709.事典篇:亜人族:ラミア、ナーガ
今回は「蛇人間」についてまとめました。
大きく「ラミア」と「ナーガ」に分けられます。
『T&T』では「ラミア」が女性で、「ナーガ」が男性と分けられるのです。
「ラミア」はギリシャ神話、「ナーガ」はインド神話由来ですので、これらはあなたの「剣と魔法のファンタジー」に登場させることができます。
事典【亜人族:ラミア、ナーガ】
ラミアは上半身が人間の女性で、下半身が蛇という血を吸う女怪物です。
そのためヴァンパイアのように吸血鬼として扱われることがあります。
ナーガはコブラのような姿をした大蛇です。『T&T』で一緒くたにされているので、ここでも併記する形で紹介します。
ラミア
ラミアはギリシャ神話に登場する古代リビュアの女性で、ゼウスと通じたためにヘラによって子どもを失い、その苦悩のあまり他人の子を殺す女怪と化しました。「ラミア」は古くから子どもが恐怖する名として、しつけの場で用いられてきたのです。
のちの時代には、青年を誘惑して性の虜にしたあとこれを喰らう
他にもリビュア神話の人食いの女蛇の一族がラミア類とされ、アポロンが都市アルゴスに差し向けた子どもを喰らう怪物も、ラミアの別称で呼ばれたり、体の一部が蛇だと記述されるのです。
ラミアは元々はリビュアの女性(あるいは女王)であったが、その美貌でゼウスに見初められました。結果ゼウスの妻ヘラの怒りを買い、ゼウスとの間に生まれた子どもをすべて失い(あるいは自ら殺すように仕向けられ)、その悲痛から容姿は獣のように変わり果て、他人の子を捕らえて殺すようになったのです。
ヘラの報復はそれにとどまらず、ラミアから眠りさえも奪い、子どもを失った悲しみから常に逃れられないようにしました。そこでゼウスは彼女が休めるよう、目を取り外せるようにしたと、古註では説明されるのです。この説明抜きであれば、ラミアが目玉を取り出したり容器に保管したなどの記述は他所にも見られます。
紀元1世紀頃を境にラミアは子どもを殺す一人の女怪ではなく、青年を誘惑して最後には喰らう悪霊たちの総称として描かれるようになりました。
女性の頭と胸に、蛇の下半身を持つという姿と定義する事典などもありますが、神話で要約した内容が神話上のラミアの「典型的」な描写であり、古典的な原典には、蛇と結びつける具体的な言及はありません。
TRPG『D&D』では多種多様なラミア像が描かれていますが、後発のRPG作品では上半身は美女だが下半身は蛇で、人間の血を吸う怪物として描写されていることが多いのです。
【ナーガ】
ナーガはインド神話に起源を持つ蛇の精霊あるいは蛇神のことである。
上半身を人間の姿で表し、下半身を蛇として描く構図を用いる例もあるようですが、一般的なものではありません。経典などの記述においては、コブラなかんずくインドコブラ自体の容姿を思わせる記述があり、インドや南伝仏教圏では頭が七つある姿が多い。
TRPG『Dungeons & Dragons』第五版では、砂漠の廃市や太古の王墓は、邪悪なラミアにもってこいの住処です。この退廃したモンスターは、世の人の忘れ去った土地に居座って、そこを贅沢三昧の拠点にし、おべっか使いの追従者を侍らせます。ラミアはいろいろな仕事をもっぱらジャッカルワーにやらせるのです。ジャッカルワーはラミアの命に従って荒野の彼方へ旅し、ラミアの魔法で姿を隠して隊商や野営地や村落を襲い、奴隷をつかまえ宝物を盗んできます。
ラミアの姿は、美しい人型生物の上半身が、力の強い四つ足の獅子の体にくっついたよう。鋭い黒い爪は、肉食の性質だけではなく、拷問と人型生物の肉に飢えていることをも物語るのです。
ラミアは崩れゆく隠れ家を飾るために、通りがかった隊商を襲って美しい服や飾りものを奪います。魔法を用いてさらに住処を飾り、崩壊しつつあるところを幻で隠すのです。住処の庭は息を呑むほど美しく、部屋部屋は見事に飾りつけられ、奴隷は数知れません。それはその住処が人里離れた土地に、荒廃のただ中にあるのと不釣り合いに見えます。
ラミアは陶酔をもたらす接触によって敵の精神を弱め、心術呪文にかかりやすくして自分の奴隷に変えてしまうのです。ギアス呪文に縛られた者たちは、ラミアを喜ばせるため、いろいろと洗練された競技で腕を競います。
ラミアはいつも富と奴隷をもっともっと欲しいと思っており、鏡や水鏡でスクライング呪文を使い、自分の領地を眺めわたします。この力を用いて通商路や近隣の集落を見張り、好みの品物やクリーチャーを物色するのです。
ラミアが特に力を入れて物色するのは心正しい冒険者です。これを誘惑し悪の道に引き入れ、美徳が滅び去るのを見るのがたまらなく快い。ラミアは魔法を用いて犠牲者候補を住処に引き入れ、幻や隷属者を用いて哀れな敵を捕らえます。ですがラミアは美と力を何よりも珍重するのです。見込み違いだった囚人は、恐ろしい饗宴のメインディッシュになるか、解放されて荒野で野垂れ死にます。
敵と戦ってくれる奴隷がいる限り、ラミア自身は戦闘の最前線には近づかず、可能なら敵を魔法で惑わします。近接戦闘の余儀なきに至ったときも、長く近接戦闘を続けるのではなく、爪とダガーで敵を細切れにして素早く安全な場所へ飛び退くのです。
デーモン・ロードが、自分に仕える定命の者たちをもとにラミアを生み出し、これに永遠の命と大きな力を与えて忠誠を誓わせました。デーモン・ロードは時折、自分にとっての大事な場所を、ラミアに命じて守らせることがあります。けれどもラミアたちは、デーモン・ロードのために使命を果たす間も、いつもと同じようにラミア自身の判断で勝手に悪を広め続けるのです。
【ナーガ】
ナーガは太古の遺跡に住む高い知能を持つ蛇で、秘術の財宝と知識を蓄えています。
最初のナーガは、歴史に失われて久しい謎の人型種族によって作られた不老不死の守護者でした。この人型種族が死に絶えた後、ナーガたちは我らこそ主人の残した財宝と魔法知識の正当な後継者であると思うようになりました。ナーガはなにかに追い立てられているかのように勤勉で、ときどき住処から遠出しては魔法のアイテムや稀少な呪文書を探し求めるのです。
ナーガは決して歳をとらず、病気にもなりません。倒されても魂は不滅であり、数日後には新たな肉体を再形成して復活し、以前と同じように永遠の使命を果たし続けます。
自分の領地を絶対的権威をもって支配します。ナーガには情け深い者もいれば臣民を恐怖で縛る者もいますが、いずれも我こそは領内に住む全クリーチャーの主人であると信じていのです。
ナーガは長年にわたってユアンティと敵対してきました。どちらの種族も自分たちこそ蛇の究極進化形であると信じているからです。この二種族が協力し合うことは珍しいが、両者が互いの差異をいったん脇に置いて共通の目的のために協働することも無くはない。そうなったとしても、威張り散らすナーガに対してユアンティが苛立ちを募らせるのが常です。
ナーガは空気、飲食物、睡眠を必要としません。
【ガーディアン・ナーガ】
知恵深く善良で美しいガーディアン・ナーガ(守護のナーガ)は、聖なる土地や魔法の力を秘めたアイテムが悪の手に落ちぬよう守り続けています。彼らは隠れ家の中で呪文を研究し、敵の邪悪な計画を覆すための複雑な策を温めているのです。
ガーディアン・ナーガは暴力を好まず、攻撃でなく警告をもって侵入者を迎えます。警告しても立ち去らなければ攻撃を開始し、呪文と毒の唾液を浴びせかけるのです。
【スピリット・ナーガ】
スピリット・ナーガは憂鬱と悪意のうちに生きており、自分を不当に扱った(もしくはそう思い込んでいる)相手に対する復讐の計画を常に練っています。もの寂しい洞窟や遺跡を住処とし、新たな呪文の開発と、定命の者たちを奴隷化して周囲に侍らせることに時間を費やしているのです。スピリット・ナーガは好んで敵を魅了し、魅了した敵を近くに呼び寄せてその肉に毒の牙を食い込ませます。
【ボーン・ナーガ】
ユアンティとナーガの長い抗争の歴史の中で、ユアンティはとある死霊術の儀式を編み出しました。その儀式を用いれば、ナーガの復活を阻止できるだけでなく、生きたナーガを骸骨状のアンデッドに変えて使役することができたのです。ボーン・ナーガ(骨のナーガ)は生前知っていた呪文のごく一部しか憶えていません。
TRPG『PATHFINDER RPG BESTIATY』では、太古の呪いを受け継ぐ憎悪に満ちたラミアは、腰から上はほっそりした魅力的な女性ですが、下半身は力強いライオンです。ラミアの顔立ちは人型生物のものでありながらはっきりとネコ科動物の特徴を帯びており、両目は細い切れ目状の野生を感じさせるもので、その歯は捕食生物の牙のようでだ。典型的なラミアは体高6フィート(約1.8m)を超え、体長は8フィート(約2.4m)を上回り、体重は650ポンド(約290kg)以上あります。
ラミアは世界から見捨てられた荒廃した場所を好みます。崩れた砦、捨てられた都、忘れられた石碑――これらはすべて、この危険極まりない狩人の残酷なる審美眼にかなうものです。不毛の地か、何も生息していない環境であればさらによい。しかし、ラミアはまず何よりも老朽化した寺院を好みます。ラミアは善の神々の神殿が荒廃していることに喜びを覚え、わざわざ栄える聖地に苦難をもたらすこともあるのです。
ラミアはグループ内で一番年上の女性を指導者にして母にして巫女と見なし、その者に狂信的な敬意を捧げます。ラミアは宗教心の特に篤い信者たちを忌避します。そういった者たちのことを、ラミアを野獣のような姿に押し込めた呪いの源と見ているのです。一方、年かさのラミアたちは、砂漠を薙ぐ風のささやきを聞き、星々の冷たいきまぐれがわかると主張しており、そうした神秘的な力を頼りに民を導くのです。
ここに挙げたラミアは、この呪われた種族で最も一般的だが力の劣るメンバーです。他にも蛇のようだったり、鳥のようだったり、あるいはもっとねじくれた姿を持つものもいます。
【ダーク・ナーガ】
ダーク・ナーガは富と贅沢、他者への支配力を求めてやまない。鰻のようにぬめる、黒く輝く鱗に覆われたダーク・ナーガは、人の立ち入らぬ地や打ち捨てられた廃墟を器用に這い回りながら、宝物と自分に仕えさせることができる弱いクリーチャーを探し回っています。彼らの先の割れた舌は嘘しか吐かず、相手を自由に操れないと見るや油断のならない毒と破壊的な魔法の力で打ち砕きます。典型的なダーク・ナーガは全長およそ12フィート(約3.7m)、体重300ポンド(約136kg)以上です。
尊大で快楽的なダーク・ナーガは、支配できそうな自分より弱いクリーチャーを捜し求めており、彼らに与える恐怖と支配する力を楽しみます。一部のものはゴブリン、オーク、リザードフォークなどといった野蛮な種族の部族からなる、やりたい放題の封土を築き上げるのです。またあるものは、洗練された美しさに心惹かれ、街の下水道や貧困窟に入り込み、街の人間を手下にします。彼らはおぞましい装飾品や宝物を愛し、宝石で飾られた帯で自らを飾ったり宝の山の飢えでくつろいでいることもあるのです。
ダーク・ナーガはナーガ類、特に他のダーク・ナーガを憎み、自らの同胞を迅速かつ無慈悲に排除すべき危険な敵とみなし――そして多くの場合それは正しい。
【ガーディアン・ナーガ】
輝く鱗、コブラのようなフード、力強い大蛇の体を持つ凶暴そうな外見にもかかわらず、ガーディアン・ナーガは根源的な力や聖なる場所の忠実なる護衛者です。その鱗にはしばしば熱帯のジャングルの蛇に似た複雑な模様があります。典型的なガーディアン・ナーガは全長14フィート(約4.3m)、体重およそ350ポンド(約160kg)です。
多くのガーディアン・ナーガはすでに忘れられた信仰や古い異国の慣習に固執するが、そうでないものはそびえ落ちる滝、自然の尖峰、山頂の寺院など、脅威を内包する場所に惹きつけられて、彼らの持つ義務と尊崇の概念に基づき、それらを守っています。こうしたナーガたちは現存する信仰の信徒となり、聖所や古代の財宝の守り手として奉仕するのです。ナーガのつがいは守る価値があると考える場所の近くに住処を作り、そこで卵を孵し育てます。成年に達した子は、自分自身の棲むべき土地を探して旅立つか、年長者の守る場所を守り続けるためにその地にとどまるかを選択するのです。廃墟や寺院を守っているナーガは、実は何世紀にも渡り代々受け継がれてきた守り手の当代に過ぎないかもしれません。そのような守り手は先祖と同じ名を名乗ることも多く、特に長命なナーガの個体であると勘違いされることもあります。
【スピリット・ナーガ】
歪んだ心とおぞましげな外見を持つスピリット・ナーガは、ナーガ種における魔女であり、その暗黒の力と胸が悪くなるようなやり方によって、長い間遠ざけられてきた憎むべき追放者です。典型的なスピリット・ナーガはほっそりとしている。全身が毒蛇の鱗で覆われており、青ざめた顔を縁取るように脂じみた髪がもつれています。ほとんどは全長14フィート(約4.3m)だが体重は300ポンド(136kg)未満です。
スピリット・ナーガは死と荒廃に満ちた場所に喜びを感じます。戦いの爪痕の残る遺跡、見捨てられた墓所、荒れ果てた森、略奪された砦、草木の絡み合う沼地などは、このおぞましいクリーチャーを惹きつけるのです。ガーディアン・ナーガが聖性を秘めた場所を好むように、スピリット・ナーガは根源的な堕落の地、暗黒の魔力が吹き込まれたと信じられる場所を探し求めます。はるか昔に斃れた覇王の墓所、偉大な英雄が落命した場所、陥落した悪しきものの要塞群などのすべてに、このおぞましい大蛇は惹きつけられるのです。
ほとんどのスピリット・ナーガは、自分が秘められた暗黒の恩寵を相続する者だと信じており、自分たちの生得の魔法の才をその証と見なしています。そのため、多くは漠然とした死と荒廃の力に親しみ、冒涜的な儀式に勤しみ、狂信的な力がもたらす不吉な兆しを捜し求めているのです。そのために、スピリット・ナーガは魅惑の凝視によって、犠牲者を媚びへつらう狂信者に変え、特には自ら生贄に志願するよう仕向けます。
スピリット・ナーガはハグの魔女団に似た小集団を作ることがあるのです。ある陰謀や共通の敵の存在が、おぞましい大蛇たちを短い間団結させますが、スピリット・ナーガは自分自身にのみ忠実であることから、こうした同盟は常に死を伴う裏切りによって決裂します。
TRPG『ADVANCED FIGHTING FANTASY』第2版『モンスター事典――奈落の底から――』では、人間が文明を築ける境を越えた南には、不毛な果てない砂漠が広がっています。ここには猿人や粗暴なネアンデルタール(原始人)といった部族が存在しているが、この荒れ果てた地域の支配者こそがカアスという蛇人の戦士たちです。伝説によると彼らは人間やオークと同じ系統ですが、人間が猿から、オークが豚との交配から来ているのに対して、カアスは魔術師が蛇を実験に使った結果の産物だというのです。
この邪悪な人型種族は立ち上がると2メートルを超えますが、ずんぐりとした爬虫類のような頭で、首の後ろには骨ばった襟が付いており、隆起した棘のある背中へと続いています。冷血で残虐な瞳が鼻面の上から出ており、その口は針のような牙に満ちているのです。彼らの身体と手足は滑らかで毛がないが、手と足には獣のような鉤爪が備わっています。どこまでも広い彼らの土地を哨戒するときには、戦闘用に訓練した巨大トカゲに騎乗するようです。
カアスはとても知能が高く、その知識は人類と同じように膨大と言われるいます。しかし、彼らは人間よりも力強く、恐れを知らない戦士であり、剣や槍や弓と同様に牙と鉤爪で戦うのです。カアスの軍隊は力強くよく統率されており、南部の地の多くに残虐な版図を広げており、支配する土地ではどこでも奴隷を得て、高い税金を課しています。彼らが北進するのを妨げているのは単に高い気温を必要とするからで(トカゲのように彼らは冷血動物である)、文明の端となる地域で彼らの襲撃部隊は村を燃やし、交易の隊商を襲い、生存者を砂の上に放置してサソリやハゲタカの餌にしているのです。
カアスの入り組んだ石の都は、荒野の奥深くに隠されているが、そこで彼らは力ある魔術師や高僧に支配されており、そうした信仰は“蛇のデーモン”シスに向けられています。彼らのきらびやかな神殿や謎めいた図書館についての逸話は、長い間冒険者たちの心を誘い、この都市へと向かわせてきました。このような冒険の生還者はわずかであり、彼らは飢えと渇きに苦しみながら砂漠をさまよっているのを発見されます。照りつける太陽によって正気を失い、彼らはうわごとを言うのです。ダガーのひらめきや毒の滴る爪、そしてあらゆる場所に蛇が……と。
TRPG『Tunnels & Trolls』完全版では、この種族ラミア(ナーガ、ヘビ人)を表す共通の用語は「ヘビ人」です。というのも、彼らの上半身はごく平凡な人型種族ですが、ヘビに似た下半身を持っているからです。頭部はどことなく毒蛇を思わせ、筋肉質の腕には三本指の手が生えています。驚くほどの速度で移動することができ、泳ぐときはさらに素早く、他種族に対してはどちらかというと冷淡です。胴体は小さくなめらかな鱗できらめいています。さまざまな色合いや模様があり、氏族や能力、血縁関係を区別する明確な指標になっていますが、部外者にはそれを正確に理解することはできません。ヘビ人は性別によってまったく姿が異なり、いまだに彼らを完全に別の二つの種族だと言い張る者もいるほどです。より小柄で聡明な男性はナーガ、大型でたくましい女性はラミアと呼ばれています。ナーガとラミアはめったに見られませんが、強力で独自の伝統的な種々の魔法を使えると噂されているのです。あらゆるトロールに対して激しい敵意を抱いています。
TRPG『Tunnels & Trolls』完全版『MONSTERS! MONSTERS!』では、この美しい女性には特別の悩みがあります――腰から下が巨大な蛇なのです。セト神の娘ともいえますが、実際のところ、ヒンズー神話のナーガのほうがよく似ています。邪悪であるとはかぎりませんが、どちらかといえば冷血でしょう。
【ラミア】
ラミアは上半身は女性ですが、腰から下は蛇になっています。そして人間の血を吸って生き長らえるといわれています。
【ナーガ】
ナーガは上半身が人間、下半身が大蛇という姿のモンスターです。洞穴の奥などに潜んだりあるいはなにかの神殿の門番として現れたりします。
ナーガは人間の腕を持っているため、人間用の武器を使えます。また、不意打ちを得意とし、思わぬ場所から襲いかかってくることがあります。
TRPG『ソード・ワールドRPG』完全版では、ラミアは上半身が美しい女性、下半身が虹色の大蛇で、体長は七〜八メートルあります。古代語魔法に通じていますが、敵を直接攻撃するような呪文はあまり使いたがらず、主に幻覚や変身で相手を幻惑します。ラミアは若い人間の生き血を吸わなければ生きていけないので、しばしば「シェイプ・チェンジ」の呪文で人間の娘に化けて若者をだまし、自分の愛人にして夜中にこっそり血を吸います。血を吸うときには必ず本来の姿に戻らなくてはなりません。一日に一度も血を吸えなかったラミアは生命点を失い、二十日間血を吸えないと餓死してしまうのです。血を吸われた者は生命点を何点か失い、ラミアはそのぶんだけ生命点を回復できます。普通は一日一点ぶんの血しか必要ありません。これくらいのダメージならば、健康な若者なら軽い疲労を感じるだけで、すぐに回復してしまうでしょう。中には気づかずに何年もラミアと暮らしている者もいるそうです。
ラミアは必ずしも邪悪とは限らず、中には心優しいものもいるようです。人間に依存しないと生きていけないので、たいていは村や町にひっそりと住んでおり、野外や迷宮で遭遇することはあまりないでしょう。
TRPG『ロードス島戦記RPG』では上半身が美しい女性、下半身が虹色のヘビで、体長は7〜8メートルあります。ラミアは人間と同様の食事をとることもできますが、それだけではなく人間またはハーフエルフの血を吸わなければ衰弱していく体質をしています。そのため、たいていは〈シェイプ・チェンジ〉で人間に姿を変えて、人間の集落へ紛れ込んできます。ラミアは人間の近くでなければ生きていけないこともあり、人間とのトラブルはできるだけ避けるように対応するでしょう。
TRPG『クリスタニアRPG』では、上半身は人間の美女、下半身は虹色の大蛇の姿をした魔獣。吸血鬼の仲間で、人間の生き血を吸わなければ生きていけません。知能が高く、ソーサラー魔法を使えます。魔法を使って人間になりすますこともあるのです。
TRPG『ゴブリンスレイヤーTRPG』では、
最後に
今回は「亜人族:ラミア、ナーガ」についてまとめました。
『D&D』の「ラミア」「ナーガ」の姿は固有なので、この形態のものをあなたの「剣と魔法のファンタジー」で用いることはできません。
『T&T』『SW』のラミア像がギリシャ神話に準拠し、一般的な「蛇人間」です。こちらであればあなたの「剣と魔法のファンタジー」に用いることができます。
また『T&T』では蛇人間のうち女性を「ラミア」、男性を「ナーガ」と分けているので、注意してください。
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