720.事典篇:竜族:D&Dのクロマティック・ドラゴン
今回は『D&D』またその派生『PF』に登場するドラゴンのうちクロマティック・ドラゴン(色彩竜)についてまとめました。
『D&D』『PF』ではドラゴンの体色ごとに能力が異なります。
ホワイト、グリーン、ブルー、ブラック、レッドの五色のドラゴンの要約です。
事典【竜族:D&Dのクロマティック・ドラゴン】
クロマティック・ドラゴン
クロマティック・ドラゴン(色彩竜)はドラゴンの凶暴さを体現したような存在です。
つねに食欲や財産欲が強く、貪り尽くします。
『Dungeons & Dragons』では色彩によって特徴が異なりますので、ひと通りお読みいただければと思います。
ホワイト・ドラゴン
ホワイト・ドラゴン(白竜)は冷気ブレスを吐きます。クロマティック・ドラゴンの中で最も小柄で、知能が低く、動物的です。彼らは寒冷な土地に住み、極地や凍てついた山々をとくに好む、飢えと欲望に突き動かされる凶暴で残忍な爬虫類です。
凍てついた洞窟や陽光の届かぬ地下深い穴ぐらに住処を構えます。空を飛ばずに近寄ることのできない高山の谷間や断崖絶壁に口を開けた洞窟、氷河の中の迷路じみた洞窟網などがお気に入りです。垂直方向に広がりの大きい洞窟を好み、天井に飛び上がってコウモリのようにぶら下がったり、氷の割れ目を蛇のように這い回ったりします。
他のほとんどのドラゴンが備えている狡猾さや戦術を欠いていますが、獣じみた本能のおかげで全ドラゴン中で最高の狩猟者です。彼らは生き延びることと敵を皆殺しにすることに全身全霊を注いでいます。
ホワイト・ドラゴンは凍った食べ物しか食べません。自分の冷気ブレスで殺したクリーチャーをカチンコチンに凍ったまま貪り食らうのです。すぐに食べない獲物は自分の住処の近くの雪に埋めるか氷漬けにしておきます。逆に言うと、このような「食糧庫」を見つけたら近くにホワイト・ドラゴンが住んでいるのは確実です。
自分が屠った強敵の死体を勝利の証として保存し、凍りついた屍を見渡してほくそ笑みます。ホワイト・ドラゴンの住処のいちばん目立つ場所に、侵入者への警告として、ジャイアントやモルアハズ、あるいは他のドラゴンの亡骸が飾られていることはよくあることです。
あまり知能が高くないが、記憶力は並外れており、こうむった侮辱と敗北はけっして忘れません。己に害をなした相手に対し、悪意に満ちた復讐を行なった例はいくつも知られています。復讐対象に選ばれる頻度が特に高いのが、同じ種類の土地に住まいを構えるシルヴァー・ドラゴンです。
他のドラゴンと同様の会話能力を持ちますが、強いられないかぎりめったに言葉を発しません。
ホワイト・ドラゴンは他のあらゆるドラゴンを避けます。異性のホワイト・ドラゴンだけは例外ですが、配偶者を探すときですら、一緒に過ごすのは子どもを作る必要最低限のみであり、ことが終われば即座に独り暮らしに戻るのです。
ホワイト・ドラゴンは自分の住処の近くにライバルがいるのを我慢できません。彼らにとって他のクリーチャーは「生きる価値のない弱者」か「生かしておくのは危険な強者」のいずれかで、攻撃対象となります。下僕になりうるクリーチャーは、ドラゴンの怒りをなだめるだけの実力を備え、かつ飢えたドラゴンが定期的に仲間を喰うことを我慢できるような、知能のある人型種族に限られるのが通例です。この当該例の一つが、ホワイト・ドラゴンの住処でよく目撃される、ドラゴンを崇拝するコボルドたちです。
強大なクリーチャーであれば、肉体的ないし魔法的な力の強さを見せつけることによって、ホワイト・ドラゴンを服従させられます。フロスト・ジャイアントは力試しと氏族内での地位向上を狙ってホワイト・ドラゴンに挑むので、ドラゴンの住処に数多のジャイアントの骨が散らばることになるのです。いっぽうフロスト・ジャイアントに打ち負かされたホワイト・ドラゴンはその巨人の下僕になり、己より強いクリーチャーへの隷属と引き換えに、巨人に敵対ないし隷属する者たちに対しては支配者面ができるようになります。
氷の冷たい輝きを愛し、氷に似た性質の宝(特にダイアモンド)を好むのです。実際には、人跡稀な極寒の土地に住むホワイト・ドラゴンの宝の山のほとんどはセイウチやマンモスの牙、鯨骨の彫刻、船首像、毛皮、そして勇敢すぎた冒険者たちから奪った魔法のアテムなどで構成されています。
住処には硬貨や宝石が散らばり、光が当たると星空のようにキラキラ光るのです。より大きな財宝や宝箱はホワイト・ドラゴンの凍てつく吐息で氷漬けにされ、何層もの透明な氷の中の宝を掘り出すのはたやすいことですが、下等なクリーチャーは何時間もかけて氷を削り融かさねば竜の財宝にも触れられません。
その完璧な記憶力によって、自分の宝の山に含まれる硬貨、宝石、魔法のアイテムの入手経緯をすべて憶えており、一つ一つの宝にまつわる勝利の記憶も完璧です。また、賄賂が利きづらいのはあまりにも有名。宝の一部を差し出すのは「お前は俺を殺して宝をすべて奪えるほど強くはないだろう」という侮辱として受け止められます。
TRPG『PATHFINDER RPG BESTIATY』では、クロマティック・ドラゴンの中で最も弱く最も野蛮だとほとんどの者に思われていますが、ホワイト・ドラゴンは狡猾さの欠如を純然たる凶暴性で補っています。ホワイト・ドラゴンは人里離れた凍てつく山頂や極寒の低地に住んでおり、氷と雪に満ちたきらきら光る洞窟を住処にします。食物は完全に凍ったものを好むのです。疑似呪文能力で一体のクリーチャーを氷の中に沈められます。氷雪の霧をまとい、猛吹雪のブレスを吐くのです。
グリーン・ドラゴン
グリーン・ドラゴン(緑竜)は毒のブレスを吐きます。
森を愛するグリーン・ドラゴンは共通の地域にある森を巡ってブラック・ドラゴンやホワイト・ドラゴンと争うことがあります。伝説的なグリーン・ドラゴンの森にはつねに霧が立ち込め、森の主が漏らした毒の吐息の悪臭が漂うのです。森の中心にある、切り立った崖や丘の斜面に口を開けた洞窟を住処にします。洞窟の入り口が外から見えないように隠れていればなおよい。滝の裏に入り口が隠れている洞窟や、池や川の中から出入りできる半ば水没した洞窟を見つけて住処にするものもいれば、住処入り口を植物で隠すものもいます。
ドラゴンの中で最もずる賢く不誠実で根っからの嘘つき、誤誘導と欺きを用いて敵のうわてに立ちます。底意地が悪く心底邪悪で、善良な心の持ち主を堕落させ破滅させるのが極上の喜びです。太古の森林をうろつき回って攻撃性をアピールしますが、可能な限り労少なくして富を得るためです。
縄張りとする森を飛び回り歩き回って狩りをします。見つけたクリーチャーは何であれ食べますし、ひどく腹をすかせたときは灌木や若木もかじります。いちばん好きな獲物はエルフです。
獲物の後をつけながら襲撃の計画を練ります。この追跡は何日間にも及ぶことがあるのです。獲物が弱そうなら襲いかかる前にわざと自分の姿を見せ、獲物が怖がるさまを眺めて楽しみます。けっして敵を皆殺しにせず、生き残った者を脅しつけて下僕にしようとするのです。捕虜となった者は身代金を払えるなら解放されることもあります。払えない者は、毎日ドラゴンに対して自分の利用価値を証明し続けなければならず、さもなくば殺されるのです。
ゴブリン類、エターキャップ、エティン、コボルド、オーク、ユアンティなどそれなりに知能の高いクリーチャーを配下として受け入れます。またエルフを堕落させて意のままに操ることも好むのです。
グリーン・ドラゴンが好む財宝は己の意のままに操れる知性を持つクリーチャーです。人気者の英雄、高名な賢者、評判高い詩人といった重要人物も含まれます。より財宝らしい財宝としてはエメラルド、木製の彫刻、楽器、人型生物をモチーフにした彫像などを好むのです。
TRPG『PATHFINDER RPG BESTIATY』では、グリーン・ドラゴンは世界各地の太古の森に住み、そびえ立つ大木の樹冠の下を獲物を求めてうろついています。すべてのクロマティック・ドラゴンの中では、おそらくグリーン・ドラゴンが最も交渉による取引が成功しやすい。疑似呪文能力を有し、瘴気(酸の雲)のブレスを吐きます。
ブルー・ドラゴン
ブルー・ドラゴン(青竜)は不毛の土地に住処を作ります。群れなす動物の肉を好み、電撃の吐息で「料理」してから貪り喰らうのです。皮膚は静電気を帯びて、怒ったり攻撃を仕掛けたりする際にはこの静電気がますます強くなり、乾いた空気とオゾンの臭いを放ちます。
電撃のブレスと穴掘り能力を用いて砂中に彫り抜かれた洞窟網は床と壁と天井が結晶化しています。
伝説的なブルー・ドラゴンの住処の周囲には雷を伴う嵐が吹き荒れ、ガラス化した砂を含むつむじ風が吹き交うが、住処を護る最初の防御装置は無数の恐るべき落とし穴です。
首尾よく住処に入り込めたとしても、その洞窟はブルー・ドラゴンの意のままに崩落します。ドラゴン自身は穴掘り移動で脱出できますが、侵入者どもは生き埋めになって死ぬのです。そしてドラゴンは後から戻ってきて、自分の財宝を回収するついでに侵入者の死体も漁ります。
自分の最も高価な財宝を砂の中に埋めて隠します。その一方、落とし穴の上の地面に価値の低い財宝をいくつかばらまき、竜の財宝を盗もうとする輩への(死を含む)仕置きとするのです。
砂漠を行くキャラバンや遊牧民にとって最悪の脅威です。ドラゴンから見れば、それらは食糧と財宝がうまい具合に一箇所に固まっているようなものなのです。
虚栄心と縄張り意識の強いブルー・ドラゴンは砂漠の空を飛翔し、キャラバンを襲い、砂漠外の豊かな土地の動物の群れや共同体を餌食にします。この種のドラゴンは、乾いた草原、不毛の岩石地帯、岩がちな海岸地方などでも見られるのです。彼らは競争相手になりうる相手すべて(とくにブラス・ドラゴン)に対して自分の縄張りを守ります。
ブルー・ドラゴンは弱い者や劣った者からの侮辱や批評をけっして許さず、人型生物などの「下等な」クリーチャーに対して威張り散らすのが大好きです。
戦闘においては辛抱強く計算高い。戦い方を選べる状況なら、何時間も何日もかけて戦います。具体的には、遠くから何度も稲妻を浴びせてから敵の射程外に飛び去り、再攻撃の機会をうかがうのです。
狩りをするときのブルー・ドラゴンは、砂漠の砂に埋まって巨体を隠し、角だけを地上に突き出して、地表に露出した岩のように見せかけます。獲物が近くまで来た途端にドラゴンが砂から飛び出して襲いかかると、その翼から雪崩のごとく砂が流れ落ちるのです。
一芸に秀でた貴重なクリーチャーを己に奉仕させることに優越感を覚えるため、そういったクリーチャーを欲しがります。詩人、賢者、芸術家、魔法使い、暗殺者は有用な手駒になりうるため、忠実な奉仕に対しては気前よく褒美を授けるのです。
ブルー・ドラゴンは自分の住処を秘密にし、守りを固め、最も信頼の厚い下僕ですら住処への立ち入りはめったに許しません。アンケグやジャイアント・スコーピオンなどの砂漠のクリーチャーを住処の周囲に徘徊させ、追加の防御装置にします。歳かさのブルー・ドラゴンはエア・エレメンタルなどのクリーチャーを呼び寄せて奉仕させることもあるのです。
価値のありそうなものなら何でも集めますが、とりわけ宝石が大好きです。青こそ最も高貴で美しい色と信じているため、とくにサファイアを欲しがり、サファイアを散りばめた宝飾品や魔法のアイテムを好みます。
TRPG『PATHFINDER RPG BESTIATY』では、ブルー・ドラゴンは完成された陰謀家であり、度が過ぎるほど几帳面です。戦闘に際しては、ブルー・ドラゴンは可能ならば敵を奇襲することを好み、劣勢になると躊躇わずに撤退します。彼らは自身が支配するものたちの近くにねぐらを構えることを好み、時には都市の境界内に住んでいることさえあります。稲妻の嵐のブレスを吐きます。
ブラック・ドラゴン
ブラック・ドラゴン(黒竜)は酸のブレスを吐きます。
文明の衰退した辺境の沼地に住みます。彼らが住処とする陰鬱な洞窟や廃墟は、少なくとも一部分は水没していて、ドラゴンが水中で休んだり、魔物を水に浸けてよい具合に腐らせたりできるようになっているのです。住処のあちこちに、過去の犠牲者たちの酸で焦げた遺骨や、ハエがたかる新鮮な死体が散らばり、それらを監視するかのようにひび割れた彫像が立ち並んでいます。腐敗と死の臭いが漂うこの住処には無数のムカデとサソリと蛇もはびこっているのです。
最も気性が荒く、最も卑しいブラック・ドラゴンは、瓦礫を漁り死体を漁って宝物を回収します。人型生物の王国が滅びれば大喜びするのです。彼らは今は亡き王国の朽ちた廃墟や臭い沼地に居を構えます。
他者を傷つけ苦しめること自体を楽しむという点に関しては、ブラック・ドラゴンが抜きん出ています。彼らは獲物が慈悲を乞うさまを眺めるのが生きがいで、とどめを刺す前に命乞いに応じるふりをしたり、逃げた獲物を見失ったふりをしたりすることがよくあるのです。敵の中で最弱の者を真っ先に狙い、素早く暴力的な勝利に酔いしれてうぬぼれを満たしつつ、残った敵たちを恐怖に陥れます。負けそうになったブラック・ドラゴンは自分の命が助かるなら何でもしますが、他者の下僕になるくらいなら死を選ぶのです。
ブラック・ドラゴンは他のドラゴンを憎みかつ恐れています。ライバルとなりうるドラゴンを遠くから偵察し、自分より弱ければ殺す機会をうかがい、強ければ避けようとします。強いドラゴンに脅かされたなら、住処を放棄して新しい縄張りを探すのです。
邪悪なリザードフォークはブラック・ドラゴンを敬い、下僕となります。リザードフォークたちは他の人型生物の居住地を襲って財宝や食料を奪い、貢物として主人に捧げ、主人の領地の境界線にドラゴンを模した粗雑な偶像を並べるのです。
住処には、害虫や害獣のごとくコボルドどもが住み着いています。このコボルドたちは主人に似て残忍になり、しばしば捕虜をムカデの牙とサソリの毒針で苦しめ衰弱させてから、ドラゴンの飢えを満たす食糧として運んでいくのです。
己の偉大さを見せびらかすために、滅びた帝国や征服された王国の財宝を蓄えます。ひとつまたひとつ文明が滅び、その宝はドラゴンのものとなった——となれば、現在栄えている文明の宝もまた、ドラゴンのものになって当然なのです。
TRPG『PATHFINDER RPG BESTIATY』では、暗黒の沼地を支配するブラック・ドラゴンは、その領域を残虐性と威迫によって支配する、誰もが認める主です。ブラック・ドラゴンの勢力下にある者は、みな恐怖と共に生きています。ブラック・ドラゴンはねぐらを人里離れた湿地に作る傾向があり、濁った悪臭を放つ水底の洞窟を好みます。その中によごれた宝物を積み上げ、木の根と泥のただ中で眠りに就くのです。ブラック・ドラゴンは少し腐った食物を好み、しばしば食べる前に数日間水の中に漬けておきます。ブラック・ドラゴンは腐らない宝物を好み、硬貨、宝石、装飾品といった、石や金属で造られた品で宝物庫を満たすのです。疑似呪文能力を有し、強酸の噛みつきを行なう。
レッド・ドラゴン
レッド・ドラゴン(赤竜)はトゥルー・ドラゴンの中で最も欲深で、飽くことなく自分の宝の山をさらに大きくしようとし続けます。うぬぼれ具合も他のドラゴン以上に飛び抜けており、そのことはこの種のドラゴンの高慢なふるまいや他のクリーチャーを見下ろす状態にもよく現れているのです。
山岳地帯に、雪山の地下洞窟に、あるいは放棄された坑道やドワーフの地下要塞の奥深くに居を構えます。中でも彼らが好むのは火山活動や地熱のある洞窟です。こうした洞窟なら、侵入者の邪魔になるような、環境による危険要因もあるし、高熱と火山ガスを浴びながらゆっくりと眠ることもできます。
体は軽石の匂いと硫黄の匂いが取り巻いています。翼はクロマティック・ドラゴンの中で最も長く、端の方は超高温の炎を浴びた金属のような青黒い色合いを帯びているのです。
山岳地帯、岩がちな不毛の土地、そのほか高い場所から自分の領地を見渡せるような土地を好みます。この高所を好む傾向のせいで、レッド・ドラゴン及び丘陵地帯を好むカッパー・ドラゴンは何度も衝突を繰り返しているのです。
腹を立てたレッド・ドラゴンは文字通り火がついたように怒り狂い、己の衝動に従って破壊の限りを尽くします。あまりに凶暴で執念深いため、多くの文化においてレッド・ドラゴンこそ邪悪な竜の代表格とされているのです。他のいかなるドラゴンも、傲慢さにかけてはレッド・ドラゴンの足元にも及びません。このクリーチャーは「我こそ王なり皇帝なり」と信じ、他のドラゴンを劣等種と見下しています。「自分たちはティアマトの御名によって支配者たるべく選ばれた存在である」と信じるレッド・ドラゴンにとって、この世界およびすべてのクリーチャーは支配されるべきものなのです。
きわめて縄張り意識の強い孤立主義者です。とはいえ、彼らも広い世界の出来事を知りたいので、下等なクリーチャーどもを情報屋や伝令やスパイとして使っています。彼らがいちばん欲しがるのは、地位をめぐるライバルである他のレッド・ドラゴンに関する情報です。下僕が必要になったレッド・ドラゴンは混沌にして悪の人型生物に奉仕を命じます。命令に従う様子がなければ、部族の指導者たちを虐殺し、残った者たちを奴隷にするのです。レッド・ドラゴンに仕えるクリーチャーは、竜の機嫌を損ねた途端に黒焦げにされて食われるという恐怖の中で生きています。下僕たちの時間のほとんどは、生き延びるためにドラゴンに媚びへつらうことに費やされるのです。
他のなによりも富を重んじ、伝説と呼ぶにふさわしい宝の山を積み上げます。金銭的な価値のあるものならなんでも欲しがり、ガラクタを一目見ただけで銅貨一枚の誤差もなくその価値を鑑定できるのです。強敵を倒して奪った財宝を特に珍重し、己の優越性の証としてそういった財宝を見せびらかします。彼らは自分の宝の山にあるアイテム一つ一つの価値と由来を熟知しており、各アイテムの位置も憶えているのです。硬貨一枚でも無くなればすぐに気づいて怒り狂い、盗人を追いかけて容赦なく殺そうとするでしょう。泥棒が見つからない場合、そのドラゴンは手のつけられない大暴れを始め、怒りが鎮まるまでに数多の村を焼き街を灰にします。
宝の山は住処の奥底に大切にしまってあるので、彼らは安心して、山の地下で過ごすのと同じほど多くの時間を山の外でも過ごすことができるのです。レッド・ドラゴンにとって、世界の高みは玉座のようなもの。竜はそこから自分の支配するすべての土地を、そしてもっと広い、支配すべき世界を見渡すのです。
竜の住処の中は、至るところで下僕らが竜を讃える記念碑を建て、竜がいかなる生涯を送りいかなる敵を倒しいかなる国々を打ち従えたかという陰惨な物語を語っています。
TRPG『PATHFINDER RPG BESTIATY』では、強大なるレッド・ドラゴンほど残虐で恐ろしいクリーチャーは稀である。クロマティック・ドラゴンの王であるこの凄まじい生物は、その影の落ちる土地に破滅と死をもたらす。激しい熱のオーラをまとい、火炎のブレスを吐く。
最後に
今回は「竜族:D&Dのクロマティック・ドラゴン」についてまとめてみました。『PATHFINDER RPG』は『AD&D』3.5版とも呼ばれておりますので『D&D』の派生の立ち位置になります。
次回は「メタリック・ドラゴン」についてです。
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