741.事典篇:怪物:クラーケン

 今回は「クラーケン」についてまとめました。

 現在ではダイオウイカがモデルではないかとされていますが、大きなタコやシードラゴンなどが「クラーケン」と呼ばれたこともあります。





事典【怪物:クラーケン】


クラーケン

 クラーケンは、その多くが巨大なタコやイカのような頭足類の姿で描かれる北欧伝承の海の怪物。

 中世から近世にかけて、ノルウェー近海やアイスランド沖に出現したとされています。19世紀のアフリカ南部はアンゴラ沖に現れた海の怪物もクラーケンでなかったかと言われているのです。

 巨大なタコやイカといった頭足類の姿が多いけれども、シーサーペント(怪物としての大海蛇)やドラゴンの一種、エビ、ザリガニなどの甲殻類、クラゲやヒトデ等々、さまざまに描かれてきました。

 姿がどのようであれ一貫して語られるのはその驚異的な大きさであり、「島と間違えて上陸した者がそのまま海に引きずり込まれるように消えてしまう」といった種類の伝承が数多く残っています。

 船出したまま戻らなかった船の多くは、クラーケンの餌食になったものと信じられていたのです。1872年にメアリー・セレスト号が見つかったとき、船が無人となった理由として「乗員がすべてクラーケンの餌食になった」という説も存在しました。



 TRPG『Dungeons & Dragons』第五版では、波の下、クラーケンはいつの時代からとも知れず眠っており、何らかの凶兆を、あるいは呼び声を待っています。地上に生まれた定命の者どもは、船に帆を張って大海に行き、彼らの祖先がなぜ海を恐れていたかを忘れているのです。海の深みに住む種族すら、彼らの歴史に開いた奇妙な空白のことを、彼らの文明が触手を持つ恐怖によって消滅の瀬戸際に立ったときのことを、顧みようとしません。

 ときのはじめ、クラーケンは獰猛な戦士として神々のために戦いました。神々の戦いが終わったとき、クラーケンは隷属から自由になり、再び他の者に縛られることはなかったのです。

 クラーケンがその暗い領地から姿をあらわすと国々は震え、大海のただ中ではクラーケンの意に従って嵐が起こり、あるいは消えます。クラーケンは原始の力であり、文明が成し遂げたどんな功績をも、砂の城のように洗い流してしまいます。クラーケンの猛襲は海上貿易を破滅させ、沿岸都市間の通商を止めてしまうのです。

 クラーケンの攻撃の先触れは不吉な暗闇です。クラーケンの周囲の水は墨に似た毒雲に染まる。深淵から伸びる触手の前にはガレオン船も軍船もひとたまりもありません。クラーケンは帆柱を小枝のようにへし折り、船を船員もろとも水中に引き込んでしまいます。

 クラーケンがひとたび怒れば、内陸の地に住む者も安全ではないのです。クラーケンは水と同様に空気を呼吸できます。クラーケンの中には川を這い進み遡って淡水湖に住み着く者もおり、その過程で町や都市が滅びることもあるのです。この怪物が湖畔の砦の廃墟に巣喰い、石のもろくなった、傾きかけた塔に触手を這わせていたと、冒険者たちが語っています。

 一部のクラーケンは海のごとく崇められており、これを奉じるカルト教団や配下の者は海にも陸にも広がっているのです。また一部のクラーケンは悪しき水の元素大公と手を結び、そのカルト教団員を用いて陸海に勢力を及ぼします。崇拝者に満足したクラーケンは、荒海を静め、信者に大漁をもたらすこともあるのです。けれどクラーケンの気まぐれは想像もつかぬほど昔からのもので、しかも突き詰めれば万物の破滅に傾いています。

 クラーケンは暗い深淵に住みます。住処は海底の地割れや洞穴で、堆積物、宝物、沈没船でいっぱいです。クラーケンは住処に強い水流を起こしてクリーチャーを引き離そうとします。またクラーケンに近づくと雷耐性が下がり、電撃を食らうこともあるのです。

 クラーケンの住処を中心に半径6マイル(約9.7km)の天気を変えられます(呪文「コントロール・ウェザー」と同様)。またこの範囲内には複数のウォーター・エレメンタルが発生するのです。また同範囲内では知力の低い水棲クリーチャーがクラーケンに魅了され、この範囲内に侵入する者に対して敵対的となります。

 このクラーケンが死んだなら、これらの効果は瞬時に消え去るのです。

 魔法でない拘束やつかみから5フィート分の移動を費やせば自動的に脱出できます。

 空気を呼吸することも水を呼吸することもできる水陸両生です。

 触手で掴む、噛み付く、放り投げるといった物理攻撃のほか、稲妻の嵐を巻き起こして電撃ダメージを与えられます。また毒入りの墨を吐くことで毒ダメージを与えられるのです。



 TRPG『PATHFINDER RPG BESTIATY』では、伝説に名高いクラーケンは、船員たちの最大の恐怖です。この鯨ほどの大きさのクリーチャーは、船の真下の見えざる深淵から攻撃を加え、船を動かすのに必要な風と天候を制御し、しかも世界で最も創造的で悪意に満ちた犯罪者の冷酷な知性をも持ち合わせているのです。クラーケンは神々の下した罰だと信ずる者もいれば、クラーケンこそは深淵の真の支配者であり、空気を吸う種族はただ彼らの種族はただ彼らの家畜でしかないのだと胸に抱く者もいます。

 クラーケンの体長は100フィート(約30M)近くまで達し、体重は4,000ポンド(約1,8t)。

【ジャイアント・スクウィッド】

 ジャイアント・スクウィッド(巨大イカ)は人間をやすやすと餌食にすることができる伝説的な動物です。通常は深海に住むこのクリーチャーは、飢えると海面まで行き、遭遇したものはなんであれ餌食にしようとします。ジャイアント・スクウィッドは全長45フィート(約14m)、体重1,500ポンド(約680kg)。



 TRPG『Tunnels & Trolls』完全版『MONSTERS! MONSTERS!』では、巨大なタコジャイアント・デビルフィッシュは巨大な淡水産のタコのようですが、くちばしもなければ、触手の吸盤もありません。代わりに大きな円盤上の体には、ダガーのような歯がびっしり並んだ特大の口と、ぎらぎら輝く赤い目がふたつ付いています。ジェット推進ではなく、泳いで移動します。この巨大なタコは、水の中でも外でも同じように呼吸できます。MR50以下の小型のタコは食料を狩るために地上に赴きます。先っぽがそれぞれ骨の鉤爪になった触手を使って歩けます。大型のタコは普通、水中から出ません。

 巨大なタコには特別な「墨攻撃」があり、体表の腺から濃密な黒い墨を噴出し、水中での視界をゼロにします。墨が顔に命中した相手は、目が見えなくなってしまうでしょう。タコが陸地にいるときに墨を吹きつけてきたなら、一時的に目が見えなくなり、戦闘不能になってしまいます。

洞窟イカケイブ・スクイッド

 深い水たまりや地下の流れに住む、淡水性のイカの総称です。かなりの大きさまで育ち、人の手のひらほど小さいものもいれば、洞穴トロールくらい大きなものもいます。たいていは水中で見かけられますが、獲物を狩るために乾いた地上に出てくることもあります。



 TRPG『ソード・ワールドRPG』完全版では、ジャイアント・オクトパスはほとんど伝説的な存在であり、漁師や船乗りから海の悪魔として恐れられています。長さ10メートルもある触手で舟に絡みつき、沈めてしまうのです。

 ジャイアント・オクトパスは、8本の触手のそれぞれで別々の目標に対して[締めつけ]攻撃を行なえます。刃物の付いた武器でジャイアント・オクトパスに大きいダメージを一撃で与えたなら、触手を1本切り落としたことになり、オクトパスの攻撃回数は1回減ります。





最後に

 今回は「クラーケン」についてまとめました。

 大いなる海の脅威であり、巨大なタコやイカの姿をしているとされています。

 岸に打ち上げられたダイオウイカを見て創作されたとする説が有力です。



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