751.事典篇:妖魔:インプ

 今回は「インプ」についてまとめました。

「妖魔」として有名ですが、『D&D』では下級のデヴィルに位置づけられています。





事典【妖魔:インプ】


 今回は「インプ」についてです。

『SW』『ロードス島』では「妖魔」の扱いですが、『D&D』では「悪魔(デヴィル)」の最下位種族の扱いとなっています。

 インプは一般的な「剣と魔法のファンタジー」によく登場しますので、特定の著作権者はいないようです。あなたの小説に登場させられます。




インプ

 インプは悪魔の一種です。

 体長は10cm程で大きくても人間の子供くらい。全身が黒く、充血した目をしており、ピンと尖った耳に、ぽっこりした腹をし、鉤のある長い尻尾を持った姿をしています。

 インプは挿し木など枝を意味し、種から育ったわけでもなく果実を実らせることから、魔術的な意味があると言われていました。当初は、妖精に分類されていましたが、16世紀頃になると、学者たちによって悪魔に分類されその後、頭髪がなくなり、角や蝙蝠のような翼が加えられたのです。



 TRPG『Dungeons & Dragons』第五版では、「デヴィル」の一形態であり、インプは下方次元界のあらゆる場所にいて、地獄の主君のために使い走りをしたり、競争相手を密かに見張ったり、定命の者たちを誤った道に引きずり込んだり不意討ちしたりしています。インプは、邪悪でさえあればどんな主人にも誇らしく仕えますが、速さや正確さを要する仕事をインプに任せてはなりません。

 インプは何種類もの動物の姿に化けられますが、本来の姿は赤肌の小さな人型で、棘付きの尻尾、小さな角、皮膜の翼を備えています。攻撃の際にはまず不可視になり、毒針を突き刺すのです。

 インプが定命の呪文の使い手に助言者、密偵、あるいは使い魔として仕えていることがあります。インプは己の主人が悪事を働くようそそのかします。最終的に定命の魂を手に入れることができたなら大手柄だからです。主持ちのインプは不自然なほど主人に忠節を尽くし、主が危険に晒された場合はらしからぬ奮戦を見せます。

 他のクリーチャーに使い魔として仕えることができ、主人が望むなら魔法的なテレパシーの接続を作れるのです。この接続がある間、両者の距離が1マイル以下ならこのインプが知覚したものを主人も知覚できます。また、このインプが主人から10フィート以内にいる間、主人もインプの「魔法抵抗」の特徴を得るのです。主人が契約に違反したなら、このインプは使い魔としての奉仕を終了でき、そうすれば同時にテレパシー接続も終了します。

 魔法の暗闇はインプの視界を阻害しません。

 一回のアクションでラット、レイヴン、スパイダーのいずれかに似た野獣の形態に姿を変えるか、真の形態に戻れます。形態が変わってもゲーム的データに変化はありませんが、前記の移動速度の変化は例外です。変身の際、インプが着用または運搬している装備品は変化しません。インプは死ぬと本来の形態に戻ります。



 TRPG『PATHFINDER RPG BESTIATY』では、地獄界ヘルの底から直接生まれ出でたインプは真のデヴィルの中では最下級の者です。しかし、この有害で人の心を巧みに操るフィーンドは、定命の者の魂を堕落させるうえで重要な役割を果たしています。悪魔の軍隊の隊列と義務から解き放たれたインプは、物質界に行く機会があればいつでも大喜びで捉え、定命の者を大いに堕落させるような行ないへと巧妙に導くのです。術者に使い魔として喜んで仕え、忠実な従者の役割を演じながら、主人にしばしば狡猾な助言と地獄の識見を与えます。しかしながら、実際にはインプは魂をヘルに送るために働いており、その主人の魂が――可能な限り多くの関係者の魂と共に――死後ヘルへ堕ちるよう計らっているのです。

 インプの外見は非常に多様で、獣のような特徴を持つ者からグロテスクな者までさまざまです。しかしほとんどは赤い肌で有翼の、丸みを帯びた人型をしています。このような典型的なインプは身の丈はわずか2フィート(約60センチ)、翼長3フィート(約90センチ)、体重10ポンド(約4.5kg)。

 インプの千体のうち一体は50フィート以内にいるクリーチャーとテレパシーで交信する能力と、ビースト・シェイプII呪文と同様に小型または超小型サイズのあらゆる動物に姿を変える能力を有します。このようなインプの領事は強大なデヴィルに重用され、自らのお気に入りの部下に仕えさせるためか、あるいは大いなる運命を担う定命の者を堕落させるために送り出されるのです。インプの領事は8レベル以上の術者なら「上級使い魔」特技で召喚できます。悪魔学者たちは同様に特殊な能力を持つインプの品種のことを語りますが、そのようなクリーチャーが仮に実在するとしても、ひじょうに稀です。

 ほとんどのデヴィルと違い、インプはしばしば物質界で単独で自由行動をします。とくに使い魔として召喚され、主人が死んだ(間接的にインプ自身の陰謀によることも多い)場合には、主の秘術の絆から解き放たれながら故郷に帰る術のないインプは、自身が危険な害悪と化したり、ゴブリンやコボルドのような野蛮な人型生物の小部族の指導者になることもあるのです。



 TRPG『Tunnels & Trolls』完全版『MONSTERS! MONSTERS!』では、インプはとがった尻尾と、コウモリの羽を持つ小さな悪魔です。インプは魔法の能力を持っていることもあります。そのときには、人間の使う魔法、デーモンの使う魔法、グレムリンの使う魔法のいずれかも使えます。こずるい性質で相手をペテンにかけることなどは、当たり前で、悪くもなんともない行為だと思っています。

 インプは邪悪な魔術師などの使い魔になっていることもあります。



 TRPG『ソード・ワールドRPG』完全版では、インプは褐色から暗褐色の肌をした小型の妖魔で、体毛はなく、尻尾が生えています。その先端は槍の穂先のように鋭く尖っていて、インプはこの尻尾を使って攻撃してきます。この尻尾に麻痺性の毒が仕込まれているのです。インプの攻撃によってダメージを受けたものは、

 インプがどこを住処としているのかなど、その生態はよくわかっていません。大きな街で見かけられることもあれば、郊外の廃屋などに住んでいることもあります。また1レベルの暗黒魔法を使うこともあり、邪悪なソーサラー(多くはダークプリースト技能も持つ)の使い魔となっていることもあります。

 インプはガーゴイルやそのモデルであるザルバードにひじょうによく似た外観をしています。そのため、賢者の中にはインプは妖魔ではなく、本来異界の生物であったのではないかと主張する者もいます。

【マーシュマン】

 マーシュマンはウォーターインプとも呼ばれる、沼地に棲息する妖魔です。体は緑色の皮膚に覆われ、背中は硬質化し、甲羅状になっています。人間並みの高い知性を持ち、初歩的な社会生活も営んでいます。

 他種族に対しては排他的で、自分たちの生息域に入ってきたものには、攻撃的な反応をとります。水の精霊ウンディーネ系の精霊魔法を使います。

 火や熱には弱く、炎系の魔法でマーシュマンを攻撃するときは追加ダメージを与えられます。加えて、彼らは乾燥に弱く、住処である沼地から離れることはほとんどできません。



 TRPG『ロードス島戦記RPG』では、頭部に小さな角、背からコウモリのような翼、槍の穂先のような先端を持った、褐色から暗褐色の肌の、悪魔のような姿をしています。暗黒司祭や暗黒魔法を使うモンスターの手下として現れることが多く、その生態は詳しくわかっていません。



 TRPG『クリスタニアRPG』では、暗褐色の肌をした小型の妖魔。先端のとがった尻尾が特徴。廃墟などに住んでいて、ダークプリーストの使い魔になることもあります。また、ダークプリースト魔法を使えます。尻尾には麻痺毒(効果は1時間)があるのです。



 TRPG『グランクレストRPG』では、子鬼とも言われる、最下級の魔族。



 TRPG『ゴブリンスレイヤーTRPG』では、小悪魔インプは、小鬼より小さな、痩せこけた餓鬼のような小悪魔です。この程度ならまだ魔神とも呼べませんが、悪賢いため注意が必要です。





最後に

 今回は「インプ」についてまとめました。

 インプは悪魔の最下位種族です。体躯と力量が脅威的ではないため「妖魔」と分類されることもあります。

 悪魔としての位置付けは『D&D』が詳しいので、そちらに従いましょう。



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