702.事典篇:妖精族:グレムリン
今回は「グレムリン」をまとめました。
諸説ありますが、20世紀になってから語られるようになった妖精です。
映画にもなりましたよね。
事典【妖精族:グレムリン】
グレムリンは20世紀初頭と、生まれの若い生物です。
そのため「剣と魔法のファンタジー」にはそぐわないといわれることもあります。
登場させるかどうかは、書き手であるあなたが決めましょう。
グレムリン
グレムリンは伝承上の生物です。
悪戯をする妖精とされ、ノームやゴブリンの遠い親戚にあたります。
かつては、人間に発明の手がかりを与えたり、職人たちの手引きをしたりしていました。しかし、人間が彼らに敬意や感謝をせずにないがしろにしたため、次第に人間を嫌って悪さをするようになったのです。どの家庭にもグレムリンが一匹は住み着いているといわれています。好物はチューイングガムとのこと。
20世紀初頭にインドの北西戦線に駐留していたイギリスの空軍パイロットの間でその存在が噂され、兵士たちの想像力の産物として生まれたのが始まりと言われています。
名前の由来は士官食堂にあった本「グリムの妖精物語」、唯一飲めたビール「フレムリン」の合作とされるのです。
また第二次世界大戦では東京に空襲をかけたアメリカ軍爆撃機の乗組員を悩ませました。機械やコンピュータが原因不明で異常な動作をすることを「グレムリン効果」と言ったりもするのです。
さまざまに描写されていますが、おおむね身長50センチメートル、体重8キログラム、毛のまばらなジャックウサギに似て渋面を浮かべています。また赤い上着、緑のズボン、頭から角を生やしているのです。皮の飛行ジャケットとブーツを着ているという説もあります。また水かきのある足にヒレのついた種類もあるそうです。上空3,000メートルで活動する種類はとくに「スパンデュール」と呼ばれます。
TRPG『ADVANCED FIGHTING FANTASY』第2版『モンスター事典――奈落の底から――』では、グレムリンは地下の洞窟に潜む小さな人型種族で、小さい昆虫や動物を食べます。無翼グレムリンが立ち上がったときの背丈は50センチメートルだが、しばしばそれより背が低いこともあるのです。細い胴体が大きな頭を支え、肌は緑がかり、長い鼻と尖った耳を持ちます。麻袋の生地や動物の革を使ったボロ布を着て、ダガーを持っている。いやらしい小さな生き物で、自分より大きな存在を襲うのに躊躇はない。地面を掘り進むのに熟達しており、ダンジョンの大きな通路を無数の小さなトンネルでつないで荒らすことがあります。
彼らと近縁の有翼グレムリンは、より小さく痩せているが、邪悪さではひけをとりません。身長は約15センチメートルで、小さい革の翼が背中から生えており、他の面ではより大きくて羽のない親戚とよく似ています。彼らは魔術師にとって理想的な使い魔で、しばしば材料集めや敵の偵察のために送り出されます。武器として有効に使うには小さすぎますが、自前の鋭い小さな歯で噛みつくことができます。
TRPG『Tunnels & Trolls』完全版では、最小の人型モンスターの一種で、わずかに鱗の生えた緑っぽい肌、長く尖った耳、黄色いぎょろ目をしており、なにより悪巧みが大好きです。ほとんどの者は自分たちに手に入る魔法をすべて習得することで、小柄な体格の埋め合わせをしています。しかし、なかには他の仲間よりはるかにこれを上手くやる者がいます(彼らはどのキャラクター・タイプでも選ぶことができます)。彼らの大好物はニワトリ、魚、指の形をしたスポンジケーキです。
グレムリンはどの地域でも見かけますが、そのいたずら好きな性格から、都市や村、その他の種族がたくさん住んでいる場所に集まってきます。生まれつき、見つかりたくないと思えば見つからずにすむ能力を備えていますが、実際の《姿隠し》の呪文とは異なります。
グレムリンはとくにドワーフとノームの作った機械装置を破壊するのが大好きです。また、たまたま重なった不運のせいで、あるいは自分たちのいたずらのせいでレプラコーンが責められるよう企てるのが楽しくてたまりません。
TRPG『Tunnels & Trolls』完全版『MONSTERS! MONSTERS!』では、グレムリンは人型生物では最も小さいものの一種で、緑色、鱗状の肌、長いとがった耳、出っぱった黄色の目をしています。グレムリンは悪意に満ちたいたずらが大好きです。魔法を使いますが、魔法の能力は限られています。グレムリンの好物は鶏、魚、焼き菓子です。
グレムリンは小さなヒューマノイドです。「堕落したレプラコーン」とも呼ばれます。
グレムリンは遭遇してもまともに正面から戦おうとはせず、魔法などを使って相手を混乱させ、それを見物して楽しみます。魔法使いの場合「鬼火」「行っちまえ」「姿隠し」「のろま」「しんきろう」「呪い」「ねんねんころり」「まぬけ」「大まぬけ」「粉みじん」などの魔法を好みます。種族として「瞬き移動」の呪文も使えます。
グレムリンの周囲では、石弓なども含め、あらゆる機械装置が働きません。
TRPG『ソード・ワールドRPG』完全版では、「空の小鬼」の名前でも知られる小型の有翼の妖魔です。体は暗褐色で、背中にコウモリを思わせる黒い翼が生えています。この翼で空を飛びますが、その速度はたいしたことはありません。低レベルの精霊魔法が使えます。
グレムリンの性格は、攻撃的とはいわないものの陰険で、悪質ないたずらを好みます。
ペガサスに乗った英雄が、このグレムリンのいたずらにより墜落死した悲劇はアレクラストに広く伝わっています。
TRPG『クリスタニアRPG』では、背にコウモリの翼を持った、暗褐色の肌の小型妖魔。なぜか、自分以外の空を飛ぶ者すべてを激しく憎悪していて、魔法で嫌がらせをしたり、ときには襲いかかってくることもあります。性格は陰険。シャーマン魔法を使います。
TRPG『ログ・ホライズンTRPG』では、
TRPG『この素晴らしい世界に祝福を!TRPG』では、小さな人型の身体を持つ下級の悪魔。ダンジョンなど、魔力の濃い場所に湧くことがあります。
最後に
今回は「妖精族:グレムリン」なついてまとめました。
登場するのは『T&T』『SW』など少数です。もう少し対象を広げれば見つかるとは思うのですが、一般的な「剣と魔法のファンタジー」からは外れてしまう可能性もあります。
とくに有名なモンスターであれば『D&D』か『SW』に載っているはずだからです。
また20世紀の空軍パイロットの間で作られた存在ですので、「剣と魔法のファンタジー」とは若干趣きが異なってしまうことにもなりかねません。
書き手として、あなたが作品にふさわしい存在かどうかを判断してください。
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