746.事典篇:精霊:エレメンタル

 今回は「エレメンタル」についてまとめました。

 一般的な精霊であり、とくに四大精霊は次回以降にまとめてあります。

 なお四大精霊のうちノームはすでに取り上げていますので省いています。





事典【精霊:エレメンタル】


エレメンタル

 四大精霊は地・水・風・火の四大元素の中に住まう目に見えない自然の生きもの、あるいは四大元素のそれぞれを司る四種の霊です。

 エーテルのみで構成された身体を有する擬人的な自然霊で、錬金術師パラケルススの論じるところでは、霊でも人間でもなく、そのどちらにも似た生きた存在とされます。

 火の精サラマンダー、水の精ウンディーネ、風の精シルフ、地の精ノームに分けられるのですが、ノームはすでに投稿してありますので、そちらを参考にしてくださいませ。サラマンダー、ウンディーネ、シルフは次回以降に掲載します。



 TRPG『Dungeons & Dragons』第五版では、エレメンタル(元素精霊)は宇宙を構成する地水火風の元素が具現化したものです。それぞれの本来の次元界においてはエネルギーが自律行動能力を得たものにすぎませんが、呪文の使い手や力ある存在によって呼び出され、形をとり、言いつけられた仕事をします。

 故郷の次元界では、エレメンタルは肉体を持たぬ生命力というべきものです。そのおぼろげな意識が物理的な形をとるのは、魔法の力によって焦点を与えられたときだけ。元素の力でできた荒々しい精霊には、本来の次元界の元素の中を流れてゆく以外の考えはありません。物質界の野獣と同じく、これらの元素の霊にも社会や文化はなく、自分が存在しているという感覚すら乏しいのです。

 一部の呪文や魔法のアイテムは、エレメンタルを召喚することが——エレメンタルを内方次元界から物質界へ召喚できます。エレメンタルは出身次元界から引きはがされ奉仕させられることを本能で嫌うのです。それゆえ、エレメンタルを召喚した者は、エレメンタルを制御するだけの意志力をもっていなければなりません。

 強力な魔法をもってすれば、元素の霊を物質的な鋳型にはめ、特定の用途や機能を与えることもできます。インヴィジブル・ストーカーはエア・エレメンタルが特定の形態に縛られたものです。同時にウォーター・エレメンタルの形を変えてウォーター・ウィアードを生み出すこともできます。

 縛りつけられた形態の中でエレメンタルがどれほどうまく機能するかは、魔法の強さとエレメンタルを縛りつける物質の強さによって決まるのです。たとえばゴーレムは元素の霊が物質的形態に縛りつけられたものですが、肉や粘土のような弱い物質では元素の力を充分に縛れません。石や鉄のようなじょうぶな物質には強い魔法が要るぶん、その強い魔法でエレメンタルをしっかり縛りつけておけます。

 エレメンタルは空気、飲食物、睡眠を必要としません。

【ファイアー・エレメンタル】

 この燃えさかり揺れ動く炎の中心には、なにやら人型をした芯のようなものが通っています。ファイアー・エレメンタル(火の元素精霊)は気まぐれな破壊の力です。それが動くと、周りのものはなにもかも火がついて燃えあがります。あとには灰と煙と消し炭しか残りません。このエレメンタルに触れると火ダメージを受けるのです。ただ、水に会うとこの破壊の進撃も止まり、ファイアー・エレメンタルは痛みと怒りにしゅうしゅうと音を立てもくもくと煙をあげ、たじろいで後じさりします。

【エア・エレメンタル】

 エア・エレメンタル(風の元素精霊)の姿は、じょうごのように上のほうが広がった空気の渦で、なにやら顔のように見える部分もあります。地表すれすれを飛んで塵とがれきを舞い上げるのを好みますが、その気になれば高く飛んで上空から襲いかかることもできるのです。

 またひょうひょうと甲高い音を立てる竜巻に姿を変え、暴風で他のクリーチャーを打ちすえ吹き飛ばせます。

【アース・エレメンタル】

 アース・エレメンタル(地の元素精霊)が足取り重く進むさまは、まるで丘が歩いているかのよう、両脇で振っているごつごつした石の腕は棍棒のようです。泥と石でできた頭や胴体のそこかしこに、金属や宝石や明るい色の鉱物の塊がはまっています。

 アース・エレメンタルは、まるで液体の中を進むように、岩と土の中を進むことができるのです。地面を離れられないクリーチャーにとってアース・エレメンタルは恐るべき相手になります。なにしろこのエレメンタルは、近くのしっかりした実体を持つ地面に立っている敵全員の位置を正確に把握できるのですから。

【ウォーター・エレメンタル】

 ウォーター・エレメンタル(水の元素精霊)の姿は逆巻く大波が地面を進むようです。水の中を進むときには、ほとんど目に見えなくなります。このエレメンタルの前に立ちふさがる者はみな水中に飲み込まれ、口も肺も水でいっぱいになってしまうのです。実にこのエレメンタルは火を消すのと同じほどやすやすと生き物を溺れさせます。このエレメンタルが同時につかんでいられるクリーチャーは大型なら1体、中型以下なら2体までです。またこのエレメンタルの外から飲み込まれている者を引きずり出すこともできます。

 冷気ダメージを受けると体が部分的に氷結し、移動速度が鈍ります。



 TRPG『PATHFINDER RPG BESTIATY』でも『D&D』同様四種類の元素精霊がいます。

【エア・エレメンタル】

 エア・エレメンタルは生きている空気でできた、素早い飛行クリーチャーです。原始的で縄張り意識の強いエア・エレメンタルは、風の元素界の無限に続く空を舞い、風を切って過ごすことをずっと好んでおり、定命の者に招来されたり指図に従うことに怒りを覚えています。

 同等の大きさを持つエア・エレメンタルは皆同じデータを有しますが、エア・エレメンタルの外見は個体間で大きな違いがあるのです。自律行動する渦巻く風と煙のよう者もいれば、輝く目を持ち風を翼とする煙で出来た鳥のような者もいます。

 エア・エレメンタルは飛行している目標か、そうでなくとも空中にいる目標を攻撃するのを好みますが、それは飛行する者に対して風の体得でわずかながらも優位を得られるからというだけでなく、地面に触れるというのが嫌でたまらないからです。エア・エレメンタルは水中でも移動でき、しかも〈エレメンタル〉の副種別を持つため溺れませんが、〈水泳〉の技能ランクは有しておらず、水中では移動速度と機動力が大幅に失われてしまいます。

【アース・エレメンタル】

 アース・エレメンタルは動きこそ遅いが、生きている石や土で出来た頑強なクリーチャーです。身動きせずにいるとき、山と積まれた石か小高い丘のように見えます。

 アース・エレメンタルが重々しく動き出すとき、その外見はさまざまですが、同じ大きさのエレメンタルはみな同じデータです。たいていのアース・エレメンタルは目を輝く宝石とする、岩や土、あるいは水晶でできた陸生の動物のように見えます。身体の大きなアース・エレメンタルでは石で出来た人型であることも多い。アース・エレメンタルの体を構成する土くれから植物がわずかに芽吹いていることも多い。

【ファイアー・エレメンタル】

 ファイアー・エレメンタルは生きている炎で出来た、素早く残忍なクリーチャーです。ファイアー・エレメンタルは自分よりもか弱い存在を恐慌に陥らせ、着火攻撃を喰らわせられるあらゆるクリーチャーを怯えさせることに愉悦を覚えます。

 ファイアー・エレメンタルは水やその他の不燃性の液体の中には入ることはできません。上をまたぎ越したり飛び越えたりできるか、その水が(油の層などの)可燃性の物質で覆われていない限り、水場はファイアー・エレメンタルにとって通り抜けることのできない障害物になります。

 ファイアー・エレメンタルの外見はさまざまです。通常は煙と炎で出来たとぐろ巻く蛇のような姿で顕現しますが、中には飛び出した際に与える恐怖をより高めようと、人間やデーモン、その他のモンスターにより似た姿をとる者もいます。ファイアー・エレメンタルの目鼻立ちは、炎の一部が周囲より暗くなっていたり、半ば静止している煙や灰、燃えさしの模様で描かれているのです。

【ウォーター・エレメンタル】

 ウォーター・エレメンタルは生きている淡水や海水で出来た、忍耐強く無慈悲なクリーチャーです。優位を得るために水中に隠れたり、相手を水の中に引きずり込むのを好みます。

 他のエレメンタルと同様に、すべてのウォーター・エレメンタルはそれぞれ異なった姿をしています。たいていはなんとなく人型生物のような顔があり、両脇に小さめの波の“腕”が付いた、波のような姿をとるのです。それ以外の一般的な姿として、シャークやオクトパスなどの水棲クリーチャーのような姿もとりますが、その場合も全体が水で出来ています。



 TRPG『ADVANCED FIGHTING FANTASY』第2版『モンスター事典――奈落の底から――』では、エレメンタルは四大元素である地水火風が、それぞれ凝集して形作られた魔法の秘儀による存在です。普通は精霊界に住みますが、強力な魔術師に仕えるために地上界に召喚されることがあります。実際には、この世界の深海や火山の中心といった元素が集中する場所に住むエレメンタルもいるのです。

 エレメンタルの召喚は、著しく危険で骨の折れる行為であり、これを試みるのは普通、最も力のある魔術師のみです。エレメンタルは召喚されることを嫌うので、召喚者が精神を集中して制御しなければ、襲いかかってくるかもしれません。五芒星やチョークで書いた魔法円などの防御装置も、この猛り狂う純粋なエネルギーの塊を長く押さえつけることはできないでしょう。

 とくに用心深い魔術師には、部分的な召喚呪文を作り出した者もいます。手の込んだ巻物やルーンには、エレメンタル召喚の儀式が完了の一歩手前で封じ込まれており、魔法の合言葉ひとつでエレメンタルを地上界に呼び出せるのです。こうして召喚されたエレメンタルは、その言葉をもう一度唱えることで送り返せる場合もあります。しかし、これがいつでも有効な方法ではないことは、魔術師が身をもって証明することになるでしょう。

【アース・エレメンタル】

 アース・エレメンタルはあらゆるエレメンタルの中で最強にして最も邪悪な種です。彼らを呼び出して操るのはとても難しいため、地上界で魔術師に仕えているところはほとんど見られません。出会うのはもっぱら深い地底か山の中の岩がちな頂だ。ずんぐりした岩で出来た人型に見え、体を覆う肌も岩です。はるか昔、とてつもない熟練の魔術師がアース・エレメンタルを何体か、巨大な岩塊に封じて地震や地滑りを止め、地方一帯で起こる大惨事を食い止めることに成功したと伝えられています。

 アース・エレメンタルを解き放つのはひじょうに愚かな行為です。これと戦おうとするのは、なお愚かな選択です。実質勝つこととは不可能なのですから。彼らのとてつもない強さは伝説に残るもので殴打ダメージを与えます。さらに悪いことに、この怪物には魔法の武器でしかダメージを与えられず、そのうえ頑丈な皮膚があらゆるダメージを1点だけ抑えてしまう。アース・エレメンタルが殺されたなら、その魂は故郷の世界に帰っていき、二度と召喚されることはありません。

【ウォーター・エレメンタル】

 ウォーター・エレメンタルとは、海でしか出遭うことはありません。この種の存在がすべてそうであるように、住んでいる環境から離れては生き残れない。彼らは人間と小船にとって同じくらい危険です。ウォーター・エレメンタルは地上界にはめったに召喚されず、結果としてほとんど出会うこともありません。ただ、地上の海洋に住むウォーター・エレメンタルはおり、渦巻きと台風の中心に人型をとって現れます。液体としての性質を持つため、武器ではまったくダメージを受けません――刃も飛び道具も完全に通り抜けます。彼らは破壊をもたらす存在ですが、小船を破壊してその乗組員を大渦に巻き込み、溺れるままにしておくのを好むのです。伝説によると、ある幸運な冒険者はウォーター・エレメンタルを“無限の容量を持つ魔法の鞄”に封じ込めることに成功したといいのす。もしその話が本当なら、彼は生きている者の中で最も幸運であるに違いありません。

【エア・エレメンタル】

 怒ったエア・エレメンタルの力は、宮殿の屋根を引き裂き、村を丸ごとぺちゃんこにし、人間を数メートルも持ち上げて空中に放り出すことができます。召喚されたなら、エア・エレメンタルは高速で回転しながら踊る、つむじ風のような存在として現れるのです。周囲の空気は唸りをあげて岩や石、その他の小さな物を吸い込んでは空中に吐き出します。

 他のエレメンタルと同様に、彼らは魔法のかかった武器しか効果がありません。怒れるエア・エレメンタルの前で立とうとするだけでも、かなりの力を必要とするでしょう。

 エア・エレメンタルはひじょうに強力で、めったに殺されません。さらに悪いことに、彼らが死んだときは魂がただ故郷の世界に戻り、癒やされて回復します。ただし、送り返されたエア・エレメンタルは66日の間ふたたび召喚することは不可能です。

【ファイア・エレメンタル】

 ファイア・エレメンタルはこの種のエレメンタルの中で最もありふれています。彼らは4種の中では最も小さくて弱く、召喚や操作をより容易に行なえるのです。ファイア・エレメンタルは普通ぼんやりと人間の形に見え、男性と同程度の身長で、純粋に炎で構成されています。彼らは他のエレメンタルに比べてはるかに賢く、地上で知識を蓄えることができるため、召喚されることを好むのです。

 この存在も、魔法の武器でないと攻撃できません。彼らの炎の熱はほとんどの物を、金属であっても溶かしてしまいます。そのため、戦いは著しく難しくなるでしょう。ファイア・エレメンタルへの攻撃を2回成功させた武器は、魔法の武器であっても壊れてしまうのです。彼らはあまりにも熱いため、かけられた水は即座に蒸発します。怒ったファイア・エレメンタルに直面したときは、この怪物を故郷に追い払うための合言葉を知っているか否かが重要になります。送り返した場合、40日間は再召喚できません。



 TRPG『Tunnels & Trolls』完全版『MONSTERS! MONSTERS!』では、物質の基本的な姿――土、空気、火、水――の精霊です。エレメンタルは自分の元素を操り、対立するものによって中和します――土対空気、火対水が対立する元素です。エレメンタルは姿を変えることができ、人型、あるいは人間に近い姿のときは傷つけられます。必ずしも邪悪というわけではありません。

 万物は「地・水・火・風」の四大元素エレメンタルからなるという説がありました。エレメンタル(精霊)はその考えのもとに、これらの4元素の力を具現化した姿として発生した存在です。

 エレメンタルの共通の特徴として、次のようなものがあります。

 エレメンタルは自分が代表する力をコントロールできます。ですから、ファイア・エレメンタルに「炎の嵐」をぶつけてもダメージを与えられないばかりか、炎が跳ね返ってきて、かけた魔術師にダメージを与えることになります。

 エレメンタルは基本的に武器では傷つけられません。泥の塊、流れる水、炎、風、このようなものは剣では切れないのと同じことです。

 同様に、毒などはエレメンタルになんらの効果も与えません。

 エレメンタルは自由にその姿を変えられます。人間型に変わることも多いのですが、そのときにもエレメンタルの特徴が現れます。アース・エレメンタルはなんとなく泥臭いようですし、ファイア・エレメンタルは全身に炎をまとっているような見え方をします。アース・エレメンタルはドワーフと同じように見えますし、ウォーター・エレメンタルは人魚のようにも見えます。人間型をとっているときは、エレメンタルは武器で傷つけられます。

 地と風、火と水は対抗するエレメンタルです。対抗するエレメンタルとぶつかった場合、双方は消滅します。

 特殊なエレメンタルとしてアイス・エレメンタルもいます。万物が4つの元素によって作られているなどということはないのですから、このようにGMは好きなようにエレメンタルの種類を増やしてもかまいません。光、闇、電気……いくらでも考えつくはずです。

【アース・エレメンタル(コボルド)】

 コボルドは「地」を代表するエレメンタルでもあります。

【アイス・エレメンタル】

 アイス・エレメンタルは「氷と冷気」を代表するエレメンタルです。アイス・エレメンタルがキャラクターを完全に不意打ちできる状況にあった場合、アイス・エレメンタルは相手を氷漬けにできます。

 アイス・エレメンタルに対してはファイア・エレメンタルが対抗するエレメンタルになります。

【ウォーター・エレメンタル】

 ウォーター・エレメンタルは「水」を代表するエレメンタルです。

【エア・エレメンタル(シルフ)】

 エア・エレメンタルは「風」を代表するエレメンタルです。人間型のときはエルフに見えなくもありませんが、影が薄いので騙しおおせることは困難です。

【ファイア・エレメンタル(サラマンダー)】

 ファイア・エレメンタルは「炎と情熱」を代表するエレメンタルです。アイス・エレメンタル、ウォーター・エレメンタルの両方が対抗するエレメンタルになります。



 TRPG『ソード・ワールドRPG』完全版では、精霊カテゴリです。

【シェイド】

 シェイドは闇の精霊であり、恐怖を司る精神の精霊でもあります。本体から5メートルの範囲内の自然光はすべて打ち消し、闇に閉ざします。本体は暗黒の球形をしているらしいのですが、闇の中にいるためその姿を特定することはできません。ですから、シェイドに対する攻撃はつねにペナルティーを受けます。シェイド自身の回避点が高いですから、なかなかこちらの攻撃は当たらないでしょう(命中すれば必ず崩壊します)。彼らは視界に入った意思を持つ存在に対して、必ず体当たりで攻撃してきます。その効果はダメージが生命点ではなく精神力に加えられるという点を除けば、ウィル・オー・ウィスプの攻撃とまったく同様です。

 シェイドは前述のウィル・オー・ウィスプと対をなす存在であり、ウィル・オー・ウィスプと接触するとエネルギーを発することなく消滅します。

【ブラウニー】

 ブラウニーは、人が50年以上住んだ古い館に発生する精霊です。館に住む人間がいなくなったり、死んでしまった場合、ブラウニーは狂える精霊と化すことがあります。

 狂えるブラウニーには幻覚を作る能力があります。視覚的な幻覚もあれば、聴覚的な幻覚もあり、幻を見せたり、異様な物音を立ててその存在を知らせます。

 また、わずかながらテレキネシス(念動力)の能力もあり、好まざる侵入者に対しては、館の中にあるものをぶつけて攻撃を行ないます。この攻撃が命中した場合の打撃点は、攻撃に用いたものによってさまざまです。

 狂えるブラウニーにはテレポート(瞬間移動)の能力もあり、館の好きな場所に現れることができます。また、館の内部の様子をあますことなく魔法感覚によって捕らえています。

 しかし、こうした能力は館の中でのみ発揮され、ブラウニーはその館から離れることはできません。

 狂えるブラウニーは、そこに住んでいたものの行動に影響されることが多く、場合によっては住人が去った後その行動を幻覚とテレキネシスによって忠実に再現し続けます。

 ブラウニーは実体を持たず、物理的な攻撃はいっさい効果を持ちません。しかし、精神点を0にされるか、その住んでいる館を破壊されると消滅します。

【サンドマン】

 サンドマンは、眠りを司る精神の精霊です。その姿は、全裸の小さな子供で、性別を現すような特徴はありません。

 狂えるサンドマンは無差別に「スリープ」の呪文を使い、他者を眠らせようとします。「スリープ」をいくら使っても、サンドマンは精神点を消費しません。サンドマンは精神の働きのあるところになら、瞬間的に現れることができ、戦闘となれば瞬間移動しながら行動が行なえます。

 サンドマンを傷つけるには、魔法か、銀の武器が必要です。

【フラウ】

 フラウは氷の精霊で、シルフとよく似た姿をしています。全身は霜に覆われたように真っ白で、下半身にいくにつれ、透明になっていきます。そのため、足はまったく見えません。瞳も真っ白です。フラウたちは雪や氷のある場所にしかその姿を現しません。

「狂った」フラウは、空中を舞いながら冷気を吹きつけて攻撃します。フラウ自身に対して冷気をもとにした魔法はまったく意味がありません。また武器で攻撃するときにも魔法を帯びた武器か、銀の武器でなければダメージを与えられません。

【狂える生命の精霊】

 狂える生命の精霊は、光り輝く白馬の姿をとって現れます。賢者たちは、このことがユニコーンとのつながりを暗示していると考えています。狂える生命の精霊は、肉体的な攻撃は行ないません。しかし、暴走するその力は、周囲の生命に対して大きな影響を与えます。

 狂える生命の精霊は、毎ラウンド、一つの目標に対し、その生命の精霊力を過度に流し込もうとします。その影響を受けたものは、(肉体的な)年齢変化という影響を被ります。老化したり若返ったりするのです。

 狂える生命の精霊を傷つけるには、魔力を帯びた武器か銀の武器でなければなりません。

【バルキリー】

 バルキリーは精神の精霊です。戦う男の勇気を司っています。その姿は白く輝く鎧に身を包んだ人間の女性で、その高貴な姿はすべての男性を魅了するといわれています。しかし、狂ったバルキリーはきわめて残忍で恐ろしい存在です。彼女らは剣の攻撃が届かない上空から「バルキリー・ジャベリン」の呪文をかけて攻撃してくるのです。また、こちらを挑発するように、「ファナティシズム」の呪文をかけてもきます。これらの呪文をかけても、彼女らは精神点を消費しません。バルキリーを傷つけるためには、魔力を帯びた武器か銀の武器が必要です。



 TRPG『ロードス島戦記RPG』では、フォーセリアを大きく三つに分ける「精霊界」「妖精界」「物質界」のうち、「精霊界」で住まう存在が「精霊」です。

 精霊は生き物というよりもエネルギーと呼ぶにふさわしい存在で、同時並行で存在している妖精界や物質界にさまざまな影響を与えています。

 精霊は物質的な存在が希薄であるため、物質界で死亡状態になると即座に精霊界へ還元されます。個人や個体といった概念も薄く、精神性も異なるため精神魔法の効果は精霊に対してほぼ効き目がありません。なお、MP気絶状態になった精霊は、即座に精霊界へ還ります。

 精霊のほとんどが精霊使いに召喚されることで物質界に姿を現し、契約を果たせば精霊界へ還ります。しかし中には狂える精霊として自ら物質界へ姿を現すものもあり、こうした狂える精霊は、死亡状態かMP気絶状態になり精霊界へ戻されるまで、物質界で破壊的な行為を繰り返し続けます。

【シェイド】

 闇の精霊で、周囲を完全な暗闇に閉ざします。触れたものに恐怖を感じさせるともいいます。自身を中心に半径10m以内は「真っ暗闇」になるのです。ウィル・オー・ウィスプの10m以内に近づくと互いに消滅し、古代語魔法「ライト」の範囲内に入ると「ライト」を打ち消しながら消滅します。

【バルキリー】

 戦う男の勇気を司る精霊です。白く輝く鎧に身を包んだ女性の姿をしています。呪文の内容は男性が使用した場合と同様の効果を発揮するのです。



 TRPG『クリスタニアRPG』では、シェイド、フラウ、ヴァルキリーが存在する。

【シェイド】

 闇を司る精霊。恐怖の感情を支配する精霊でもあります。闇を球状にしたような姿をしていて、空中をフワフワと移動するのです。触れると激しい衝撃を受け、精神にダメージを受けます。精神魔法と毒の影響は受け付けません。

【フラウ】

 雪や氷に宿る精霊。真っ白なエルフ女性の姿で現れるが、腰から下は純白の尾を引くように流れています。冷気を吐いたり、抱きついたりして攻撃するのです。精神魔法、毒、通常武器は効果がありませんが、炎による攻撃に弱い。

【ヴァルキリー】

 戦いに臨む勇気を司る精霊。輝ける鎧に身を包んだ、女性の姿で現れます。飛行能力の他に、視界内に瞬間移動する能力を持っています。戦いになれば、光の槍を自由に作り出し武器にするのです。精神魔法や毒、通常武器は効果がありません。



 TRPG『グランクレストRPG』では、

【ヴァルキリー】

 ヴァルハラ界に住まう主神たるオーディンに仕える戦乙女。英雄を選定し、かの者の魂を主神の元に誘うことを使命とします。



 TRPG『ログ・ホライズンTRPG』では、炎の精霊イグニスは燃え盛る炎がエルフの男性のような姿をとった炎の精霊で、火山や温泉地など火に縁の深い土地に棲みます。火を操る魔術に長け、召喚術師の従者として契約できますが、契約の難しさとマスコット的な「火蜥蜴サラマンダー」の人気に押され、従者としての需要は低い。また一部の猛者によって「水の精霊ウンディーネ」のような着せ替えが試みられていますが、衣装の耐火性の問題から難航しているようです。





最後に

 今回は「エレメンタル」についてまとめました。

 有名な四大精霊は次回と次々回に載せていますので、一般的な精霊カテゴリーのもののみを掲載しています。



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