748.事典篇:精霊:ウンディーネ、シルフ、スプライト

 今回は「ウンディーネ」「シルフ」「スプライト」についてまとめました。

 ウンディーネは水の精霊、シルフは風の精霊です。

 スプライトについては風の精霊とも水の精霊ともされていて定かではありません。





事典【精霊:ウンディーネ、シルフ、スプライト】


ウンディーネ

 ウンディーネは「波の乙女」「波の娘」の意で、別名ニンフ。基本的に人間と変わらない容姿であるとされ、人間と結婚して子をなしたという伝説もあります。しかし魂がなく、人間の愛を得てようやく人間と同じく不滅の魂を得るとされるのです。しかし水の近くで男に罵倒されれば水中に帰らねばならず、夫が別の女性に愛を抱くと夫を必ず殺さねばならないなど、その恋には制約が多い。



 TRPG『Dungeons & Dragons』第五版では「ウェーター・エレメンタル」として扱います。



 TRPG『PATHFINDER RPG BESTIATY』では、多くの者がニンフの美を求めてむなしく命を失っています。ニンフと友誼を交わす準備のできていないさらに多くの者たちは、ニンフの優美さに身も心も捕らわれ、狂気と妄執に陥るのです。とはいえ、ニンフ自身は欠して残虐なクリーチャーではありません。ニンフは自然界で最も清らかな場所と美しい領域の護り手であり、彼女と彼女の住む場所に敬意を払う者なら誰であれ親切に扱います。彼女の好意を得たものに、魔法の品の贈り物を与えることもあるのです。しかし、彼女や彼女の土地を悪用したり、害をなそうとするものは、彼女がその美しさとは裏腹に、そこを守るに足る力をはるかに超えた恐ろしい守護者であることを、直ちに思い知ることになります。



 TRPG『ソード・ワールドRPG』完全版では、精霊カテゴリです。

 ウンディーネは水の精霊です。その体はちょうど10リットルくらいの液体です。小さな少女の姿をとることが多いのですが、重さと体積が変わらない範囲ならば、いかなる形をとることもできます。ウンディーネは直接攻撃手段を持っていません。相手に張り付き、不快感を与えられますし、顔を包み込んでしばらく苦しい思いをさせられますが、相手に抵抗の意思があれば、簡単に逃れることができます。ですが、その存在に気がつかずにこの妖精のいる泉や川で水浴びをしたり、泳いだりしたものがいた場合、狂ったウンディーネは相手を溺死させようと「シンク」の呪文をかけて浮力を奪ったり、相手の肺の中に直接入り込もうと、あらゆる手段を講じてきます。

 ウンディーネは自らの精神点を消費することなく、ウンディーネの力を源とする魔法を行使することができます(呪文の拡大は行ないません)。

 ウンディーネの本体を少しでも飲めば、この水の精霊は目標の肺に入り込んできます。しかしこの場合、息を止めることは当然できます。息を止めている限り、水を飲む心配はありません。しかし、ウンディーネの最初の攻撃は必ず不意打ちになります。犠牲者は一度飲み込んだウンディーネを吐き出そうと試みられます。ウンディーネを飲み込んでいる間はその他の行動をとれません。また、水中にいる間は、ウンディーネを吐き出せません。

 息を止めておけるラウンド、あるいはウンディーネを飲み込んだまま耐えられるラウンドは自分の生命力と同じだけのラウンドです。

 ウンディーネは自分の住んでいる場所から離れませんので、水の中から脱出しさえすれば脅威ではありません。もちろん空気を呼吸しないもの(魚、アンデッドなど)にはこの攻撃は意味をなしません。「ウォーター・ブリージング」をかけているキャラクターも同様です。

 ウンディーネを傷つけるためには他のほとんどの精霊と同様、魔力を帯びた武器か銀の武器が必要です。



 TRPG『ロードス島戦記RPG』では、ウンディーネは水の精霊で、水でできた半透明の身体をした小さな少女の姿をしています。水でダメージを受けません。



 TRPG『クリスタニアRPG』では澄んだ泉や海などに宿る水の精霊。普段は透き通った女性の姿をしていますが、形を変えられます。水中を自由に移動しシンクの魔法を唱えて、溺れさせようとすることもあるのです。精神魔法や毒、通常武器では傷つきません。



 TRPG『ログ・ホライズンTRPG』では、水の精霊ウンディーネは湖や泉に棲む水の精霊。耳にヒレ状の器官を備えたエルフ女性の姿をしています。水を操る魔法に長けており、彼女らの機嫌を損ねると、水鉄砲から津波まで、さまざまな手段でお仕置きを受ける羽目になのです。召喚術師の従者として呼び出されることも多く、『大災害』後、一部の冒険者は彼女らに好みの服装をさせて楽しんでいるといいます。





シルフ

 シルフは「風の妖精」の意。女性形で「シルフィード」とも呼ばれます。伝承では明確な性別を持たず中性的な容姿で描かれることが多い。ウンディーネと同様、魂がなく、人間の愛を得てようやく人間と同じく不滅の魂を得ます。ただしその姿は普通の人間の目には見えません。文学における風の精霊としては「エアリアル」のほうが有名です。



 TRPG『Dungeons & Dragons』第五版では「エア・エレメンタル」として扱います。



 TRPG『ソード・ワールドRPG』完全版では、精霊カテゴリです。

 シルフは風の精霊です。全裸のエルフ女性の姿で現れます。青白い彼女らの上半身は半透明で、腰から下は完全に透明で何も見えません。シルフは通常の攻撃手段を持ちませんが、目標に絡みつくことで、強力な「かまいたち」を引き起こします。この攻撃は回避できません。また、シルフは風の力を源とする精霊魔法を使います。ただし、かまいたち攻撃や精霊魔法を使用しても精神点は消費しません。シルフを傷つけるためには、魔力を帯びた武器か銀の武器が必要です。



 TRPG『ロードス島戦記RPG』では、シルフは風の精霊で、青白く半透明な小さな裸のエルフ女性といった姿をしており、下半身は空気に溶け込んで見えません。「シュート・アロー」はシルフのそばに弾丸があるか、弾丸を持った召喚主がいなければ、使用できません(シルフは弾丸を持って移動できません)。



 TRPG『クリスタニアRPG』では、風に宿る精霊。透き通った、エルフ女性の姿をして現れますが、腰から下は透明で見えません。戦いになると、ウインドスラッシュで攻撃してきます。精神魔法や毒、通常武器による攻撃はまったく効果がありません。





スプライト

 西洋の伝説などに登場したり、現代でも存在が語られることがある、不思議な小さな生き物。妖精の一種とされるので、日本語ではしばしば「妖精」と訳されます。

 また、風の精霊とされシルフと同一視されたり、水の妖精とされることもあるのです。



 TRPG『Dungeons & Dragons』第五版では、秘密の木立で、陰の谷間で、小さな妖精たちがトンボといっしょに羽ばたき飛び交います。スプライトはフェイの優美さこそ備えていますが、暖かさや思いやりは備えていません。彼らは攻撃的で壮健な戦士であり、よそ者を自分たちの家に近づけさせぬためなら無慈悲な手段も辞さないのです。近づきすぎた侵入者に対しては、まず性根の良し悪しを見定めた後、眠らせるか脅して追い払います。

 スプライトの小さな村は、木の枝に、親切なトリエントの枝に、あるいは苔と野の花とキノコに彩られた緑の空き地にあります。この野生の栄える土地に、いかなる闖入者ちんしゅうしゃも許されません。侵入者に気づいたスプライトは、茂みの中で不気味なカサカサという音を鳴らしたり、遠くの枝をパチンと鳴らしたりして、侵入者を見当違いの方向へ進ませようとします。愚かにもスプライトの領地に入ろうとし続けた者は毒矢で射られ、意識を失って眠り込んでしまうのです。相手が眠りこけている間にスプライトたちはまんまその場を離れ森の中のより人目につかない場所へと去っていきます。

 スプライトは相手の心臓が鼓動する音とリズムを聞くだけで、相手の善悪を知れます。相手のこれまでの行動を秤にかけることで、相手の心臓が恋の早鐘を打っているのか、悲しみに沈んでいるのか、憎しみや欲望で黒ずんでいるのかを判別できるのです。心は嘘をつけないので、心を覗き込むスプライトの力は常に真実を見抜きます。

 スプライトの縄張りである森の中で、彼らは毒や軟膏や解毒剤を作っており、その中には彼らが矢に塗る眠りの毒も含まれます。彼らは稀少な花や苔やキノコを採取するために森の奥深くまで立ち入り、時には危険な土地を横切るのです。他にどうしようもない場合、毒の材料をハグの庭から盗んでくることさえあります。

 スプライトは心を見定める力を持ち、善良なクリーチャーを好むため、常に邪悪なフェイの意に逆らい、邪悪なアーチフェイ(大妖精)の意を挫こうとするのです。森から邪悪なフェイ・クリーチャーやゴブリン類の脅威を取り除こうとする冒険者たちがスプライトと出会ったなら、そのスプライトは必ず手を貸すと約束し、冒険者たちが予想もしない局面で援軍として駆けつけるでしょう。

 スプライトはピクシーと異なり、浮ついたどんちゃん騒ぎを楽しむことはめったにありません。彼らは志操堅固の戦士であり、護り手であり、裁判官です。クソがつくほど真面目なので、他のフェイからは真面目くさかったしかめ面の奴らと思われています。ですが、スプライトの領地に敬意を払うフェイは、苦難のときに頼もしい味方を得られます。



 TRPG『ADVANCED FIGHTING FANTASY』第2版『モンスター事典――奈落の底から――』では、スプライトは小さな森の生き物で、エルヴィンやピクシーと関係があると考えられている(ときには誤って森ピクシーと呼ばれることもある)。身長40センチほどに成長し、たいていは緑化茶色の服を着ています。最大の特徴は、その繊細でごく薄い翼だ。肩から生えた翼は広げると差し渡し50センチほどになります。飛行を得意とし、故郷の森の木々の間を軽やかに飛び回っているのです。平和を好み、大きな生き物に対してはどちらかと言えば避けようとします。人間が近づくと、普通は隠れようとするでしょう。彼らが信頼する唯一の大きな生き物は、自分たちを傷つけないとわかっているエルフだけです。

 脅されたり、あるいは妙に勇敢でいたずらっぽい気分になったときには、魔力を自由に使いこなします。呪文をいくつか知っており、その中には目標をしばらくの間眠らせる〈眠気ドラウジネス〉が含まれているのです。また、偽の宝物を見せたり、他人の顔に突然伝染性の腫れ物を作ったりするような幻覚魔法もさまざまに使います。こうした魔法は実害はないものの、スプライトがその場から逃げ出したり、強力な助っ人を呼んだりするための時間稼ぎになるのです。

【ファイア・スプライト】

 ファイア・スプライトはデヴリンに似た小さな精霊で、通常は火の精霊界で見られます。強力な魔法によって地上界に召喚でき、召喚者のために戦ってくれるのです。この世界にいる間、ファイア・スプライトは全身が炎で構成された小さな人型に近い姿をとります。敵を焼くことで攻撃し、触れると高温のダメージを与えるのです。

 燃えるものはなんでも、接触によって炎が燃え上がります。水をかけても彼らを強大にするらしく、消すよりむしろ油を注いでしまうのです。分厚い衣服や布で空気を遮断し、窒息させると消えてしまいすぐに元いた精霊界に戻ります。ファイア・スプライトは地上界に住む小さなスプライトとは無関係です。



 TRPG『ソード・ワールドRPG』完全版では、スプライトは恥ずかしさという感情(精神の働き)を司る精霊とされます。狂えるスプライトは透明のままその牙で周囲にいる生物に襲いかかります。透明であるために、その姿は特定できませんが、レプラコーンなどと似ているとされています。狂えるスプライトに対して攻撃するときはマイナスの修正が課せられます。また狂えるスプライトを狙って魔法をかけることはできません。

 狂えるスプライトは他者も透明にする能力があります。狂えるスプライトがこの攻撃を行なった場合、目標となったものは透明になってしまいます。透明になったもの自身もまた、自らを見ることができません。このため、あらゆる肉体を使った行為の判定にマイナスの修正を課せられます。この透明は「ディスペル・マジック」などを用いるか、狂えるスプライトを倒さなければ解除できません。

 スプライトを傷つけるためには、銀か魔法の武器でなければなりません。



 TRPG『ログ・ホライズンTRPG』では、小さな妖精スプライトは墓地や古戦場などに浮遊する風の精霊。白く輝く蟹に似た姿をとり、外敵には鋏から放つ真空の刃で応戦します。基本的には穏やかな性質の精霊であり、通常は、植物の紅葉を引き起こすなど、人に害のないささやかな現象を司るのです。彼らの引き起こす風は死者の魂と魄を導くとされ、『大災害』後は戦場での目撃例が増加しています。





最後に

 今回は「ウンディーネ、シルフ、スプライト」についてまとめました。

 シルフとスプライトはまとめて「風の精霊」と呼ばれることもあります。

 明確には異なりますので、差異を認識してあなたの「剣と魔法のファンタジー」に取り入れましょう。



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