691.事典篇:妖精族:ノーム
今回は「ノーム」についてまとめました。
ノームは多く「大地の精霊」として登場しますが、その中でも妖精族として登場する作品があります。
事典【妖精族:ノーム】
一般的にノームといえば「大地の精霊」のことを指します。
しかし『D&D』ではプレイヤー・キャラクターとして演じることができるのです。
「大地の精霊」と「プレイヤー・キャラクター」での扱いの違いに主眼を置いてください。
ノーム
ノームはスイスの錬金術師パラケルススが提唱した四大精霊のうち、大地を司る精霊・妖精です。主に地中で生活しており、鉱脈の場所などにも詳しいとされます。
小人で長い髭を生やした老人のような風貌をしており、派手な色の服と三角帽子を身に着けています。手先が器用で知性も高く、優れた細工品を作るのです。ゴブリンやドヴェルグ(ドワーフ)、ノッカーと近い関係にあるともいわれ、近年では多数存在する地中で暮らす精霊の一種族として扱われることも多い。
ノームは英語読みで、語源はギリシャ語の「ゲノーモス(地中に住むもの)」で「グノーム」の女性形「グノーメ」が本来の読みです。土鬼とも和訳されます。
TRPG『Dungeons & Dragons』第五版では、ノームの固まって住む狭い混み合った家や地域には、彼らが忙しく立ち働く物音がいつも響いています。そうした物音を圧して、もっと大きな音もするのです。こちらでは、歯車の噛み合うギリギリという音。あちらでは小さな爆発。驚きや喜びの叫び。そして何より、声高な笑い声。ノームたちは人生に喜びを見出だし、発明や探検、探求、想像、遊戯の一瞬一瞬を楽しみます。
生き生きとした力、生活を楽しむ力が、ノームの小さな体じゅうにみなぎっているのです。身長3フィート(約90cm)余り、体重40〜45ポンド(約18から20kg)ほど。褐色や茶色の顔の、大きな鼻の下では口がにっこり笑い、きらきらした目は「何やら面白そうだな」と言っているのが普通です。色の淡い髪はえてして八方に広がっており、まるでノームが周囲の万事に心惹かれてやまないさまを形にしたかのようです。
ノームの人となりは外見にそのまま現れます。男性のあごひげは、伸び放題の髪の毛とは打って変わって丁寧に整えてあるのですが、その整え方が普通でなく、妙な具合に分かれていたりピンとはねあがっていることも多い。ノームの服は茶色や緑色の地味な色あいのものが多いが、縫いとりや、浮き出し模様や、きらめく宝石で見事に飾られています。
ノームはヒューマンと同じ速度で大人になります。腰を落ち着けて大人らしい暮らしに入ることを期待されるのは40歳前後です。彼らは350歳から500歳近くまで生きます。
ノームにとって、生きているというのは、それだけで素晴らしいことです。そして彼らは300〜500年の人生を楽しみつくそうとします。ヒューマンは「そんなに長生きしたら退屈してしまわないか」と
エルフならば長い寿命の中で充分な時を費やして世界の美を享受します。
いっぽうノームは、これだけの命があってもやりたいことをやり、見たいことを見るには足りないのではないかと心配しているように見えるのです。
とても好奇心旺盛で、衝動的です。彼らは世界を見てまわる方便として、あるいは冒険好きが高じて冒険に出ます。宝石をはじめとする美しい品々の愛好家であるノームの中には、危険を冒してでも手っ取り早く富を手に入れようと冒険に旅立つ者もいるのです。動機が何であれ、冒険者暮らしに入ったノームは、ノームが他の活動をするときと同じように、冒険するのを大いに楽しみます。冒険を面白がりすぎて旅の仲間をイラつかせることもあるのです。
ノームが話をするときは、まるで頭から湧き出す考えをもっと速く伝えられないのがもどかしいと言わんばかりの話し方です。その一方、一定枠内の事柄について自分の考えや意見を述べるときにも、他人の言うことを聞き逃さず、ふさわしい驚きや賞賛の声をあげます。
ノームはあらゆる種族の冗談を好みます。とくにダジャレやいたずらが好きです。けれど、もっとまじめな仕事に取り組むときも、冗談に取り組むのと同じくらい身を入れてやります。ノームの腕利きの技師、錬金術師、修理屋、発明家は数多い。彼らは成功の過程での失敗を恐れず、しくじったなら自分を笑い飛ばし、大胆にも(ときには軽率にも)危険を冒し、大きな夢を追うのです。
ノームは起伏の多い森がちな土地に家を構えます。住むのは地下ですが、ドワーフの家に比べると新鮮な空気が入るようになっているのです。彼らは自然が好きで、できるだけ生命に満ちあふれた地上の世界で過ごしたがります。ノームの家は幻術と巧妙な造りによってうまく隠されているのです。歓迎されざる訪問者は、そもそも巣穴がどこあるかを見つけることさえできません。
人間の土地に住み着いたノームは普通、宝石研磨師、機械工、賢者、修理屋をしています。人間の家庭では、ノームの生涯は長いので、人間の一族を数世代にも渡って教え続けることができるのです。
ノームは善属性であることが最も多い。賢者、技師、研究者、学者、調査員、発明家は秩序の性向を持ちます。吟遊詩人、トリックスター、放浪者、奇想をこらして物を作る宝石細工師は混沌の性向を持つのです。ノームは元々心やさしい種族なので、ノームのトリックスターのいたずらも、ひどいものよりは単に面白いものが多い。
地下での生活に慣れており、「薄暗い」光の中では60フィートまでを「明るい」光の中であるかのように見通せる。同じ範囲の暗闇の中を「薄暗い」光の中であるように見通せるが、色を見分けることは出来ず、白黒の濃淡のみが見える。(エルフやドワーフと同じく赤外線カメラのイメージです)。
『D&D』世界にはノームの二つの亜種族が見られます。フォレスト・ノームとロック・ノームです。プレイするときはどちらか一方を選択することになります。
【フォレスト・ノーム(森のノーム)】
フォレスト・ノームは生まれつき幻術のコツがわかっており、素早く忍びやかです。数も少なければ、人前にも出たがりません。森の奥の隠れ里に集まり住み、幻と欺きによって、あるいは危険から姿を隠し、あるいはひそかに逃れます。フォレスト・ノームは森に住むよい心根を持った異種族に対しては友好的な傾向があり、中でもエルフや善のフェイを一番大事な味方と見なすのです。また、このノームたちは森の小動物とも仲がよく、森を徘徊する脅威に関する情報を小動物から受け取っています。
初級呪文の「マイナー・イリュージョン」を修得しているのです。
音を出し身振りをすることで、小型以下の「野獣」との間で単純な概念を伝え合えます。フォレスト・ノームは動物を愛し、しばしばリス、アナグマ、ウサギ、モグラ、キツツキ等の生き物をペットにして可愛がるのです。
【ロック・ノーム(岩のノーム)】
ロック・ノームは生来、他のノームよりもいっそう創意工夫と忍耐に富みます。『D&D』世界のノームの大方はロック・ノームです。
職人道具のひとつ「よろず修理屋道具」に習熟しています。この道具を用いて一時間と10gp相当の材料を費やすことで、超小型サイズのからくり仕掛けを作成できるのです。からくりは24時間経過すると(一時間を費やして修理し、からくりを機能させ続けない限り)機能を停止します。からくりが機能を停止したならそのからくりの作成に用いた材料を回収できるのです。こうしたからくりを一度に合計三個まで機能させておくことができます。
からくりを作成する際には、以下の三つの選択肢から一つを選択してください。
1. オルゴール:この箱を開けると、箱は中程度の音量で一つの曲を演奏します。曲が終わるか、箱が閉ざされると、演奏は終わるのです。
2. ゼンマイ仕掛けのおもちゃ:ゼンマイ仕掛けで動く動物やモンスターや人です。もっと細かに言えばカエル、ネズミ、鳥、竜、兵士などさまざまな形をしています。地面に置かれるとターンごとに地上を5フィート、ランダムな方向へ移動するのです。そしてもとのクリーチャーに対応した音を立てます。
3. 火おこし機:この仕掛けは小さな火を発します。これを使用してろうそく、松明、野営の火を点火することができるこの仕掛けを使用するにはアクションを必要とします。
ディープ・ノーム(スヴァーフネブリン)
ディープ・ノーム、別名スヴァーフネブリンは、この世界の地表をずっと離れた地下深く、曲がりくねったごみごみした穴ぐらや岩壁を彫って整えた洞穴に住んでいます。彼らは隠密と機転と粘り強さを武器に生き延びているのです。灰色の肌のおかげで、まわりの石積みにとけこむのがうまい。そして身体の小さいわりに、驚くほど目方が重く力が強い。大人の平均で体重100〜120ポンド(約45〜54kg)、身長3フィート(約92cm)です。
典型的な居住地には、数百人のディープ・ノームがおり、高度に要塞化されています。集落に出入りするための秘密のトンネルが複数あり、居住地が攻撃を受けたならディープ・ノームはこれを脱出路として用いるのです。
スヴァーフネブリンの男性は頭に毛がなく、女性はほつれた糸のような灰色の髪を持ちます。伝統的に女性は居住地を運営し、男性は周辺を見回って敵がいないか、宝石の鉱床がないかと気を配るのです。
スヴァーフネブリンは見事な宝石、特にルビーを珍重し、アンダーダークの地下深くの坑道でこれを採掘します。宝石探しの結果、ビホルダーやドラウやクオトアやドッエルガルやマインド・フレイヤーと争いになることもよくあるのです。中でもとくに恐れ憎んでいるのは、デーモンを崇める凶悪なドラウです。
しばしば地の元素界から来たクリーチャーと一緒に現れます。スヴァーフネブリンの中にはこうしたクリーチャーを呼び出せる者もいるのです。地のクリーチャーはスヴァーフネブリンの集落を守ります。ことにゾーンは、おいしい宝石をもらえるという約束で、大喜びで仕事をするのです。
TRPG『PATHFINDER RPG CORE RULEBOOK』では、ノームの起源を探ると、色はより強く光り輝き、自然はより荒々しく、感情がより純粋だった場所、神秘なるフェイの領域にたどり着きます。はるか昔、古代のノームは知られざる力によってかの領域から追いやられこの世界に逃れついたのです。こうした事情にも関わらず、彼らはフェイの祖先を完全にあきらめることも、定命の者の文化に完全に順応することもなかったのです。その結果、ノームは多くの種族から奇妙なよそ者とみなされています。
ノームは一般的な種族の中で最も小さく、身長は3フィートほど。彼らの髪は燃えるような赤や紅葉のようなオレンジ、春の森の若緑、森の野花のような深い紅や紫など、鮮やかな色の傾向があります。同様に、彼らの肌色は遺伝にはほとんど関係なく、自然な茶色から花のようなピンクにまで及ぶのです。ノームの顔の特徴は多様であり、驚くほど大きな口と眼を持っている者もいます。
多くの種族と異なり、古典的な社会構造を組織することはない。気まぐれなノームたちは新しい刺激的な経験を求めて、1人か行きずりの仲間とともに旅します。彼らは他の種族のメンバーと長きに渡る関係を結ぶことは滅多にない。代わりに情熱をもって工芸や収集、あるいは自身の職能を追求するのです。男性のノームは帽子や被り物に独特の好みがあり、また女性のノームは誇らしげに風変わりで凝ったヘアスタイルにします。
ノームは感情的にも、物理的にも他の種族と交流するのが難しい。ノームのユーモアは他の種族には理解し難く、悪意があるか考えることさえ無意味に思われています。その一方で、ノームは彼らより背の高い種族を愚鈍な巨人と考える傾向があるのです。彼らはハーフリングや人間とはウマが合うが、ドワーフやハーフオークはたいていのノームが笑い飛ばすような冗談を真に受けるため苦手としています。彼らはエルフを敬うものの、しばしば長命な種族であるエルフの決定にかかる長い時間に苛立つこともあるのです。ノームにとって、行動は常に怠慢にまさるため、休憩時間を楽しむために、常に彼らに関わりの深い課題を持ち歩いています。
ノームは直情的なトリックスターです。ときどき不可解な動機とわかりくい手段を用いますが、彼らに悪気はありません。彼らの行動は感情と強く一致する傾向があり、自分たちを自然界の中で最も平和な種族だ思っています。ノームは通常中立にして善です。
ノームの放浪癖は彼らを生まれながらの冒険者にします。彼らはしばしば人生の新しい局面を経験するために放浪者になり、数えきれないほどの小説のような危険に直面するのです。ノームは魔術やバードの音楽で彼らの欠点を補います。
TRPG『ADVANCED FIGHTING FANTASY』第2版『モンスター事典――奈落の底から――』では、気難しく、気まぐれなノームは他の生物と関わるのを避けています。ドワーフと遠縁の小さな人型種族で、人里離れた場所で出会うことがあるのです。彼らは、自分たちの素朴な暮らしに厄介事や暴力を持ち込むだけの他種族に見つかるのを嫌い、放っておかれることを好みます。無礼な人間に邪魔されたりすると、機嫌がとても悪くなり、出し抜けに小さな斧で攻撃したり、あるいは魔法を使ったりします。ノームは目立たない魔法をほとんど身を守るために使いうのです。透明になったり、握った手の剣がぐにゃっとする術などです。ノームは知らずに邪魔をした人間に魔法を使うことは通常ありませんが、相手があくまで邪魔し続けるなら、稲妻の魔法や他の明白な手段で、構うなという警告を発し、相手の過ちに気づかせるようにします。
TRPG『Tunnels & Trolls』完全版では、ノームは自分たちが「善の」種族として尊敬されるべきだと信じています。そして自分たちにこそふさわしい地位をレプラコーンが占めていることに憤慨してます。しかし、生まれつき怒りっぽい性質が災いして意地の悪さが露呈し、自ら邪悪な種族であることを証明してしまっています。
ノームは身長や全体的な外見はレプラコーンに似ていますが、はるかに知恵が回ります。その知性のおかげで、あらゆる企みや機械を考えつくことができます。しかしそれが実際に使えるかどうかは、ノームにとってはゼンマイ仕掛けほども重要ではありません。彼らは並外れて熟練した先鋭的な発明家です。ただ、単調な製造工程には飽きてしまうため、ノームの作り出す品は実にユニークなものになります。しかも監督や品質管理ができていないので、ノームの工芸品はたまにですが悲惨な結果を招くことがあるのです。
ノームはしばしばドワーフと手を組みます。頭の良い変人かつ底意地が悪いという矛盾した気質を合わせ持つノームといて気にせずにいられるのは、元々粗野なドワーフくらいでしょう。ドワーフたちが風変わりなノームの発明品を驚くべき先進技術に変え、便利な機能を持たせることはよくあります。こうした二つの種族の合作の成果によって、ノームはますます自分たちが世に知られていない偉大な種族であり、他の「善」の種族と同じ地位に置かれる価値があるという思いを強めています。
TRPG『Tunnels & Trolls』完全版『MONSTERS! MONSTERS!』では、ノームはドワーフと近縁関係にある、小型のヒューマノイドです。ドワーフよりはスリムで、より引き締まった感じの体つきをしています。また髭のあるものもないものも存在します。ノームは基本的に洞穴の民です。
ノームもまた、ドワーフと同様にエルフを嫌っています。この種族的な嫌悪が体質にまで影響したのか、ノームにはエルフやフェアリーのかける魔法がいっさい通用しません。
TRPG『ソード・ワールドRPG』完全版では、ノームは大地の精霊です。その姿はドワーフに似ていますが、その皮膚は灰色で一見すると岩のようにも見えます。彼らは地中を1ラウンドの間に10メートル移動することができます。そしていきなり地面に姿を現して、石つぶてを飛ばして攻撃してくるのです。地中に消える、地中を移動する、ふたたび地上に現われるという動作をノームは1ラウンドの間に行ないます。ただし、この行動を選択したラウンドは、ノームはその他の行動をいっさいとれません。ノームの石つぶては必ず目標に命中します。また彼らは大地の力を源とする精霊魔法を使います。石つぶてを飛ばしたり、精霊魔法を使っても彼らは精神点は消費しません。
ノームを傷つけるためには、魔力を帯びた武器か銀の武器が必要です。
TRPG『ロードス島戦記RPG』では大地の精霊で、灰色の岩のような表皮を持つ半透明の小さなドワーフといった姿です。
TRPG『クリスタニアRPG』では、自然の大地に宿る精霊。見た目はドワーフに似ているが、髭もなく身体も土色をしています。頑固でいたずら好きとされます。戦いになれば、ストーンブラストの魔法で攻撃してくるのです。精神魔法や毒、通常武器は効果がありません。
TRPG『ログ・ホライズンTRPG』では、
最後に
今回は「妖精族:ノーム」についてまとめました。
『D&D』『PF』ではプレイヤー・キャラクターとして使えます。『T&T』ではモンスターとして出てくるのです。そして『SW』『ロードス島』では大地の精霊として登場します。
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