682.事典篇:巨人族:ジャイアント
今回は「ジャイアント」と呼ばれる存在についてまとめました。
『ギリシャ神話』に登場する「ギガース」を英語読みしたものが「ジャイアント」です。
しかし各
そのために『ギリシャ神話』『北欧神話』について皆様に学んでいただいた次第です。
事典【巨人族:ジャイアント】
今回は「ジャイアント」についてまとめました。
ちなみに各項目は「剣と魔法のファンタジー」のRPGとして『Dungeons & Dragons』第五版、『PATHFINDER』、『ADVANCED FIGHTING FANTASY』第2版『モンスター事典――奈落の底から――』『Tunnels & Trolls』完全版、TRPG『Tunnels & Trolls』完全版『MONSTERS! MONSTERS!』、『ソード・ワールドRPG』完全版、『ロードス島戦記RPG』、『クリスタニアRPG』、『グランクレストTRPG』『ログ・ホライズンTRPG』、『この素晴らしい世界に祝福を!TRPG』、『ゴブリンスレイヤーTPRG』から抜粋しています。
残念ながら『指輪物語ロールプレイング』は入手できませんでした。
ジャイアント
ジャイアントはギリシャ神話のギガース族を語源とする、英語で「巨人」を指す言葉です。
よってあなたの「剣と魔法のファンタジー」に「ジャイアント」を登場させても著作権に触れることはありません。
ギガース族は天空神ウラノスに疎まれてタルタロスに落とされていました。ゼウスたちオリュンポス神族が父クロノスを始めとするティターン神族との戦い「ティタノマキア」で決め手を欠いていた際、地母神ガイアの助言によりキュクロプス、ヘカトンケイルとともにタルタロスから解放され、ティターン神族を敗退させる働きを示します。
しかしその後ゼウスたちの待遇が気に入らなかったギガース族は「ギガントマキア」を起こし、オリュンポス神族と英雄ペルセウスによって滅ぼされてしまいました。
北欧神話の霜の巨人のうち、始まりの巨人ユミルをオーディンたちが殺害して天地創造する際、ユミルの血でギンヌンガ・ガップが洪水を起こしました。そのとき船に乗っていて生き延びたベルゲルミル夫妻を始祖とする血統がいわゆる「ジャイアント」の要素を持っています。
ベルゲルミル夫妻以前の霜の巨人族はいわゆる「トロール(トロル)」のような頭の悪い異形の存在でした。これは近親交配で奇形が現れることと無関係とは言えないでしょう。つまりユミルの両脇から生まれた男女の霜の巨人族が子を産み、その子が子をもうければ近親交配になりますから、奇形の出現率は高まります。またユミルの両脚が交わることで九つの頭を持つ巨人も生まれているのです。このことからも近親交配による奇形出現が読み取れます。
一方、霜の巨人族が神ブーリと交配することで神ボルが産まれ、さらに霜の巨人の娘ベストラが神ボルと交配することで神オーディン、ヴィリ、ヴェーの三兄弟が産まれているのです。こちらは血が混じらずに交配しているため、奇形は発生しなかったのだと考えられます。
TRPG『Dungeons & Dragons』第五版では、はるか昔、ジャイアントによるいくつもの帝国がありました。ジャイアントはドラゴンと同じほど古い種族です。巨人と竜は何世代にもわたる戦いを続けたため、両者を衰退に導きかねませんでした。久しく時間が経ちましたが、巨人と竜は今もお互い恨み合っています。天にそびえる巨人たちは竜を殺し、王となったのです。その栄光は去って久しい。今や世界のあちこちの人里離れた土地に氏族単位で暮らし、古いしきたりや習わしを守っています。
巨人族の種族による序列は、ストーム・ジャイアント、クラウド・ジャイアント、ファイヤー・ジャイアント、フロスト・ジャイアント、ストーン・ジャイアント、ヒル・ジャイアント、そしていちばん低いのがフォモールやエティン(『D&D』オリジナル。一つの胴体にふたつの頭がある架空の巨人。名前は北欧神話に登場する霜の巨人を指す古英語からとられたもの)、オーガやオニといった巨人の近縁種です。彼らはお互いを同族と見なします。巨人は縄張りや野望のことですぐカッとなりがちですが、これら巨人同士では激昂もできるだけ抑えて生活しているのです。
【ストーム・ジャイアント】
ストーム・ジャイアント(嵐の巨人)は瞑想にふける賢者で、定命の種族の文明から遠く隔たった場所に住んでいます。多くの者は肌も髪も紫がかった薄い灰色で、目は緑色。ごく少数の者は青紫色の肌、深い青紫色や青黒い色の髪、銀灰色や紫色の目をしています。怒りを発しない限りは情け深く知恵深い。ひとたび怒れば何千もの命がただでは済みません。
地表よりもずっと上の空中やずっと下の海の底に離れて生きており、他のおおかたの生き物の手が届かない所にいます。
ストーム・ジャイアントは同族とはあまり関わり合いません。関わり合うのは、お互いのつかんだ予兆やしるしを比べあうときや、めったにない求婚のときくらいです。ストーム・ジャイアントの両親は子供が成人するまで一緒にいますが、それから後は孤独の中に戻ってゆきます。
人型生物の一部の文化では、下級の神でも崇めるようにストーム・ジャイアントを崇め、その功業と大智を語る神話や物語を作り上げるのです。けれども当のストーム・ジャイアントは、特定文化の法や名誉の掟ではなく、己の良心の指図にのみ従います。
それゆえストーム・ジャイアントのうち、欲望に心を委ねる者や、小さな権力を求める者は、えてして恐ろしい脅威となるのです。
北欧神話で一種の神とされるヴァン神族がこれに当たると思われます。
【クラウド・ジャイアント】
クラウド・ジャイアント(雲の巨人)はこの世界を高みから見下ろして贅沢な暮らしを送っており、他の種族がどんなに苦労していようと、ただ面白がるだけです。
筋骨隆々として、肌の色は薄く、髪の毛は銀色や青。風吹く空の魔法に慣れ親しんでおり、霧に姿を変えることや、波のように揺れる霧の雲を作り出すことができます。
彼らの住む城は高い山頂や、かつて彼らの領土であった雲の塊の上に建っています。こうした魔法の雲は、巨人族の失われた帝国の名残りです。ストーム・ジャイアントほどではありませんが天気を変え、嵐をもたらし、風を操ることができます。
ストーム・ジャイアントはめったに世の中に出てこないので、クラウド・ジャイアントは「われらこそが巨人族の最高位である」と思い込んでいます。彼らは位の低い巨人に命令を下して富や芸術品を集めて持ってこさせ、ファイヤー・ジャイアントを鍛冶屋や細工師に雇い、フロスト・ジャイアントに襲撃、略奪、強奪を行なわせます。頭の鈍いヒル・ジャイアントは、腕力担当に使ったり戦いで使い捨てたりするのです。
人型生物の貴族が鷹狩り用の鷹を飼うように、グリフィン、ペリュトン、ワイヴァーンを飼います。これらの獣は狩りに使われるだけでなく、夜には庭園の見張り役を務めるのです。アウルベアやライオンといった訓練された肉食獣もこれを手伝います。
北欧神話のアース神族がこれに当たると思われます。
【ファイヤー・ジャイアント】
ファイヤー・ジャイアント(火の巨人)は金属を扱う腕前は伝説的なものがある工芸の名人です。巨人族のうち最も偉大な細工師と芸術家を生み出すのが彼らファイヤー・ジャイアントです。彼らは溶岩と鍛冶に長け、また金属と石を用いた建築に長けています。彼らの生み出す細工は実に見事なもので、物を壊す道具や戦に使う武器にまで見事な細工がしばしば見られるのです。合金を用いて実験を重ね、堅固な鎧を作り上げたかと思えば、今度はその鎧を貫く剣を鍛えようとします。こうした仕事には筋肉と頭脳の両方が同じほど要ります。
ファイヤー・ジャイアントのうち位付けの低い者は、坑道とそこで働く奴隷を管理するのです。坑道での仕事は難しいうえに危ないため、長く生き残る奴隷は少ない。坑道を管理し鉱石を集めるのはうまいが、奴隷の安全にはあまり気を使わず、鉱石を溶かし金属を使うことに重きを置きます。
位付けの高いファイヤー・ジャイアントは同族の中でも頭が切れるうえ力も強い者であることが多い。
彼らは噴火口や溶岩流や岩山のあたりに住みます。要塞は火口の周りや火口の中や、マグマでいっぱいの裂け目のそばに築かれるのです。ファイヤー・ジャイアントの住処の炎熱は鍛冶場の熱源となります。火山の熱から遠い土地では、石炭を掘り出して燃やすのです。
親戚のフロスト・ジャイアントが熱を憎むように、ファイヤー・ジャイアントは冷気を嫌うのです。しかし努力して寒い環境に適応することはできます。暖炉の火を絶やさず、分厚い羊毛の衣や毛皮を着て体を温めるのです。
彼らの細工師は経験と勘で仕事をします。しかし図面や算術に通じた奴隷を宮廷に置いておくことはあるのです。宮廷にも畑にも向かない奴隷(特にドワーフ)は、ファイヤー・ジャイアントの治める山がちな土地に連れて行かれ、鉱石や宝石を掘り出すことになります。
また生まれたときから戦争の伝統を叩き込まれて組織立った戦いぶりを見せます。兵士としては征服者として焼き、奪い、壊す者として悪名高い。工芸の知識を世代から世代へと受け継ぐように、彼らの戦いの技もまた、絶え間ない訓練と規則を通じて受け継がれたものです。軍略に長けた力持ちの乱暴者です。
乱暴な振る舞いを見て侮っていると、必要とあらば抜け目ない戦術家にもなれるのだと気づいたときにはすでに遅い。戦いで征服された人型生物は農奴となり、邸宅や要塞の周りの農場や畑で働かされ、家畜を育て、作物を取り入れさせられます。
北欧神話のムスペルヘイムに住むムスペル族がこれに当たると思われます。
【フロスト・ジャイアント】
フロスト・ジャイアント(霜の巨人)は文明の遠く離れた極寒の地からやって来る巨大な略奪者です。激しく粘り強く戦う戦士であり、襲撃と略奪の戦利品によって生きています。なによりも腕力を尊び、筋骨隆々で名誉ある戦いで受けた傷跡、敵の死骸から作った記念品、これらはいずれも腕力の証です。とくに強大な者は、竜の鱗をつづった鎧を着、また竜の爪と牙で作ったピックやモールを使います。もっぱら蛮力と武技を尊び、受けた傷跡や敵から奪い取った血みどろの戦利品をひけらかすのです。
青白いあるいは薄青い髪やヒゲには霜が降り、つららが下がっています。肌は氷河の氷に似て青い。
高い峰や氷河の裂け目に住んでいます。彼らの故郷である凍てついた土地に作物は育ちません。彼らはまず家畜を自分で育てず、ほとんどは文明の土地への略奪行為で手に入れます。ツンドラや山で野生の獣を狩るが、料理はしません。殺したばかりの生肉は、彼らの舌にはじゅうぶんに熱いからです。
氷河の裂け目にある氷の要塞を出て吹雪の中を進軍します。嵐がやむ頃には多くの村、多くの農場が廃墟に変わり、宿屋や酒場はとくに手酷くやられ、地下室は荒らされ、エールや蜂蜜酒の樽は消え失せています。鍛冶屋も同じくで、こちらは鉄と鋼が持ち去られてしまうのです。金貸しや金持ちの家が無事なのは、貨幣や飾り物に重きを置かないためです。身に着けられて目を引くことができるほど大きな宝石や装身具は珍重します。けれどこうした宝物も、取っておいて後で金属の武器防具を鍛えるのがうまい他の巨人たちとの取引の種にすることのほうが多い。
北欧神話の霜の巨人族がこれに当たると思われます。
【ストーン・ジャイアント】
ストーン・ジャイアント(石の巨人)は人里離れた洞窟を住処として暮らし、物静かで放っておいてもらえるかぎりは平和的です。
暗い静かな洞穴で、黙々と精密な彫刻に勤しみ、洞窟の水たまりに落ちる雫の響きで時を計るのです。集落のいちばん深い穴倉は、コウモリの鳴き声も、ペットのケイヴ・ベアを連れた見回りの足音も聞こえてきません。そこは完全に静かで、本当に暗い、尊い場所なのです。こうした洞窟寺院では、石がいちばん神聖な性質を表します。壁を支える控え壁も円い柱もじつに美しく彫ってあって、伝説に名高いドワーフの石工をも顔色なからしめるほどです。
みかげ石のような灰色の肌、痩せこけた体、落ちくぼんだ黒い目のせいで、ストーン・ジャイアントの姿は人を寄せつけない厳しいものに見えます。彼らは引っ込みがちな生き物で、自分たちの暮らしぶりや為す技を世間に隠しておこうとします。
ストーン・ジャイアントは体も大きければ筋肉も相当のものですが、それでもしなやかで気品があります。石投げの名人が高い位につくのです。
ギリシャ神話のギガースがこれに当たると思われます。
【ヒル・ジャイアント】
ヒル・ジャイアント(丘の巨人)はわがままで頭の鈍い暴れん坊です。
世界中の山の谷間や丘に住んでいます。そこには丸太作りの館があったり、木の枝を編み泥を塗って作った小屋がいくつも一箇所に集まっていて周りが厳重に警戒されているのです。いつも丘の斜面をどたどたと登り降りしたり、日なたで居眠りしたりで過ごしているので、肌は日に焼けて褐色です。
いつも食べ物を探して狩りをしたり人里を襲ったりしています。ほとんどなんでも消化する能力を持つため、丘や森をうろついて獣のように食べ、繁殖し、未開のまま長い長い時を生き延びることができたのです。自分より小さな生き物を脅して食べ物を手に入れようとさえするのです。とにかく怠け者です。
適応し変化する必要がなかったため、精神も感情も単純で未発達のままなので、独自の文化を持ちません。
ヒル・ジャイアントに理を説いて説得しようとしてもムダですが、ときには頭のよい生き物が巨人をおだてて自分に都合のいい行動をとらせることもあります。ひとたび「だまされた」「見くびられた」「バカにされた」と思ったなら、出くわすものすべてに怒りをぶつけるのです。自分をバカにした相手をバラバラにしてしまった後も暴れ続け、怒りが冷めるか、もっと面白いことを見つけるか、腹が減るまでは収まりません。
他の人型生物の住む土地で「ここの王様は俺だ」と言い出すこともあるのです。その場合、恐怖と圧制によって人々を治めることになります。決定は気分次第で、時には王様を名乗ったことを忘れ、一時の気まぐれで臣民を食べてしまうこともあるのです。
武器としては根こそぎ引き抜いた樹を振りまわし、地面から掘り出した岩を投げます。生の獣皮を髪の毛と革紐で縫い合わせて着ており、その臭いに流れる汗の臭いがまじってひどいことになっているのです。
ヒル・ジャイアントは体が大きいことを強いことと見なします。村人が他の村人たちの肩に乗って毛布をかぶり、上の者がカボチャに巨人の顔を描いた「頭」を差し上げれば、ヒル・ジャイアントをだまして「こいつは強い巨人だ、逃げよう」と思わせることもできます。
「丘の巨人族」は北欧神話にも出てくるので、それが当たるかもしれません。
TRPG『PATHFINDER RPG BESTIATY』では、
【ストーム・ジャイアント】
ストーム・ジャイアントの肌は、ごく稀に
成人の身長はおよそ21フィート(約6.4m)、体重およそ12,000ポンド(約5.4t)。ストーム・ジャイアントの寿命は長い者で600歳程度です。
腰のあたりを帯で締めたゆったりとした丈の短いチュニックを着ており、足は裸足のままかサンダルを履き、頭にはヘッドバンドを巻いて過ごします。これに加えて、簡素だが精巧な造りの足輪(裸足の者がこれを好む)、腕輪、額冠といった装身具をいくつか身に着けているのです。しかしストーム・ジャイアントが戦いに際して装備を整えるときには、きらめくブレストプレートを着用し、巨大なグレートソードとボウを振るいます。
ストーム・ジャイアントは人里から遠く離れた海岸の近くや常夏の島などで隠遁生活を送る者が多い。しかし、その名が示すように、激情に突き動かされやすい気質もあります。ストーム・ジャイアントは悪を目の当たりにすると怒りをあらわにし、侮辱を受ければ残酷で危険な敵と化すこともあるのです。戦いの際には、相手に豪雨のごとく射掛けることを好み、弓の間合いを潜り抜けてきた敵にのみグレートソードを抜きます。
ストーム・ジャイアントは立派に築かれた塔や城、城壁のある居住地で暮らし、その土地での自給自足の生活を好むのです。彼らは集団ごとに手入れの行き届いた壮大な庭園を維持し、何百エーカー(1〜3平方キロメートル)もの農園を営みます。この広大な農園の切り盛りを助けるために、エルフや人間などの人型生物がよく雇われるのです。ストーム・ジャイアントが島や海岸地帯の一角を占める領地全域について、平和を保つ責任を担っていることも多い。
【クラウド・ジャイアント】
クラウド・ジャイアントの肌の色は乳白色から淡い青色までさまざまです。
成人の男性は身長およそ18フィート(約5.5m)、体重およそ5,000ポンド(約2.3t)であり、女性はもう少し背が低く体重も軽い。クラウド・ジャイアントの寿命は長い者で400歳程度で、手に入る限り最上の衣類と装身具を身につけます。
クラウド・ジャイアントにとって、身なりは地位を示すものであり、より上等な衣服、より優美な装身具をを身に着ける者ほど地位が高いことを示しているのです。彼らは音楽への造詣も深く、多くの者は複数の楽器を演奏できます(特にハープが好まれます)。
クラウド・ジャイアントの属性はおよそ半数は善属性、もう半数は悪属性です。善のクラウド・ジャイアントは、交易の発展のために、自分たちの居住地から他の人型生物の街道へと通じる道を作ります。高い山々から成る山脈付近の人間の街があれば、人間にまじって歩く善のクラウド・ジャイアントを見かけることも珍しくありません。一方、悪のクラウド・ジャイアントは恒久的な居住地にこだわることは少なく、高山の頂に築いた粗末な住居で暮らし、物資が必要なときだけ村々から略奪するするために降りてきます。この相反する哲学のため、隣り合う部族の間ではしばしば長期に渡る血みどろの戦争が生じるのです。
伝説によれば、風に吹かれて世界を巡る、大雲を従えたクラウド・ジャイアントの魔法の都市が数多く存在していると伝えられています。ほとんどのクラウド・ジャイアントはこの話を絵空事であると考えていますが、これを見たと主張する者もおり、都市の再発見に彼らの長い人生すべてを捧げる者もいるのです。
【フロスト・ジャイアント】
フロスト・ジャイアントの髪の毛は薄い青色か、くすんだ黄色であることが多く、通常は髪の毛の色と同じ色の瞳を持ちます。彼らは皮や毛皮の衣服を着て、所有する装身具すべてを身に着けている。フロスト・ジャイアントの戦士はチェイン・シャツと角と羽で飾られた金属の兜を身に着けている。
成人の男性は身長およそ15フィート(約4.6m)、体重およそ2,800ポンド(1.3t)である。女性は少し背が低く体重も軽いが、それ以外は男性と同じである。フロスト・ジャイアントの寿命は長いもので250歳程度です。
その理不尽な破壊行為、戦いに対する渇望、恐れ知らずの振る舞いが彼らの残虐性を著しく際立たせることから、フロスト・ジャイアントは最も恐れられるジャイアントのひとつです。
フロスト・ジャイアントは離れた場所から戦闘を開始し、投げる岩がなくなるか敵が近寄るまで岩を投げつけた後、巨大なグレートアックスを構えて襲いかかります。最も好んで使用する戦術は、敵が容易に近づけない雪や氷に覆われた斜面の上で雪に身を沈めて待ち伏せし、戦火に飛び込むのに先立って雪崩を起こすやり方です。フロスト・ジャイアントは雪の多い環境で身を隠すことに長け、彼らの領域では隠密の達人です。
フロスト・ジャイアントは荒涼とした厳寒の環境で暮らしているため、もっぱら狩猟と略奪によって生き延びています。フロスト・ジャイアントの集団は、当座しのぎの居住地や打ち捨てられた城に住む者と、略奪の獲物と食料を求めて遊牧民のごとく極寒の北の大地を放浪する者とに、ほぼ半々に分かれているのです。部族の長は自らをイャール(首長)と名乗り、配下の者に絶対的な服従を求めます。イャールは、いかなるときでも部族の支配権を賭けた戦いを挑まれる可能性がつきまとうのです。この決闘は通例いずれかの戦士が死ぬことにより終結します。ひとりのイャールが大部族連合として1ダース以上のフロスト・ジャイアントの部族をまとめあげて支配することも少なくありません。このような場合、下位部族の長は単に族長ないし将軍と呼ばれます。
フロスト・ジャイアントは虜囚を捕まえ、奴隷として使役すること、奴隷商に売却すること、さらには食料にしてしまうことを大いに好むのです。フロスト・ジャイアントの集団には通常1〜2人の人型生物の奴隷が奴隷監督に枷でつながれています。奴隷監督はたいてい集団の中でイャールの次に卑劣な残酷な者がなるのです。
また、彼らはモンスターをペットにすることも好みます。ホワイト・ドラゴンやウィンター・ウルフが人気ですが、ルモアハズ、イエティ、さらにはリノームまでもがフロスト・ジャイアントの住処に居着いていることがあるのです。
【ファイアー・ジャイアント】
ファイアー・ジャイアントは巨人族の中で最も厳格かつ軍国主義的な種族です。常に戦争に備えて訓練しており、誰であれ立ちはだかる者は残忍な兵法の的となります。彼らの厳格な指揮系統は兵士、指揮官、さらには将軍まで揃えられた完成度の高いものであり、王からの命令になんの疑問もなく従うのです。
ファイアー・ジャイアントの髪は明るいオレンジ色で、炎でできているかのように揺らめき輝いています。
成人した男性は身長12〜16フィート(約3.7〜4.9m)、胸囲は9フィート(約2.7m)、体重はおよそ7,000ポンド(約3.2t)。女性は少し背が低く体重も軽い。ファイアー・ジャイアントの寿命は長い者で350歳程度です。
ファイアー・ジャイアントの服は丈夫な布か革でできており、色は朱、オレンジ、黄色、黒のいずれかです。戦士は黒ずんだ鋼鉄のハーフプレート・アーマーと兜を身に着けて、大きなグレートソードをふるって戦場を駆け回り薙ぎ倒していきます。大きな集団では、ファイアー・ジャイアントは残忍かつ効率的な集団戦術に則って戦い、敵を伏兵のいる場所に誘い込むために1人や2人の仲間を犠牲にすることも躊躇しません。
ファイアー・ジャイアントは暑い場所を好む――暑ければ暑いほどよい。彼らは砂漠、火山、温泉、地下深くの溶岩が流れ出るあたりによく見られます。ファイアー・ジャイアントは城砦、城壁に囲まれた居住地、巨大な大洞窟に住みます。居住地は彼らの厳格かつ軍事的な生活様式が反映されており、指揮官は兵卒よりもよい区画に住んでいるのです。
【ストーン・ジャイアント】
ストーン・ジャイアントは、周囲の石に馴染む茶色や灰色に染めた分厚い革の衣を好んで着用します。
成人の身長は約12フィート(約3.7m)、体重はおよそ1,500ポンド(約680kg)である。寿命は長い者で800歳程度です。
ストーン・ジャイアントは可能であれば遠距離から戦うが、近接戦闘が避けられないときは、石から彫り出した巨大な棍棒を好んで使います。ストーン・ジャイアントが好む戦術は、じっと動かずに風景に溶け込み、踏み出して岩を投げ、相手の不意を討つというものです。
ストーン・ジャイアントは岩山の山頂付近にある巨大な洞窟暮らしを好みます。ストーン・ジャイアントの集団同士が、数日かかるより遠くに離れて暮らすことは滅多になく、山羊などの家畜の群れを部族間で共有して飼養することすらあるのです。年老いたストーン・ジャイアントは、部族から離れ、残された重要な時間を放浪して過ごすことが多く、どこかでひとり隠遁する者もあれば、他の人型生物の社会に溶け込もうとする者もいます。自らに課した数十年に渡る放浪生活を経て帰還した者はストーン・ジャイアントの長老となるのです。
ストーン・ジャイアントの中には自分たちの環境に関連する特殊能力を身につける者がいます。この長老と呼ばれるストーン・ジャイアントの10人に1人はソーサラーです。
【ヒル・ジャイアント】
ヒル・ジャイアントの肌の色は淡い褐色から濃い赤茶色まであり、髪の家は茶色か黒、瞳は髪と同じ色です。毛がついたままの獣皮を雑に加工したものを、何枚か重ねて着ています。着ているものが擦り切れてしまっても、洗ったり修繕することは滅多になく、上に新しいものを重ね着するのです。
成人の身長は約10フィート(約3m)、体重はおよそ1,100ポンド(約499kg)。ヒル・ジャイアントの寿命は長い者で200歳程度ですが、この歳まで生きながらえないものがほとんどです。
ヒル・ジャイアントは自分の身に危険が及びにくい岩場の高所に陣取り、岩や巨石を投げつけ戦うことを好みます。白兵戦では最初に自分よりサイズの小さいクリーチャーに対して蹴散らし攻撃を仕掛けたがるのです。以降は足を止め、重く大きなクラブを振り回します。
ヒル・ジャイアントは巨人族の中で最も遊牧民的な気質があり、襲撃と略奪のために人里を次々と回り巡るのです。温暖な気候を好みますが、襲撃が実入りがよく成功し続ける限り、自分の好きな環境から離れて旅をすることもあります。
総じて呆れるほど利己的なクリーチャーであり、難なく勝てるだろうと思えない相手と戦うことは滅多にない。ヒル・ジャイアントは恐るべき敵に対しては仲間内で互いに押しつけ合うことで知られ、自分が傷を負わないためであれば躊躇なく仲間を犠牲にします。
温暖な丘陵をうろつくヒル・ジャイアントの一団を見かけることは珍しくなく、絶え間なく襲撃を繰り返すヒル・ジャイアントは、この気候帯での憂慮すべき甚大な危険のひとつとなっているのです。
仲間を持たず悪属性ではないヒル・ジャイアントは非常に稀な存在ですが、他の人型生物の社会で見ることがあります。とはいえ、中央の都市や人口の多いところで受け入れられることはまずありません。中央から遠く離れた辺境の街で人足や兵士役をこなすあたりが彼らにとっての最適な役割ですが、襲撃してきたヒル・ジャイアントの一団と交渉するための間に合わせの交渉役を任されることも珍しくない。不幸なことに、種族本来の生活を捨てて文明を受け入れたヒル・ジャイアントは嘲りの対象であり、放浪生活を続ける同胞に見つかったとたんに殺されることも多い。それでも、“文明化”されたヒル・ジャイアントは社会の中に自分の居場所を見つけ、多くは平和で平凡な生活を手に入れています。
TRPG『ADVANCED FIGHTING FANTASY』第2版『モンスター事典――奈落の底から――』では、ジャイアントは基本的には大きな人間で、身長は普通の人間の5倍に育ちます。何種類ものジャイアントが、世界中に散らばって存在するのです。おおむね粗野で短気で、しばしば自身の巨大さを忘れます。周囲を大股で歩き回り、通り道にある木々や家々を、考えなしに踏み潰すのです。しかし、ときには“小さい人々”に注目することもあります。彼らを持ち上げて落としてみたり、屋根を取り外して家の中を興味深げに覗いてみたりして、人間で“遊ぶ”のです。しかし空腹を感じたら彼らをかき集めて“おやつ”として食べてしまいかねません。
その混沌とした性質から、ジャイアントは未開に近い定住地ではひじょうに恐れられています。ありがたいことに、ほとんどのジャイアントは愚かです。もし規律ある軍隊を組織していたら、都市を丸ごと破壊できるでしょう。さまざまな異種ジャイアントの間でしばしば争いが起こるため、小さな生き物に対する注意はほとんどそちらに逸らされています。
【シー・ジャイアント】
ジャイアントの中で最大のものは、陸ではなく海中に住んでいます。青い肌を持つ巨大なシー(海)・ジャイアントで、身長は10メートルにも及ぶのです。手と足には水かきがあり、豊かな髪が鱗の生えた体の上を流れます。迷信深い水夫は、彼らを
シー・ジャイアントは空中と水中のどちらでも呼吸できますが、あえて陸地へ行こうとはしません。大洋を泳ぐときには、親しくしているイルカやマーフォーク(人魚)を連れていることがあります。彼らは海底の巨大な洞窟にねぐらを作り、沈んだ船から得た財宝で飾り立て、コインで壁を塗り固め、宝石を床に敷き詰めるのです。
【ストーム・ジャイアント】
高山の尖った峰を越えた雲上の巨大な石の城で、孤高のストーム(嵐)・ジャイアントは人間と巨人の世界を軽蔑なまなざしで見下ろします。彼らは偉大な学者であり、鷹を使って遠くの場所から
典型的なストーム・ジャイアントは背丈が8メートル、細身であるが力強く、青白い肌と黄色い髪を持ちます。質の良い衣服をまとい、大きな杖を持つこともあるのです。
そびえ立つ高峰から気まぐれに天候を操作して、他者に影響を与えます。雨、熱波、果ては破壊的な雷を伴う嵐を居城から送り込んで、軍隊や艦隊の行動に影響を与えられます。しかし同時に、洪水や干ばつになった地域を助けるために力を使うこともしばしばあるのです。
友好的な関係を結んでいる大ワシやエア・エレメンタルが城に同居している場合もあります。この城は質実剛健で、装飾はなく、素朴な家具や設備だけがあるのです。図書室や観測室はもう少し豪華で、太古の遺物が詰め込まれています。
【マウンテン(山)・ジャイアント】
マウンテン・ジャイアントは山並みの最高峰でのみ見つけられます。身長は約8メートル、体は頑健かつ精強です。多くは分厚い毛皮や皮革をまとい、巨大な石の斧や棍棒を携えています。力はとても強く、木々を根こそぎにして使ったり、大岩を敵に投げつけるのです。
また、大ワシをペットや狩猟用に飼い、縄張りへの侵入者を攻撃するように訓練していることがあります。独居性でとても欲深く、黄金やその他の財宝を自分たちの雲がかかるほど高い洞窟に蓄えるのです。
ねぐらから出ているときに出会ったなら、普通は大きな袋に金貨や
【ヒル・ジャイアント】
ヒル(丘)・ジャイアントはこぶだらけの醜い乱暴者であり、身長7メートルにまで成長します。太っていて、毛深く、見た者は強い嫌悪感を覚えるのです。普通ぼろぼろの毛皮や生皮を身に着けています。
最も好む武器は巨大な木製の棍棒です。しかし大きな岩を小さな生き物や村目がけて投げ落とすことも好みます。大きな洞窟に自分の家を作りますが、ときたま熊と洞窟を共有してそこを守る手助けをしてもらうことがあるのです。熊は代わりに、安定して食べ物を報酬としてもらうことができます。
ヒル・ジャイアントが好むのは人間の肉で、彼らの洞窟はときに“貯蔵庫”をもち、そこには多くの保存された肉の塊が吊るされて食べられるのを待っているのです。
【フロスト・ジャイアント】
最大で身長6メートルにまで成長するフロスト(霜)・ジャイアントは、険しい氷指山脈にある氷原など、最も寒い地域にのみ住んでいます。
青白い肌を持ちますが、その身体は長く白い髭と髪の毛、幾重にも巻き付けた白熊の毛皮で隠されているのです。独居性で、一緒に行動するなら同族よりも雪狼のほうを好みます。狩りに出ているときに出会ったなら、1〜6頭の雪狼を連れているのです。彼らは捕らえられるものすべての肉を食べて生活しています。例外としてトア・スオには近づきませんが、これは純粋に数の力によって上回られるのを恐れているからです。人間を襲うのに躊躇はなく、小さな連中が黄金を運ぶと知っているため。フロスト・ジャイアントは黄金を洞窟に集めるのが大好きなのです。
【マーシュ(沼)・ジャイアント】
緑色の肌と鱗を持ったマーシュ・ジャイアントは、他のジャイアントと大きく異なっています。身長はおよそ6メートル、痩せ型で腕とわきの間には膜があり、広い水かきを持った足が泳ぐ手助けになっているのです。湿地や沼地の奥深くに住み、時間のほとんどを
【フォレスト(森)・ジャイアント】
完全に成長したフォレスト・ジャイアントの身長は5メートルにも及びます。筋肉質で、普通は茶色や緑の毛皮や布で出来た粗末な服を着て、肌は赤茶色、髪は整えられていません。武器は木の枝でできた大きな棍棒、
他の多くの巨人族とは違って、この種族は居住地の手入れをし、森の木の世話をします。ときにツリーマンやウッドエルフと仲良くなりますが、前者とはしばしば対立するのです。フォレスト・ジャイアントは若い木や藪を育てますが、薪を得るためにより大きな木を切り倒すのを厭いません。他の巨人族と同様に、自分の領域への侵入者に優しくはなく、排除しようとします。その際は離れたところから石を投げ、近づいて棍棒によってとどめを刺そうとするのです。人間を食べることを嫌がりませんが、少し筋張っていて満腹しないので、それよりは鹿や猪を好みます。
【ケイブ・ジャイアント】
ケイブ(洞窟)・ジャイアントはジャイアントの中で最も小さく、成長してもせいぜい3メートルと少しです。しかも天井の低い
地下にのみ住み、暗闇の地の住人を食べて生きているのです。肌は明るい灰色で無毛であり、周囲に溶け込んで6回に5回は獲物を奇襲(攻撃を自動的に一回当てる)できます。彼らの銀色の目は地下の暗闇を見るうちに視力が弱くなっており、突然のまぶしい光にさらされると視力を失ってしまうのです。
ケイブ・ジャイアントは腰布を着けて、石の棍棒か投石用の石の入った袋を持っています。賢くはない生き物で、ほぼすべての者を攻撃するのです。とくにトログロダイトの柔らかい肉が大好物で、空腹の際はよくつまみ上げて食べ始めます。
TRPG『Tunnels & Trolls』完全版では、惑星トロールワールドの(そして広くファンタジーの世界の)多くの生き物同様、この世界は魔法に満ちているため、ジャイアントは物理学的には不可能な姿形で存在しています。かつ、ドラゴンやコーターに負けず劣らず希少な種族です。
ジャイアントは最大の種族の一つで、当然尋常でない食欲を示します。肉であればどんなものでも食べますが、羊や牛一頭くらいではほんの一食ぶんにしかなりません。
とくに頭がよいわけではなく、どちらかといえば動きも遅く鈍重です。しかし攻撃を受ければ、さすがに「やられた!」と気づきます。小柄な種族が彼らを攻撃する場合、相手を自分と同じ高さに引きずり倒すまで、あるいはそうしない限りは急所を突くことは難しいでしょう。
TRPG『Tunnels & Trolls』完全版『MONSTERS! MONSTERS!』では、人間の5倍の身長、10倍の体重があり、人型生物で最も恐れられているもののひとつです。普通は単独でいるものですが、大きな軍隊の要になっていることもあります。ジャイアントは崩れ落ちた城に住み、中には賢いものもいますが、普通、どちらかといえば頭は弱いほうです。賢いジャイアントはあらゆる武器を扱い、その威力たるや圧倒的なものがあります。頭の弱いジャイアントは根っこから引き抜いた木の幹を武器にします。
ジャイアントは人間の5倍以上のサイズがあり、大木の幹や巨大なへら状の棍棒を扱います。そのため、ひじょうに恐ろしい敵ではありますが、一般的なジャイアントは愚鈍でのろまです。ですから、計略などが有効になるでしょう。通常は単独でしか見かけられません。
ひとりでジャイアントと戦う場合、プレイヤー・キャラクターはジャイアントに対し、「攻撃を交わしながら必殺の一撃を狙う」戦法がとれます。
ジャイアントのMRをじゅうぶんに減らし、普通に戦えるようになったと思えば、キャラクターはいつでも通常の戦闘に切り替えられます。
【ファイア・ジャイアント】
ファイア・ジャイアントは背の高さではアイス・ジャイアントに劣りますが、恐ろしさはしのぎます。燃え盛る炎をまとい、炎を上げる巨大な両手用の剣を持っています。ダメージ・ヒットは増えませんが、ダメージは炎と熱からくるため、鎧が傷んでいきます。ファイア・ジャイアントの攻撃を受けた場合、受けたダメージぶんだけ、防御点を減らさなければなりません。たとえば防御点6のレザー・アーマーを着ていて、4点のヒットを受けたときには、鎧が熱で傷んでしまい、防御点は2点になってしまうのです。
「攻撃をかわしながら必殺の一撃を狙う」戦法はファイア・ジャイアントに対してはとれません。
ファイア・ジャイアントには「炎の嵐」の魔法は無効です。「氷の嵐」は通常通りダメージを与えますが、とくにボーナスはありません。ファイア・ジャイアントが倒されると、その死体は消えてしまいます。そのため、バルルクなどとかかわりのある、炎の悪魔の一種ではないかと言われています。
【アイス・ジャイアント】
アイス・ジャイアントは、ジャイアントにしては小柄ですが、そのぶん動きは俊敏です。そのため、通常のジャイアント相手にとれる、「攻撃をかわしながら必殺の一撃を狙う」戦法は、アイス・ジャイアントには通じません。
アイス・ジャイアントの攻撃は冷気を伴っており、鎧の防御点は役に立ちません。またキャラクターはダメージを受けたときに、凍えてしまいます。受けたヒットは耐久度と同時に器用度からも引かれます。器用度がゼロ点になった場合、キャラクターは凍死します。「氷の嵐」の魔法は無効です。「炎の嵐」の魔法は通常の二倍のダメージを与えることができます。
【ドワーフ・ジャイアント】
ドワーフ・ジャイアントは、ドワーフをそのまま大型にしたような外見をしています。ジャイアントと呼ぶには小柄ですが、怪力とタフさでは普通のジャイアントにもひけをとりません。体格が人間とそう変わりないため、ドワーフ・ジャイアントの「攻撃をかわしながら必殺の一撃を狙う」戦法はとれません。ヘビー・メイスなど、ふつうのドワーフがこの武器で武装していることが稀にあります。戦いがなによりも好きな種族で、相手を見つければ襲いかかってきます。
TRPG『ソード・ワールドRPG』完全版では、巨人のなかでもとくに「ジャイアント」と称される一族は、大型の妖精・妖魔にすぎないもの(トロールなどはそうであるとされます)とは異なり、古代種族の一つで、ドラゴンや神々と同じく、始原の巨人から生まれてきたという主張がなされています。
その姿形は人間と同じですが、その体格は人間の数倍に達し、最低でも身長は5メートル、ものによっては10メートルを超えます。ジャイアントたちは住む場所によっていくつかの亜種に分かれています。
彼らはひとりで生活している者もいますが、数名から10名ぐらいまでの集団で暮らしていることもあり、女性や子供のジャイアントの姿が見られることもあります。
【フロスト・ジャイアント】
フロスト・ジャイアントは寒冷地に住む巨人で、全身が白い体毛に覆われています。巨人族のなかでも特に大きい部類に属し、その身長は10メートルを超えます。
彼らは比較的穏やかな性格をしており、自ら進んで襲ってくることはありません。彼らは閉鎖的な暮らしを送っており、自分たちのテリトリーを荒らされることも好まないのです。話の通じる相手ならば警告を与え、自分たちの領域から立ち去るように言うでしょう。話が通じないなら、脅すことがあるかもしれません。
氷の精霊力と深い関わりを持っていて、氷の妖精(フラウ、フェンリル)の力を源にした精霊魔法を使用できます。また、自身は冷気系の攻撃によってはいっさいダメージを受けません。
フロスト・ジャイアントは北欧神話の霜の巨人「ヨトゥン族」がモデルでしょう。
【ファイア・ジャイアント】
ファイア・ジャイアントは身長7メートルほどの巨人で、赤褐色の肌を持っています。豊かな頭髪を持ち、その色は個体によって漆黒から真紅まで幅があります。頭髪と同じ色の体毛も持っていますが、全身にくまなくというほどではありません。
狂暴な生物で、自分のテリトリーに入ってきたものには容赦なく襲いかかります。そして、人里近くに居を構えることが多いため、人間からはきわめて怖がられているのです。
炎の精霊力と深い関わりを持っていて、炎の精霊(サラマンダーなど)を力の源にした精霊魔法が使用できます。また、自身は炎によっていっさいダメージを受けません。
ファイア・ジャイアントは北欧神話の炎の巨人「ムスペル族」がモデルでしょう。
【フォレスト・ジャイアント】
フォレスト・ジャイアントは森を住処にしているジャイアントで、ヒル・ジャイアントに比べて、暗い色の髪の色や体毛をしています。身長はおおよそ5メートルです。
性格はかなり狂暴で、視界に入る動物ならとにかく食べようと襲いかかってきます。もちろん、人間も例外ではありません。
【ヒル・ジャイアント】
ヒル・ジャイアントは丘や山を住処にしている身長5メートルほどのジャイアントで、金色から薄い茶色の頭髪や体毛をしています。
性格は穏やかで、出会ったとしても、何らかの理由がないかぎり攻撃してくることはありません。
ヒル・ジャイアントは北欧神話の一般的な巨人族がモデルでしょう。
TRPG『ロードス島戦記RPG』では2メートルを超えるような身長の人型種族の多くは巨人と呼ばれます。その起源ははっきりとせず、ジャイアントに限れば原初の巨人に連なる一族であるといわれます。
【フロスト・ジャイアント】
フロスト・ジャイアントは古代種の一種で、原初の巨人の末裔だともいわれます。身長9m近い巨人で、寒冷地に生息し、全身が白い体毛に覆われています。
比較的穏やかな性格をしていますが、排他的で、自分たちの領域に進入するものがいれば警告を発します。
北欧神話の霜の巨人「ヨトゥン族」に当たるでしょう。
【ファイア・ジャイアント】
ファイア・ジャイアントは古代種の一種で、原初の巨人の末裔だともいわれます。身長8mを超える巨人で、赤褐色の肌に、真紅から漆黒の髪を持ちます。
縄張り意識の強い狂暴な生物で、人間から恐れられています。
北欧神話の炎の巨人「ムスペル族」に当たるでしょう。
【ヒル・ジャイアント】
ヒル・ジャイアントは古代種の一種で、原初の巨人の末裔だともいわれます。金色から薄茶の体毛をしており、身長6mを超す巨躯を持ちます。
その体格の印象に反し、気性は穏やかで、自ら他の知的種族を襲うようなことはありません。
北欧神話で「ラグナロク」直前に見られる一般的な巨人族が当たるでしょう。
TRPG『クリスタニアRPG』では、ファイア・ジャイアントとフロスト・ジャイアントが存在します。
【フロスト・ジャイアント】
氷の精霊力を秘めた太古の巨人。体長は8メートルあまり。寒冷地に住んでいます。戦いになれば、岩などを投げつけて攻撃してくるのです。もちろん、冷気による攻撃ではこの巨人を傷つけることはできません。性格は比較的、穏やかです。
【ファイア・ジャイアント】
その肉体に炎の精霊力を秘めた太古の巨人。体長は7メートルほどで、暖かい場所に住んでいます。性格は狂暴で、遠くから岩を投げつけたりして攻撃してくるのです。ちなみに、炎による攻撃は、この巨人を傷つけることはできません。
TRPG『グランクレストRPG』では、ギガースはオリュンポス界で、神々に逆らったとされる巨人族。伝説によれば、山を投げ、海を割ったとも言われています。
TRPG『ログ・ホライズンTRPG』では、
【
炎のように揺らめく橙色の頭髪と赤みがかった肌を持つ巨人族で、その瞳はルビーのように輝きます。7メートルほどの巨体を竜族の革で作った防具で固め、高熱で鍛えた武具と伝来の炎の魔法で烈火のごとき侵略を行なうのです。
最後に
今回は「ジャイアント」について述べてみました。
『D&D』においてジャイアントには序列があるとされています。
この序列が以後の「剣と魔法のファンタジー」に大きな影響を及ぼしたのです。
また「ヒル・ジャイアント」のように各TRPGによって性格ががらりと変わったものもいます。
次回は巨人の中でも妖精に位置づけられる「トロール」を取り上げます。
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