。手足は頑強なトカゲのような鱗に覆われており、先には鋭い鉤爪がある。黒い2つの竜のような頭を持ち、それぞれは知性の半分を担っているが、独立して会話し思考できます。4体の魔王子すべてが同時に議論するさまは、きわめて複雑なものです。このデーモンは巨大なコウモリのような翼を用いて飛行できますが、それよりも、巨大な髑髏を散りばめた戦車を数百ものデーモン・サーバントに引かせる旅のほうが多い。
地上界で出会うとしたら、彼らは人間の残酷な行為の後ろで糸を引く邪悪な黒幕としてしばしば登場します。説得は強力そのものであり、多くの凶悪な人間が彼らから直接指示を受け取っているのです。他の力も持っており、その多くは上位のデーモンと共通しています。魔力を付与されたか、祝福された武器でしかダメージを受けず、聖水やその他の神聖なアイテムは、ヴァンパイアに対する十字架のように彼らを遠ざけられます。ナイト・デーモンは両の掌から炎の矢を1日に1度放てます。近接戦では残虐な鉤爪で相手を引き裂くのです。さらに困るのは、ナイト・デーモンのかりそめの肉体は破壊できますが、その魂を地上界では殺せないことです。3人の兄弟が、主の帰還を待ちながら肉体が横たわっている魔界へと魂を呼び戻すからです。退散させられた魔神は66日の間は地上へ戻れませんが、その力を再び回復したなら、魔王子にふさわしい復讐を果たすため、間髪を入れず敵を探し求め始めるのです。
【ファイア・デーモン】
〈
【ヘル・デーモン】
〈
邪悪な悪魔崇拝の信者なら、そうした炎で鍛えられた波打つ刃のクリスナイフを、儀式や生贄に使うために持ち運んでいるかもしれません。そのような武器はひじょうに貴重ですが、怒れるヘル・デーモンと真っ向から退治したときのために、1本持っておくことを強くおすすめします。
【ホーンド・デーモン】
とんでもなく天候が荒れ、月のないひどく暗い夜に、ホーンド・デーモンは人々の土地を練り歩き、迷える魂に早く地獄へ来いとせり立てます。この穢れたデーモンはヤカーと呼ばれており、見た目は人間ですが、ぼろぼろでカビだらけの灰や黒の衣服で身を包むのです。屈められた肩の上には、ねじれた大きな角を備えた山羊の腐った頭が2つ、口からは泡を吹き、目は深い赤色に染まり、凶暴であり虚ろでもあります。むき出しの骨が汚れた山羊の毛と肌を突き破って飛び出しているのです。
こいつは稀にこの地上界にやってきますが、目的はこうした危険な夜に出歩くような愚か者たち――泥棒や殺し屋、乱暴者に酔っ払いなど――の魂をかき集めるだけです。ほとんどのデーモンの眷属と同様、ヤカーは飛べます(実際の翼ではなく、魔法の浮遊と考えられる)。攻撃はほぼ急降下して背後から相手に掴みかかり、ダガーほどの長さの爪で喉を掻き切ろうとしてくるのです。
戦いで不利になり始めると〈暗闇〉の呪文をその場にかけて、すぐさま元の異界に戻ります。もし勝つと、このおぞましい怪物は死体からまだ脈打つ心臓を取り出し、新鮮な魂を主の悪魔に贈るべく元の世界に帰っていくのです。
【ミラー・デーモン】
魔界の下層ではあらゆる自然法則は通用せず、不気味な存在が同時に複数の次元に存在していたりします。ときには時空の狭間をすり抜けて地上界に物質化し、選んだ人間をいたぶることもあります。ミラー・デーモンは恐るべき人型モンスターで、4本の腕と4つの顔を持ち、おぞましい叫びをあげる存在です。彼らと遭遇するのはつねに巨大な鏡の近くであり、それは自らの次元に帰還するための扉でもあります。
この悪魔は鉤爪を持った手で犠牲者を捕らえ、鏡の中へ引きずり込もうとするのです。ミラー・デーモンの相手は、デーモンの次元へ鏡から引きずり込まれようとしており、そうなれば二度と脱出できないことに気づきます。この鏡を叩き割るには強くしっかりとした一撃が必要ですが、叫び声をあげ続けるモンスターに引き裂かれそうになりながらでは簡単でないでしょう。鏡を叩き割れば、ミラー・デーモンの生命線は破壊され、この魔物は死亡します。どういった形で殺されようと、デーモンの頭と身体にひび割れが走り始め、耳をつんざく破砕音をあげて倒れ、ついには砕けたガラスの小片になってしまうのです。
【ロック・デーモン】
すべてのデーモンがナイト・デーモンやスネーク・デーモンのように洗練されていたり、退廃的であるわけではありません。中には知性のかけらすら持たないものもいます。下位の生き物を殴りつけ、破壊し、叩き潰すことにしか喜びを見出さない野蛮なデカブツです。ロック・デーモンはとりわけ乱暴。身長はほぼ4メートルに達し、醜く不格好な人型をして、手はストーム・ジャイアントの頭ほどもあるのです。皮膚は一見、岩にしか見えませんが、なぜか肉のように動いたりよじれたりし、鋭い刃によって傷を受けます。両足はまるで水面に沈むかのように深く土にめり込んでいるのです。粗暴で攻撃的で、遭遇したものすべてを嬉々として殺します。
上位デーモンの研究をしている勇敢な者たちによれば、ロック・デーモンの元は、魔王子たちがアース・エレメンタルを馬鹿にしまねて創ったものと言われています。確かに多くの共通点はありますが、強さでは到底かないません。巨体と岩のような皮膚にも関わらず、ロック・デーモンは通常の武器でダメージを受け、敵に投げつける以外の用途で、本物の石や土を動かすこともできないのです。それでも地面高くそびえ、泥や土を撒き散らして、獲物の上に轟くようにそそり立つロック・デーモンは、多くのものにとって手に負えない相手でしょう。
TRPG『Tunnels & Trolls』完全版では、この狡猾な生き物デーモンは普通、別の存在界に暮らしていますが、惑星トロールワールドにやってくるさまざまな手段を知っています(強力な魔法使いが唱える
【岩デーモン】
このデーモンの一種に限っては、それほど珍しい種族ではありません。おそらく、彼らがどちらかというと自分にしか関心がなく、とくに他の生物を破滅させようとしないからでしょう。何より、彼らはビールでたやすく買収されます。岩デーモンは岩壁や加工された石の前にじっと立っていると、ほとんど姿が見えなくなります。見るからに狡猾で、小柄で赤い目をした彼らは、しこたまビールを飲んでいるとき以外はひじょうに反社会的です。ごつごつした皮膚は鎧のように頑丈なので、鎧も身に着けません(それを言うなら衣服も着ません)。暗闇でも目が見え、(ほとんどの)毒に影響を受けません。
【コーター(炎デーモン)】
コーターはひじょうに強力な炎デーモンの稀少な一種で、暗い影と燃える炎が融合しています。つねに単独で行動するわけではなく、しばしばウルクやトロールを配下に従えることがあり、ドラゴンを支配していたことでも知られています。幾条もの革紐のついた炎の鞭を好んで使用しますが、炎を噴く剣や斧、メイスなども使います。生まれつき魔法の天分と闇の技術の豊富な知識に恵まれています。彼ら自身が純粋な力以外のものを見下していなければ、最強の魔法種族になれたことでしょう。
TRPG『Tunnels & Trolls』完全版『MONSTERS! MONSTERS!』では、人間の4倍の力があり、爬虫類のような顔をしています。デーモンは別の次元からやってきて、強力な魔法を操ります。私達の世界にデーモンが現れるときには、魔法使いが次元の障壁を越えて呼び出さねばなりません。デーモンは五芒星形の中に捕らわれた場合、相手の言うことに従わなければなりません。デーモンは個々にさまざまな能力を持っています。
【デーモン】
デーモン(悪魔)は、われわれとは別の世界に住み、この世界に現れるには五芒星形などを用いて、魔術師が呼び出さなければなりません。爬虫類のような顔、コウモリのような翼、鉤爪などが特徴です。
デーモンはさまざまな特殊能力を持っていることがあります。
【ガーディアン…デーモン】
ガーディアン・デーモンは特定の部屋や宝箱、人物などを守るために、魔術師との契約で呼び出されるデーモンです。大きさや姿は自由に変えられます。ガーディアン・デーモンには、次のような種類がありません。
1)インビジブル・デーモン:ふつうの攻撃に対して完全に無敵であり、「送還」の魔法を用いないかぎり、この世界から消すことはできません。
2)パズリング・デーモン:部屋を通ろうとしたり、宝箱を取ろうとする相手に対し、奇妙な謎やパズルを問いかけてきます。その謎やパズルを上手に解いたものは自由にさせます。解けなければ、その強さはインビジブル・デーモンと同じです。
3)スケープゴート・デーモン:これは人物を守ることだけができます。守ろうとする対象の死の危機に陥ったときに現れ、その人物の身代わりとなって一回死ぬ力を持っています。
【クリスタル・デーモン】
クリスタル・デーモンは全身が水晶ででき、透明な剣で武装しています。
遭遇したとき、キャラクターがなんらかの明かりをつけていれば、クリスタル・デーモンに反射し、目をくらませます。クリスタル・デーモンを倒せば、大きなクリスタルのかけらが手に入ります。価値は同じ重量点の金貨と同額です。
【シャドウ・デーモン】
シャドウ・デーモンは2メートル以上もの影の姿で現れ、顔に当たる部分に赤い目がらんらんと輝いています。やはり影で出来たメイスで武装しています。
シャドウ・デーモンはひじょうに予測しづらいところから攻撃してきます。
【チャイニーズ・デーモン】
チャイニーズ・デーモンは外見的には「堕天使」とよく似ていて、コウモリのような翼を持ちます。性格は邪悪で、目につく者は片っ端から殺そうとします。
【フレーム・デーモン(炎の悪魔)】
フレーム・デーモンは全身に炎をまとい、口からは火を吹く大きな悪魔です。
【レッサー・デーモン】
レッサー・デーモンは能力値的にやや劣ったデーモンです。蛙を思わせる顔と丸まった体をしています。やはり個々に特殊能力が発達しています。
【ロック・デーモン(岩悪魔)】
ロック・デーモン(岩悪魔)は、酒(とくにビール)があればごきげんという、デーモンにしては珍しい種族です。しかし、ひとたび酒が切れればデーモンとしての本性を発揮するので、友達付き合いには注意が必要です。
ロック・デーモンの名前は岩のような外観もさることながら、岩のそばに立てば姿が見えなくなるという特殊能力にも由来しています。分厚い肌は12点の防御点を持っています。また、防具は使いませんが、人間用の武器は使えます。
【バルルク(バルログ)】
バルルクは全身を炎で覆われた黒い影のような姿で現れ、炎デーモンやコーターという名でも呼ばれます。この炎にはバルルクを弓矢などから守る働きがあります。手にはやはり炎で作られた武器を持っています。この武器は鞭やグレート・ソードなど、バルルクの気分に応じてさまざまな形をとります。
定命の者に対し、まず、先制攻撃を一回許すのがバルルクのやり方です。その先制攻撃をムダに終わらせ、相手に絶望を与えてからじっくりと料理することをバルルクは好むのです。
バルルクはドワーフ、ゴブリン、ウルク、ハーフ・ウルクに対し、絶対的な支配力を持っています。これらの生き物は、バルルクの命令には、それがいかなるものであっても逆らえません。
グレート・バルルクはバルルクの巨人版です(そのため攻撃をかわしながら、必殺の一撃を狙う戦法が可能です)。より強大で恐ろしいことを除けば、ふつうのバルルクと同じです。
【ユーワーキー(キーラプトラ)】
ユーワーキーは天使のような外見をしていますが、その本性は悪魔そのものです。
TRPG『ソード・ワールドRPG』完全版では、以下のとおりです。
【アザービースト】
魔界の獣たちで、魔神が創造した生物であるとされます。デーモンたちの手下として働くことが多いようです。物質界ではほとんど出会わず、詳しいことはよくわかっていません。数少ない目撃者の話もまちまちで、形態もはっきりしませんが、物質界の動物をいくつか組み合わせたような姿をしているという点では一致しています。
【ヘルハウンド】
ヘルハウンドは、一見、黒い大型犬に見えます。しかし、実体は地獄の番犬とも呼ばれる恐ろしい異界の獣なのです。ヘルハウンドは口から炎を吐きます。
【ケルベロス】
ケルベロスは頭が三つある大きな黒犬で、ヘルハウンドの変種ではないかと考えられています。ヘルハウンドよりひとまわり大きく、中型の馬ほどのサイズです。攻撃するときには三つの首で同時に同一の目標を狙って噛みつきます。
ヘルハウンド同様、ケルベロスも炎を吐けます。三つの首から同時に三方向に炎を吐きます。ケルベロスに対しては、炎による攻撃は効果がありません。
【レッサー・デーモン】
青銅色の肌をした人型のレッサー・デーモン、ガーゴイルのモデルとなったとされるレッサー・デーモン、直立したドラゴンのような姿をたレッサー・デーモンがいます。
【グレーター・デーモン】
一目見た相手の姿を衣服まで含めて完全にコピーする能力を持つデーモン、上半身がミミズクで下半身が山羊の後肢のような姿をしたデーモンがいます。
TRPG『ロードス島戦記RPG』では、デーモンと異界の生物は、我々とは異なる物質界に住む生物です。神々の時代には暗黒神に従う殺戮者として活躍し、その後の古代王国期には魔術たちに召喚されて使役されてきました。暗黒神と深い関係があるとされ、総じて邪悪な性格をしています。
魔神戦争期にはロードス島全体に出現し、破壊と殺戮の限りを尽くしていましたが、現在となっては遺跡などで古代王国期に召喚された個体と遭遇する程度でしょう。
【レッサー・デーモン】
青銅色の肌をした人型のレッサー・デーモンや、魔法生物ガーゴイルのモデルとなったレッサー・デーモン、直立した小型のドラゴンといった姿のレッサー・デーモンなどがいます。
【ヘルハウンド】
漆黒の肌と、赤い目と舌を持つ、体毛のない大型犬に見える異界の獣です。
【ケルベロス】
頭が三つある巨大な黒犬で、ヘルハウンドの変種だと考えられています。
TRPG『クリスタニアRPG』では、神々大戦のおり、暗黒神ファラリスによってこの世界に召喚された、異世界の住人。多くの特殊能力と高レベルの魔法を持ちます。
【グレーター・デーモン】
岩のような肌と、真紅の瞳を持った悪魔。レッサー・デーモンより上級種になります。背中にはコウモリを連想させる、巨大な翼が生えており、翼を広げれば5メートルを超えるのです。高レベルのソーサラー魔法を使い、毒のブレスを吐きます。精神魔法、通常武器、毒は効果がありません。
【レッサー・デーモン】
燃えるように赤い肌と瞳を持った下級悪魔。高位の魔術師によって、この世界に召喚されます。その姿はガーゴイルと似ており、背中に生えた翼で空を飛び、爪と尻尾で攻撃してくるのです。また、口からは毒のブレスを吐き、ソーサラー魔法も使えます。精神魔法、通常武器、毒は効果がありません。
TRPG『グランクレストRPG』では、以下のとおりです。
【レッサーデーモン】
魔族の中でも、知能の低い下級のもので、召喚魔法で呼び出されることもしばしばあります。
【デーモンメイジ】
漆黒の表皮、ねじくれた角、2メートルを超える体を持つディアボロス界の住人、デーモン。高い知性と狡猾さを持ち、人を陥れ、破滅させることに喜びを感じます。
【デーモンナイト】
デーモンの中でも、武器による戦闘を得意とするものたち。デーモンロードに仕えている場合もあります。
TRPG『ゴブリンスレイヤーTRPG』では、
【
魔神の軍勢における雑兵、魔神兵です。通常魔神と言えば、この領域以上の存在を指します。
【
まるで石塊の如き様相のデーモンです。その外皮は強靭で、外皮を支える筋骨もまた強靭です。
【
上位の魔神、その腕部だけが顕現したものです。能力は大きく衰えていますが、それでも恐るべき脅威です。
【
長い歳月を戦いに捧げ、ついにその身へ魔力の紋章を宿した上位の魔神です。中には魔神将として知られる者もいます。誇り高き歴戦の戦士で、強者には一定の敬意を払うようです。
【
上位の魔神兵です。青黒い外皮に巨大な翼、牙や爪を持った姿が一般的です。強大な魔力と肉体を持っており、その圧力を前に常人では姿を見ることすら耐えられません。
【
上位魔神の中でも一握りの、さらに上の領域に至った魔神の将軍です。個体名を一般に認識されているのは、このクラスの魔神からになります。
最後に
今回は「デーモン」についてまとめました。
デーモンは破壊衝動の具現化のような存在であり、デヴィルと異なり実力至上主義の種族です。
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